エジプト人が初来日で“お子様ランチ”に感動「エジプトには子ども向けメニューはない」
2024-06-13 08:30 eltha
◆日本は恵まれている国…初来日ですべてにカルチャーショックを受けた
――エジプト出身の恵さんは、日本人男性と結婚し現在は日本在住です。初来日で驚いたことを教えてください。
【恵さん】 たくさんあります(笑)。初来日は結婚前の冬で街中にクリスマスツリーが飾られ賑わっていました。それが25日を過ぎると、年末年始を迎えるお正月の飾りに変わりました。エジプトではクリスマスから年始のお祝いはつながっています。日本では季節ごとにいろいろなイベントがあり、短い期間でも1つひとつ分かれて、それが1年中続きます。さまざまな行事を街全体で楽しんでいるのが文化的に新鮮でした。
――動画では「日本に慣れすぎて無理!エジプトで逆にカルチャーショックを受けた」とのことでした。
【恵さん】 建物がまったく違いますし、街のきれいさ、どこでも整備されている道路の交通事情や治安の良さも日本のすごいところです。エジプトとは全てが違い、日本の生活に慣れてからエジプトに帰国した時に、逆カルチャーショックを受けて落ち込みました(笑)。
――日本に住もうと思ったきっかけを教えてください。
【恵さん】 いまは家族がいるので、家族のために日本に住みたいと思っています。でも、もし家族がいなかったとしても、とても便利で日本は住みやすい国です。
――日本に住んでみて、自国にはもう帰れないと思ったことはありますか?
【恵さん】 日本語も含めていろいろ勉強してから初来日しました。実際に来て日本の全てにカルチャーショックを受けました。その中でも一番驚いたのは梅雨です。エジプトは雨がほとんど降らないので、ずっと降り続く雨の量に驚きました。たしかに1週間も降り続けるのは嫌なのですが、エジプトでは「雨は恵み」なので嫌だとは言えない(笑)。日本は恵まれている国だと思いました。
◆子ども向けメニューやお子様ランチはエジプトにはない チップ文化でタブレット注文や配膳ロボもなし
――妹のヘバさんが来日し、娘・ルナちゃんが食べていたお子様ランチを見て、「私も食べたい」と言っていました。エジプトにもお子様ランチはあるのでしょうか?
【恵さん】 マクドナルドのようなファーストフードのハッピーセットくらい。日本のようなファミリーレストランはなく、一般的なレストランにも子ども向けのメニューはありません。妹は珍しくて自分も食べたがっていたのですが、「子どもしか注文できない」と言ったら残念そうでした(笑)。
――子ども向けメニューがあることにはどう感じましたか?
【恵さん】 見たことがなかったから驚きましたし、すばらしいと思いました。食器からカトラリーまで子ども向けのサイズで、子どもが喜びそうなデザインもかわいい。味付けも大人向けとは違って、辛かったり、酸っぱかったり、味が濃いこともないし、栄養が整えられていて、アレルギーにも対応している。しかも値段も普通のメニューの半額くらいでお手頃です。妹の娘はフルーツプレートを頼んだらジュースもついてきて、子どもサイズのフォークとスプーンで食べるのを本当に喜んでいました。すごい文化だと思います。
――ファミレスの猫型ロボットを見た妹のヘバさんが、珍しそうに何度もスマホで撮影していました。エジプトにもこういったロポット店員はいるのでしょうか?
【恵さん】 レストランだけでなく、どんな店にもありません。チップ文化があるので、エジプトでは人の仕事をロボットが奪うことが問題になります。日本のレストランのようにタブレットで注文したり、ロボットが配膳したりするサービスは一切ありません。
――コンビニや100円ショップには行かれましたか?
【恵さん】 コンビニは何でも置いてあって感動していました(笑)。父はお酒のつまみの乾燥した魚を毎日食べていて、たくさん買って帰国しました。エジプトでコンビニっぽい店といえばガソリンスタンドのショップくらい。街なかにはありませんし、休憩用の軽食やドリンク、お菓子などしか売っていません。100円ショップもエジプトにはありません。文化の違いを感じて新鮮だったようです。S字のカバンを掛けるフックを買って帰って使っているみたいです。
――お父様や妹さんが来日し、どのようなことを楽しんでいたのでしょうか? 印象に残っている出来事を教えてください。
【恵さん】 たくさんあります(笑)。父は初めての来日だったので、知らなかったことばかりのまったく違う文化に触れて、ずっと感動していました。とくに本で読んでいたお城や神社を実際に訪れたのは印象的だったようです。妹は4年ぶりだったんですけど、ファミリーレストランとか子どもと一緒に見るとまたぜんぜん違うことが印象的だったようです。日本にハマっています(笑)。
(文/武井保之)