片親を言い訳にしたくない「意地があった」、シングルファザーが作る海苔弁当&ちくわ鳥弁当に込められた娘への想い
2024-07-31 08:10 eltha
◆「シングルファザーだからと思われたくない」“嫌がらせ”弁当を作る父の意地
「ただ、好き嫌い多い上に味付けがどうしても好みではなかったようで、一週間で『お弁当を持参する』と娘から宣言が…。入学の時に、『お弁当作ってもいいよ』と言ったのを覚えていたようです」
小学6年生の時に新型コロナの影響で休校。中学校に入学してすぐに緊急事態宣言。やっと授業が始まったものの黙食。Koyapさんは、「楽しいはずの学校生活が笑顔のない学校生活になってしまうではないかと思い、少しでもクスッとできたら空気も変わるかなとの思いから弁当作りを始めました」と言う。
最初はいわゆる“キャラ”にも挑戦したが、高校卒業まで1000個もキャラで作るにはネタが持たないことに気がつき、「普段何気なく目に入っている企業ロゴなら1000種類続けられそうだということと、昼食の時に『見たことある!』とクラスメイトとの会話のきっかけになればと思い」と現在の形に落ち着いた。
お弁当のアイデアは思いつきだそう。海苔のエリアが長方形なのでそのサイズに収まるか、カットする時の難易度(10分程度でできるか)、中学生が見たことのあるようなロゴかなどを念頭に置きながら制作している。取材時点で471個の娘さんへの“嫌がらせ弁当”を作ってきたが、「『シングルファザーだからしょうがない』と思われたくない意地があった」と振り返る。
「自宅の目の前にコンビニエンスストアがあるし、学校でも頼むことができるなど、いつでも逃げ場所があったことがかえって続ける原動力になったと思います。そして、途中でやめないことで、小さなことでも続けることの大切さを少しでも娘に伝えることができたらと。作るのを辞めたら、『ほら、やっぱり』と思われるのが怖かったというのもあります」
◆「いつも買った昼飯だと思われたくない」シングルファザーだからこその弁当作りへの決意
一方、3人のお子さんを育てるシングルファザーのみっくんさん。一番上の娘さんが高校に入学したのをきっかけに弁当作りを始め、コロナの影響で小学校と中学校も休校になってからは、お子さん3人分を日々作ることになった。学校が始まってからも、土曜や祝日などに仕事で家にいないときには3人分作っている。
お子さんたちからは、「今日の弁当は美味しかった!」「今日のおかずは微妙だった」などと色々な反応があるため、みっくんさんはそれを楽しんでいるそう。
「あと、『夜ご飯より豪華だよね』とよく言われます(笑)インスタにも投稿したのですが、父の日に子どもたち3人で、私に手紙入りの弁当を作ってくれたのが一番嬉しかったです」
「『シングルファザーだから、いつも買った昼飯だ』と思われたくない」という想いから、毎日の弁当作りを決意した。女子高生の弁当ということもあり、彩りには気を使っている。
「弁当箱を開けたときにテンションが上がるような弁当を理想としています。ただ、個人的には茶色い弁当が好きなので、家で食べる日にはよく“茶色弁当”を作っています。あと、毎回ほとんど同じ場所に『ちくわ鳥』を入れています(笑)」
これまでに作ったお弁当の中で特に思い入れが強いのは、最初の頃に作った“海苔アート”だそう。
「子どもたちに大ウケだったのですが、やはり時間がかかるので、それ以来やっていません。そういった細かい作業は結構好きなので、また作ってみたいですね!」
みっくんさんにとって毎朝のお弁当作りは、「趣味を楽しんでいるような時間」だと語る。
「よくみなさんには、無理をしないようにと言われたりもするのですが、毎日楽しんで作れていますね」