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夫の不倫が転機に…野菜農家を営む女性が失意の中から見出した“やりがい”

2022-08-30 07:30 eltha

 「夫の不倫が発覚し、証拠をつきつけて同居の義父と一緒に追い出して別居、そこから長女(当時24歳)に畑仕事手伝ってもらって、夫婦営農から母娘の農作業に変わって、別居から3年以上経っても辞めずに女手1つで未だに農業続けてる私を誰かほめてくれませんか?」という投稿が話題を集めている。投稿者のあいかさん(@aisaika_daihyou)は、農家歴11年目の45歳の女性。長女・ゆうりさんとともに農業を行い、最近はSNSを通じて新鮮野菜の直送販売もスタートさせている。SNSで自身の体験談を赤裸々に告白した背景、娘と再出発した農業への想いなど、あいかさんに話を聞いた。

「45歳。こっからが本番じゃああ」娘とともに農家を営むあいかさん(本人画像提供)

「45歳。こっからが本番じゃああ」娘とともに農家を営むあいかさん(本人画像提供)

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■「農家は絶対にやらないと思ってた」夫の一声で農家に転身

――あいかさんは33歳のときに旦那さまに誘われて農家に転身されました。

【あいかさん】私は公務員の娘で、祖父母が一応農家ではあったので、農地を取得できる環境にはあったんですけど、農家は絶対にやらないと思って生活していました。自分が農家になるなんて微塵も思わない環境に私も夫もいたと思います。

――それがなぜ農家になることに?

【あいかさん】最初は、野菜を仕入れて販売をする小売業の事業を立ち上げたいと夫が言い始めたのがきっかけでした。農家さんと私たちが親しくなって、農家さんが作った野菜を私たちが仕入れて販売させてもらうという形で実はスタートしているんです。

 生産者と消費者を繋ぐ間側にいたので、「こういう野菜がほしい」「こういう商品はないかな?」という消費者の要望を聞いて、それを「こういう商品があったら購入したいっていう声があるんですけど、作ってみませんか?」と生産者の方にフィードバックしていくのですが、誰一人それを実行しようとする方がいない状況だったんです。

 その立場の大変さとかを何も知らないので、作れば売れるのになんでやらないんだろうって、すごく不思議だったんです。それで、誰も作らないなら自分で作ってみようとはじめました。

――農家をやっていて、やりがいを感じられたエピソードはありますか?

【あいかさん】「食べられなかった野菜が食べられるようになった」とか「嫌いだったトマトが美味しく感じた」とか「ここの野菜を食べたことによって、子どもがこういうものを食べられるようになりました」とか。そういった声とか手紙をいただいたときが一番うれしかったですね。

――そういった声って、なかなか直接は聞けないですもんね。

【あいかさん】スーパーに卸すとか市場に出すとかってなると、どこの誰が作ったのかというところまでは届かないですし、誰が買ってくれたのかもわからないので、商品を購入して食べてくれた人がどういう感想を持つかはまったく戻ってこないんですよね。だから、そこはやっぱりすごく大きいですよね。

■夫の不倫発覚 「家族には相談できない」「子どもに弱み見せられない」考えを変えさせてくれた娘たちの存在

「親だから泣いている姿は見せちゃいけないとかって自分では思っていた」と話すあいかさん(本人画像提供)

「親だから泣いている姿は見せちゃいけないとかって自分では思っていた」と話すあいかさん(本人画像提供)

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――そして3年前に旦那さまの不倫が発覚。そこからあいかさんがお一人で農業を続けることに。

【あいかさん】ものを作ることを10年以上も続けたので、「やりたい」という思いと「ここまで続けてきたものをなくしたくない」という思いがありました。できるかどうかの視点で言うと、圧倒的に不安しかなかったんですけど、なんとかなるんじゃないかという根拠のない自信みたいなものだけはありました。

 当時、今一緒にやってくれている長女にかなり助けられましたね。3年前で23〜4歳くらいのときで、もうすでにうちの農業を手伝ってくれている状態ではあったのですが、私がメンタルダウンして日に日に痩せて元気がなくなっていく様子を見て、何か重大な病気にかかっていると思っていたらしいです。

――まだご家族にも打ち明けられなかったときですね。

【あいかさん】最初は家族に相談ができなかったので、隠れてコソコソと色んな人に相談や問い合わせをしている私を見て、娘は私が不倫をしていると怪しんでもいたみたいです(笑)。

 でも、勇気を出して「実はこういうことがあって、離婚するかもしれない状況なんだ」って素直に打ち明けたら、私の予想とはまったく逆で、「それはママが悪いんじゃない。パパが悪いじゃん」って子ども達がはっきりと言ってくれたんです。それによって、私の味方になるような言葉や行動に変わりました。だから、もしかしたらみんなの支えがあればなんとかなるんじゃないかなっていう確信に至ったという感じですね。

――お子さん達の存在があいかさんに前を向かせてくれたんですね。

【あいかさん】子どもは本当に心の拠り所。娘が3人いるんですけど、親だから泣いている姿は見せちゃいけないとかって自分では思っていたんですけど、「親だから弱みを見せたらいけないなんてことはないよ」ってカウンセラーさんに教えてもらったんです。

 そういう姿を見せられるようになってから、すごく支えて助けてもらえるようになりました。私がもう本当に極限にしんどくてつらかったとき、当時、小学校5年生だった一番下の娘に「ちょっとお願いがあるんだけど。ハグしてくれる?」って言ったら、無言でそれを受け入れてくれたんです。そういうことがすごくたくさんあって、「この子たちのために頑張ろう」と思えましたね。

■娘が農作業をライブ配信 SNSに活路を見出し広がる農家としての夢

(左から)あいかさんの長女・ゆうりさん、あいかさん、りおさん(本人画像提供)

(左から)あいかさんの長女・ゆうりさん、あいかさん、りおさん(本人画像提供)

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――現在は農家直送の野菜をSNSにて注文・提供されています。

【あいかさん】長女が3年くらい前にライブ配信をやり始めたことがきっかけになっています。夫の不倫がわかったばかりの数ヵ月というのは、なかなか日常生活が当たり前に過ごせなくて、夜が眠れなかったり、食事がとれなかったりして、私が畑にまったく出られず、長女にお願いしていた時期がありました。

 すると、長女が一人で作業をしているのがつまらないから話し相手を募るという感じで、作業風景をライブ配信し始めたんです。そしたら、娘にファンがつき始めていきました。娘の配信に私が映るとそのファンの方たちは、“ゆうりちゃんのママ”という立場で私のことも好意的に見てくれるんです。「お疲れ様」とか「今日も頑張ってるね、ママ」と声をかけてくれて。

 そのころから農業を広げるためや売上を伸ばすためにコンサルを受けていたのですが、自分たちが作った商品をライブ配信を通して購入してくれる人が出てきていたので、「野菜を買って届いて開けたときにびっくりするような何か仕掛けがあれば、そのお客さんが写真に撮ってツイートをして広めてくれる可能性もあるよね」と、そのコンサルの方に言われたんです。

――具体的にはどういったことをされているのですか?

【あいかさん】たとえばSNSのアカウント名を教えてもらえたら、“お名前ポエム”を作って、それを紙に書いて送っています。ほかにもSNSでコミュニケーションを取っているからこそ見えるその人自身の背景などを、物に変えたり文字に変えたりして、喜んでくれそうなものをたくさん作っています。野菜を注文しただけなのに、自分のことを考えてこれを作ってくれたんだと伝われば、ファンになってもらえるというか、好きになってもらえるんです。作っている自分たちも、相手が喜ぶかもしれないという思いを持ってやっているので、まったく苦にならないですしね。

 おかげさまで売り上げも、今年2月からTwitter運用開始して以来、すでに例年の売り上げは超えました。残り半年弱でどこまで伸ばせるか、これから頑張ります。

――今後、農家として何か挑戦していきたいことはありますか?

【あいかさん】加工品を作っていきたいですし、グッズみたいなものもやってみたいです。うちのロゴデザインを作ってもらったので、それを使ったグッズとか、加工品もちょっと付加価値のある商品を作成してみたいです。野菜のまま青果のままだと数日とか1週間とかでダメになってしまうものを、1ヵ月とか3ヶ月とかに寿命を伸ばして、いつの時期でも購入してもらえるような加工品に変えていきたいです。

――「45歳。こっからが本番じゃああ」とツイートされていましたが、人生を送っていくなか、立ち止まり悩むことも多いです。あいかさんと同じように家族や仕事のことで悩まれている方たちへメッセージをお願いします。

【あいかさん】これは自分自身が体験してわかったことなのですが、「迷ったら勇気がいるほうを選んでください」といつも言っています。例えば、私は夫が不倫していたことがわかったときに離婚を選択するのが一番勇気のいることでした。そもそも離婚をすることに自分がもっとも拒絶反応を持っていて、それを避けるためにすべきことは何かということだけを考えて、色々とコミュニケーションを取っていたんです。

 それが故に、別居するイコール離婚になってしまうかもしれないという恐怖がすごく強かったのですが、結果的には勇気がいるほうを選んだことが自分にとってはプラスになりました。だから、迷ったら勇気がいるほうをみなさんには選択してほしいなと思います。



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