お酒で豹変する友人と”関係を断つ”決断をした女性、「自分を消費してまで続けなきゃいけない関係性はない」
2023-09-05 15:30 eltha
社会人になっても、結婚しても、子どもが生まれても、学生時代と変わらないテンションで集まれる友人は貴重です。SNSでエッセイ漫画を投稿するゆいなさん(@yuina.kajima)にも、学生時代から気の置けない仲間がいました。しかし、一緒に食事をしていたある時、友人の飲酒量が圧倒的に増えていることに気づきました。酩酊状態の友人から暴行を受ける事態となり、「自分が我慢や無理をしてまで、続ける友達関係って必要?」という疑問が生まれました。最終的にゆいなさんは、その友人との関係性を断つ決断をしたといいます。友達関係を見つめ直すときの考え方について話を聞きました。
■酒を飲んで暴れる友人「不安を感じずにはいられなかった」
ゆいなさんは、高校時代の友人たちと社会人になってからも定期的に集まっていました。その仲間の一人である”うーちゃん”は、高校に入学して友達ができるか不安だったゆいなさんに、積極的に話しかけてくれた明るい女友達でした。同じクラスだった”4人組”で仲良くなり、大人になっても関係性が続く貴重な友人関係を築けていましたが、会うたびに飲酒量が増えていくうーちゃんの姿を見て、ゆいなさんは「不安を感じずにはいられなかった」と振り返っています。
「大学時代からお酒をたくさん飲むという話は本人から聞いていたので、飲む量自体は、あの頃から変わってないなと楽観的に捉えていました。ただ、酔うと徐々に口調が荒くなったり、自分自身や私たち友人に対して否定的な発言が増えたりするようになって…。最初のうちは『なにかあったのかな?』と心配していましたが、それが会うたびに繰り返されると『また始まったな…』と友人を宥めることに少しうんざりするようになりました。友人たちとお泊り会をしたとき、大量のお酒が入った袋を手にした友人(うーちゃん)をみて、また今日もいつもみたいになるのかな…と不安になりました」(ゆいなさん/以下同)
縁を切る決め手となったのは、まさに友人たちとお泊り会を開いた時でした。友人・うーちゃんは、お酒を飲み続け、ゆいなさんたちの静止を聞かず酩酊状態に。ブツブツと悪態をつきながら、ゆいなさんの頬を叩き、泣きわめいたり、暴れたり、笑い上戸になったり、情緒不安定になりました。
なんとか落ち着くのを待っていましたが、今度は別の友人に馬乗りになって殴りかかる事態に。皆で必死になって止めて、「もう休もう」と眠りにつきましたが、深夜起きてみると、うーちゃんは変わらず悪態をつきながらお酒を飲み続けていました。翌日確認すると、酩酊時の記憶はまったく無くなっていたそう。ゆいなさんには「真剣に考えていた自分がバカみたい。なんか、もういいや」という気持ちだけが残りました。
■「自分をこれ以上消費させない選択としては正しかったと思っています」
「私は、我慢や無理をして自分を消費してまで、続けるような関係は必要ないと考えています」とゆいなさん。
「多くの思い出があっても、どれだけ長い時間を一緒に過ごしても、所詮は他人と思っているからです。これは自分自身に対しても同じで、もし友人が自分から離れていくという選択をしたのであれば、『仕方がない』と受け入れると思います。相手の人生の時間を他人である私がとやかく言う資格も権利もない。裏を返せば私の人生を他人に左右される必要はないという考えが根本にあるのかもしれません。もっと他の選択もあったかもしれませんが、自分をこれ以上消費させない選択としては正しかったと思っています」
お泊り会から帰宅する時、ゆいなさんはうーちゃんに「うーちゃんを心配している人がいる」「死なないでほしい」ということだけは伝えたといいます。
「友人には平穏に、幸せに生きていてほしいです。伝えたいことは最後に伝えたつもりではいますが、もっと言うべき言葉があったのではないかとふと思い出す時もあります。もう、うーちゃんのその後を知る術もないですが、ただただ毎日を笑って過ごしていることを心から願っています」
自分の当たり前が、相手の当たり前ではなく、自分が許せることでも相手にとっては不愉快なことかもしれません。長い時間を共にすると「この人なら受け入れてくれるかも…」と甘えがちになってしまうこともありますが、「個を大切にすること。目の前にいるのは、自分とは違う人間だという当たり前のことを忘れないことが、より良い関係を作るのではないか」とゆいなさんは話します。
「最初は『他の人ならどういう選択をしたのだろう?』と第三者の意見が知りたくてこの話を描こうと思いました。もっと大変な経験をしてる人もいるのに、これくらいのことで縁を切るなんて大袈裟だと思われてしまうかと思っていたのですが、描き進めていくうちに”これくらいのこと”で終わってしまう人間関係の脆さや”これくらいのこと”でも我慢する必要はないんだということを伝えたいと思うようになりました。この漫画が同じように悩んでいる人へのひとつのきっかけになればいいなと思います」
yuina.kajimaインスタグラム
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