2020年生まれの子どもの名前『蒼』と『陽葵』、男女とも初首位に
2020-11-26 10:00 eltha
■男の子の使用漢字で多数ランクインの【蒼】 昨年20位から急上昇の【詩】
調査開始以来初の1位を獲得した【蒼】。読み方は多い順に【アオイ】、【ソウ】、【アオ】と続く。さらに、“蒼”が入る名前は、【蒼空】【蒼太】(45位)、【蒼士】【蒼大】(62位)、【蒼生】(86位)、【蒼人】・【蒼翔】(97位)と多数がランクイン。“蒼”という字は、「蒼天」や「蒼海」といった美しく壮大な自然を連想させ、開放的なイメージからも広く人気を得たようだ。2位には、昨年まで2年連続首位だった【蓮】と、昨年7位から順位を上げた【樹】が。両名ともに、自然の中で強く根を張るイメージがあり、力強くまっすぐ育って欲しいという願いが込められた結果かもしれない。
男の子は、昨年に引き続き漢字一文字が人気なのも特徴的だ。TOP3すべてが漢字一文字の他、【律】(5位)、【湊】(7位)、【新】(8位)と、ベスト10に過去最多タイとなる6つがランクイン。TOP50の中でも昨年を上回る19の名前が上がった。
女の子の名前は、【陽葵】が昨年の2位から順位を上げ、調査開始以来初の1位に。読み方は多い順に【ヒマリ】、【ヒナタ】、【ヒナ】。日の光を意味する「陽」と、太陽の方向をむく植物を意味する「葵」を合わせた名前が首位を飾った。2位には、昨年1位の【凛】、そして3位の【詩】は昨年20位から大きくランクアップ。和風で文学的なイメージの名前は昨年から人気が上昇しており、日本最古の和歌集『万葉集』から採用された「令和」への改元の影響も考えられそうだ。
また、【結菜】(4位)、【結愛】(5位)、【結月】(7位)、【結衣】(10位)と、【結】のつく名前が多数TOP10入りに。東日本大震災後の2012年、2013年に記録した最多数に及ぶ結果となった。コロナ禍で、人との距離感や結びつきを意識したことも影響したのかもしれない。
■男女ともに【アオイ】がTOP10入り 偏りのない名前は今後も増加の予感
使用漢字では、10年以上首位をキープしていた【太】を抜き、昨年4位の【斗】がトップに。「斗」を使った名前は多い順に【湊斗】、【陽斗】、【結斗】など、100位までに14種類がランクインし、調査全体では185種類。2位の【太】も100位までに10種類、調査全体では206種類と安定した人気を誇っている。
女の子の使用漢字は、昨年2位の【花】が首位を奪還。一文字の【花】が18位と最も人気があり、【和花】(26位)、【一花】(54位)、【花音】(54位)と続き、全体では217種類もの名前に使用された。使用漢字2位は【菜】、3位は【愛】という結果に。
また、読み方のランキングでは、【ハルト】が12年連続の首位を獲得。表記は【陽翔】、【陽斗】、【遥斗】、【晴翔】と全68種類に昇り、根強い。2位には【ソウタ】、3位は【ミナト】がランクイン。女の子は、近年人気の高い2位の【メイ】を僅差で抜き、【ミオ】が初のトップに。表記は【澪】、【美桜】、【美緒】、【実桜】など全37種類となった。
注目は、男の子6位、女の子10位と男女共にランクインした【アオイ】。漢字表記は男の子が【蒼】、【葵】、【碧】、女の子が【葵】、【葵衣】、【蒼衣】と続き、表記の違いはあるものの男女どちらにも通じる名前が人気を集めた。その他にも、【ヒナタ】(男の子12位、女の子25位)、【ハル】(男の子19位、女の子32位)と、共通の読みを持つ名前がベスト50以内にランクイン。男女の区別や、固定概念にとらわれない自由な発想が尊重される中、偏りのない名前は今後もさらに増えていきそうだ。
同調査は、1989年より生命保険加入者を対象に行なっており、今年で32回目。時代の変遷と共に移り変わる名付け方が見て取れることから、毎年注目を集めている。今年は、男児9172人、女児8825人を対象に調査実施。