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手取り18万、うち15万をクレカ決済で溶かす…カード払いの沼に落ちた女性が貯蓄500万に到達するまで

2023-03-06 07:30 eltha

 給料が入っても、そのほとんどがクレジットカードの支払いで消えてしまう。手元に現金が残らず、カード払いを続けるしかなくなり、翌月の給料も支払いに消える。カード払いの悪循環からなかなか抜け出すことができずにいたという、きこさん(@kikokikokiiiii)は20代前半でカード返済に苦労する時期を過ごした。友人の披露宴参加のために必要なご祝儀を工面するのも難しく、周囲との差に焦りを感じ「恥ずかしさと惨めさで複雑な気持ちになった」と当時を振り返る。

クレジットカードの返済に苦労も、貯金0から500万円貯蓄に成功している、きこさん

クレジットカードの返済に苦労も、貯金0から500万円貯蓄に成功している、きこさん

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■ご祝儀3万円をなんとか工面、周囲との差が分かり「複雑な気持ちでした」

ーークレジットカードの支払いで、月にどのくらいの額を使っていたのでしょうか?

「当時、手取りが18万円くらいでしたが、多いときで15万円ほど使っていました。用途としては、洋服やコスメなどの買い物や旅行、飲み会などです。週末はいつも遊び歩いていて、平日はコンビニで食事をすることが多かったので、『生きるのにすごくお金がかかる』と感じていました。お給料はカードの支払いにほとんど消えてしまって、やむを得ず分割払いをはじめたことで、クレカの返済沼に落ちてしまいました」

ーー返済を抱えていた当時のメンタルはどのようなものでしたか?

「分割払いにしていたので、明確な金額は定かではありませんが、『いつかなんとかなるかな〜』と、どこか楽観的にとらえていました。1年先まで支払いの予定がある状況で、常に後ろめたい気持ちはあるものの、現実を直視したくない自分がいて、考えないようにしていたと思います」

ーー現実逃避していた?

「今考えると、そうだったんだと思います。『会社の給与が低いからだ』と、人のせいにもしていました。事実、低収入でしたが、転職して収入が手取り25万円ほどになった後も、生活の苦しさは変わりませんでした。そこで初めて、『私のお金の使い方に問題があるのかも』と気付きました」

ーー返済のループから抜け出そうと思えたのは、どのようなことがきっかけになったのでしょうか?

「大きなきっかけとなったのは、友人の結婚式に参加した時のことです。ご祝儀の3万円を払うのがすごく大変で、なんとか工面しました。そうしたら、周りの友達が『そろそろ結婚する』と話をしていて、『もしかして、こんなにお金がなくて余裕がないのは私だけかも』と初めて焦りました。

 当時、結婚の予定はありませんでしたが、『私はいつまで、このままでいるんだろう』と思いました。おめでたくて幸せな場所なのに、恥ずかしさと惨めさで複雑な気持ちになったのを覚えています」

■遠距離恋愛中の相手に会うための交通費まで、出費を躊躇

クレジットカードは多いときで8枚ほど所持していたという

クレジットカードは多いときで8枚ほど所持していたという

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 きこさんは、家計簿をつけ、支出の流れを把握し、生活を立て直した。返済を完了させた後は、月5000円から貯蓄を始め、その額を徐々に増やしていった。次第に衝動的に使ってきたお金の価値観、物を選ぶ時の考え方も変わっていったという。3年間で500万円を貯金することに成功し、現在は8.1万人ものフォロワーを持ち、当時の経験や節約の方法を発信している。

ーー周囲の友人たちと比較して気づくことが一番こたえたと思います。

「当時、遠距離恋愛中の彼がいましたが、支払いでいっぱいいっぱいだった私は交通費などのお金を確保するのも負担に感じていました。会うのを避けてしまうようになり、彼とは別れることになりました。あの時、お金の管理さえできていれば、別れることもなかったかも…と思うと『自分の浪費が将来の可能性を潰している。それってすごくもったいないのでは?』という考えにいたりました。『今が楽しければいいや』という思考から、『自分の未来のために、今変わろう』と思えるようになったことが、生活を立て直す大きなきっかけになりました」

ーー怖さを感じたのはどのような時でしたか?

「カードの怖いところは、お金を使っている実感がないことです。カード1枚で支払いができるので、金額が数字に見え、支払っている実感がありませんでした。お財布に入っている現金2万円を支払うのに躊躇するのに、カード決済ではスッとできてしまう。そうして気づかないうちに支払いが蓄積して、引き落としの時に想像以上に使っていた事実に直面する。これがすごく怖かったです。怖いのに、毎月してしまっていたんですが…」

ーー許容できる金額をあっという間に超えてしまう?

「はい、持っているお金以上に使えてしまいますからね。借金をしていた時は貯金が無かったので、ボーナスを頼りに数十万円の決済をしたこともありました。現在の自分には用意できないお金を、未来の自分に託せるのがカードの利点ですが、当時の私にはそれが悪い方向にしか働きませんでした。私もよくフォロワーさんから相談を受けますが、『クレカの限度額が、自分のお金に感じてしまう』と言っていたのが印象的でした。悩んでいる方は過去の私のようにクレジットカードに利用されてしまっていることが多いです」

■「予算管理」と「家計簿反省会」、3年で500万円貯めた節約の秘訣

物を購入するときの考え方も次第に変わっていった

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ーー現在は生活を立て直し、3年間で500万円貯金することにも成功されています。きこさんの考え方にどのような変化がありましたか?

「量より質を大事にするようになりました。借金時代は『誰でもいいから誰かと時間を過ごしたい』『常に何かをしていたい』という欲求がありました。『予定のない時間は嫌だ』という意識が根底にあったからです。返済に本腰を入れた時に支出の配分を決めたことで、【何にお金を使うべきか】を意識するようになりました。そうすると本当は行きたくない飲み会とか、一緒にいて疲れる人の存在に気づくことができます。その結果、支出が減りましたし、人間関係に疲弊することも少なくなり、生きやすくなったと感じます。私はストレスがあると浪費してしまうタイプなので、人間関係のストレスが減ることでそのリスクも減りました」

ーー家にいる時間がそもそも少なかったんですね。

「借金時代はかなり部屋が散らかっていて、家にいても心が休まりませんでした。毎週末、遊び歩いていたので部屋を片付ける時間がなく、汚い部屋に居たくないから出かける、という負のループにハマっていました。

 節約のために出かける頻度を減らして、家にいる時間を増やしたことで部屋を掃除するようになりました。部屋が綺麗になるとインテリアにこだわりたくなって、家計が整ったタイミングで自分好みの雰囲気に部屋を模様変えしました。その結果、家の居心地が良くなり『自分の好きなもので満たされた家にいる時間を増やしたい』と思うようになりました。最近は外出の機会も増えましたが、大好きな家にいる時間を確保することで、浪費しすぎず楽しく過ごせています」


ーーさまざまな節約投稿をされていますが、そのなかでもこれから節約をはじめようという人におすすめのものは?

「予算管理と家計簿反省会です。予算管理は、何にいくら使うか予算配分をしてから、お金を使うことです。毎月の収入を把握でき、現実的な支出をイメージできるようになります。浪費家の方は(過去の私も含めて)自分の正確な収入を把握していなかったり、毎月必要な生活費を認識できておらず、使いすぎていることが多かったです。そのため、お金の使い道をあらかじめ決めておくことが、浪費の抑制につながります。スマホのメモ帳機能に書き出すだけで簡単にできます。

 家計簿反省会は、家計簿をつけて終わりではなく、そこから数値を見て分析を行うことです。近年はアプリ家計簿が主流となり、数字を入力して終わってしまっている人が多いように感じます。つけて終わり、ではなく、週末や月末に5分〜10分ほど時間を取って『何にいくら使っているか』『削れるところ(浪費)は無いか』『今の浪費を踏まえて次の1週間はどうすごすか』を考えてみてほしいです。きっと、新しい発見があるはずです」



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