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不倫夫との言い争いで…息子の身体にじんましん「ダメだ…母親失格だ」 “崩壊”した家庭を再構築できた理由

2022-09-08 07:00 eltha

 衝撃のタイトルで話題の毒島麗子さん原作の漫画『臨月で浮気されました』(KADOKAWA刊)。同作では、幸せ絶頂なハズの出産間近に夫に浮気されたショックが描かれるほか、夫婦の亀裂に見舞われながらも離婚せず、初めての出産・育児に臨み、3年後には夫婦関係の再構築も果たした経緯と心境も描かれている。毒島さんに、子どもを抱えながら奮起した日々の苦悩や子どもへのケア、夫の家事・育児に対する意識の変化について聞いた。

『臨月で浮気されました』(C)KADOKAWA

『臨月で浮気されました』(C)KADOKAWA

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■夫婦喧嘩の日々、子どもの身体が変化「明らかにこの空気が原因」

――旦那さんの浮気で大きなショックを受ける中、初めての出産、子育てを経験されました。当時の心境はいかがでしたか?

【毒島麗子さん】私は母親を亡くしているので、本当に出産も育児も不安でいっぱいでした。育児中は、子どもが可哀想だから子育てを楽しまなきゃって思うんですけど、頭のどこかでどうしても旦那の浮気のことを考えてしまって…つらかったですね。

――子どものために離婚しないでがんばろうと奮起したものの、“家庭内別居”の状態になってしまいました。生後間もない子どもの前で、どんな想いでしたか?

【毒島さん】目の前で夫婦喧嘩をしてはいけないと思っていましたが、どうしても心の余裕がなくなってしまって、旦那のことを罵ってしまうこともありました。そんな日々が続いていたある日、夫婦喧嘩をした後に泣きながら子どもと一緒に寝ていたら、翌朝、子どもの身体にじんましんが出ていたんです。明らかにこの家の空気が原因だと思ったので、「ダメだ…母親失格だ」って思ってまたすごく泣けてきて…。こんな環境が続くんだったら離婚しないといけないと思って、すごく苦しかったです。

――作品にも描かれていましたが、ワンオペ家事の中での育児だったんですね。

【毒島さん】旦那はもともと、家の仕事は女性がやって当たり前、子どもは母親が育てるのが当たり前と考える人でした。それでも私は、せめて「いい父親」としてがんばってほしかったんです。それなのに子どものための努力を一切せず、産後のフラフラの体で家事と育児をする私がいても、気にすることなく朝までゲームをするなど自己中心的な生活を送っていて、浮気なんてなかったかのように以前と変わらず振舞っていました。夫婦関係は修復するどころか、日に日に悪化していきました。

――そんな状況を、どうやって乗り越えたのですか?

【毒島さん】とにかく子どもに夫婦喧嘩や、旦那を罵る声を聞かせたくなかったので、イラッとしても何も言わないでガマンするようにしたんです。自己中心的な生活を送る旦那ですから…そのうち話すに値しないくらいの気持ちになっていって、どんどん会話が減っていきました。

――お子さんが1歳半のとき、在宅の仕事に復帰されましたが、保育園が見つからず大変だったそうですね。

【毒島さん】保育園難民でしたね。ようやく預かってくれるところを見つけたものの、遠い場所だったので送り迎えの移動時間はかかるし、お金はかかるし…。それを旦那に相談しても、「しょうがないじゃん」「母親なんだからどうにかしろよ」という態度で、保育園問題の負担を全部私がひとりで背負って、ずっと悩まされてきました。

■「いい父親になりたい」旦那の態度が変化、家事や育児に積極的

――そんなつらさが積み重なって、離婚を決意します。ですが直後、毒島さんはストレス性の腹痛で倒れ、緊急入院。それをきっかけに、旦那さんがみるみる変わっていきました。

【毒島さん】保育園の場所も知らなかった旦那が、子どもの送り迎えをしてくれるようになって、家事も手伝ってくれるようになったんです。本当にびっくりしました。

――急にパパが送り迎えをするようになって、子どもの様子はいかがでしたか?

【毒島さん】夫婦喧嘩は多かったですが、子どもの前では「パパとして立ててあげたい」という気持ちを持っていました。それもあって子どもはパパに懐いていたんですが、積極的に関わるようになってからは、ますますパパっ子になりました。

――保育園の場所も知らなかった旦那さんが急に変わったので、まわりの人たちも驚いたでしょうね。

【毒島さん】保育園の先生方からは、「最近は旦那さんがいらっしゃいますね」ってすごく言われました(笑)。私は保育園難民で苦労したので、保育士さんをとても尊敬していてありがたい存在だと思っています。子どもの様子を教えてくれるし、子育ての悩みにも一緒に寄り添ってくれますからね。旦那にも保育士さんとたくさん話して関わってほしかったので、私から保育士さんに「旦那と話してください」とお願いしたりしていました。

――旦那さんはどうして、家事育児への意識が変わったのだと思いますか?

【毒島さん】きっかけは、私が倒れて自分がするしかなかったことだと思います。子どものことを何もわからないことに気づいて、危機感を覚えたと思いますよ。それと、子どもと関わるにつれて子育ての大変さを知って、私に任せすぎていたことを反省したんだとも思います。当時子どもが2歳くらいで、おしゃべりが増えてコミュニケーションが楽しくなってきたのも、いいきっかけだったかもしれません。もともと子どもが好きな人でしたから。

――旦那さんが育児に積極的に関われるよう、毒島さんからアプローチしたことはありますか。

【毒島さん】「じゃあ俺やるよ」って自主的に言うような状況を作って、どんどん関わらせていきました。2人目を出産したとき、旦那に「赤ちゃんと接するのが初めてだから、どう接していいかわからない」と言われたんですけど、それは「いい父親になりたい」という想いがあったからだと思います。上の子が2〜3歳になったときにようやく子どもと遊ぶようになって、“父親デビュー”が遅い人でしたからね(笑)。

――いい父親になれるように、うまく毒島さんが導いていたんですね。

【毒島さん】今ではママチャリで、朝の子どもの送りもしています。昔は「カッコ悪いからママチャリなんて絶対乗りたくない」と言ってた人なのに、だいぶ変わりました(笑)。父親としていろいろやっているのが楽しくなってきたんじゃないですかね。

――浮気をされても、「夫が変わるなら再構築したい」と考える人は多いと思います。

【毒島さん】浮気や不倫は絶対に許されるものではないので、私は浮気されたことを利用して、旦那に考えるきっかけを与えることができたのかもしれません。3年もかかりましたけど…。夫婦とはいえ他人同士だからこそ、時間をかけて育むこともあるし、少しずつ変化していくこともあるんだと思います。自分で「変わろう」と思わなければ、変われませんしね。私の本作での発信が、再構築したい人にとってのうまくいっているモデルケースとなれたらうれしいですね。



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