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総合格闘家・渡辺華奈「30歳。“安定”よりも、ヒリヒリする勝負の世界で生きたい」

総合格闘家・渡辺華奈「30歳。“安定”よりも、ヒリヒリする勝負の世界で生きたい」
一見、ハーフのような小顔の美女ながら、筋骨隆々のムキムキボディをもつ総合格闘家の渡辺華奈。2017年12月、総合格闘技イベント「DEEP JEWELS 18」の勝利で総合格闘家デビューを飾るや、「RIZIN」でも勝ち星を獲り続け、女子総合格闘技界の新ヒロインとして注目されている。もともと女子柔道界で活躍していた彼女が、なぜ総合格闘技に転向したのか?その背景には、すべて捨てるほどの「挫折感」があった。

【写真】渡辺華奈、鍛え抜かれた腹筋にY字バランスも披露

  • 総合格闘家・渡辺華奈 撮影/臼田洋一郎
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28歳で受けた「戦力外通告」

――大学時代は全日本ジュニア柔道体重別選手権大会で優勝し、2016年まで所属したJR東日本でも多くの実績を上げた渡辺さん。女子柔道からプロの総合格闘家に転向した理由を教えてください。

【渡辺華奈】 7歳のときに柔道を始めて以来、高校も大学も、社会に出てからも柔道ばかりの生活を送ってきました。転機となったのは2016年の年末、28歳のときでした。6年間所属していたJR東日本から、今年度いっぱいで選手としては引退し、コーチに就任してほしいと言われたんです。いわば「戦力外通告」――。このことが総合格闘家への転向のきっかけとなりました。

――2016年といえば、全日本実業柔道団体対抗大会でJR東日本女子柔道部が2位になり、その際に優秀選手賞を受賞された年でしたね。活躍されていたにもかかわらず「戦力外通告」ですか……。

【渡辺華奈】 そのあとの個人戦では結果が振るわず、年齢的にも限界ということで、会社としては当然の判断だったと思います。20代後半、とくに柔道での現役最後の1年は「ここで結果を残さなかったら、柔道をやめなければいけないんだ」とずっと追い詰められた精神状態でした。毎年、何人かやめていきますし、私だけではなく、多くの選手がそうしたプレッシャーのなかで戦っているのだと思います。

 オリンピックはもう無理だけど、自分の目標に向かってやれるところまでとことんやろう、という気持ちで取り組んできましたから、やはり引退勧告は大きなショックでした。

「安定」を捨てて、総合格闘技の道を選んだ

――2017年3月の引退試合のあと、4月からはJR東日本女子柔道部のコーチに就任されましたが、同年7月に退社。そのままコーチを続けていれば、“安定した将来”が約束されていたと思うのですが。

【渡辺華奈】 自分なりに「引退」という現実を受け入れてコーチに就任したつもりでした。でも、自分の中でくすぶるモヤモヤとした気持ちが、日に日に大きくなっていったんです。「まだ選手としてやり切っていない」――。こんな気持ちを抱えながら、選手の育成を続けられないと思いました。

 総合格闘技には以前から興味がありましたが、7月に退社したときには、まだ何も決めていませんでした。もちろん会社に残れば、安定した将来があったと思います。でも、まだ自分が現役でいたいという気持ちのほうが大きく、会社をやめることに対する迷いはありませんでした。

――ひとりでのゼロからのスタート。不安はありませんでしたか?

【渡辺華奈】 不安はありませんでした。現役に戻りたいという気持ちが強くて、むしろその気持ちを我慢することが難しかったんです。とはいえ、会社をやめてから数か月は何も決まっていなかったため、ほとんど活動できませんでした。

 以前から交流があった現役格闘家の上田貴央さんが2017年10月、トレーニングジム「FIGHTER'S FLOW(ファイターズフロウ)」を立ち上げることになったので、ここに所属して総合格闘家の道を目指すことを決めました。プロの総合格闘家としてデビューすると、もう柔道界に携わることはできません。すべてを捨てる覚悟を決めて、総合格闘家の道を選びました。
――総合格闘家デビュー以来、これまでに出場した4試合で無敗という強さですが、柔道と総合格闘技の大きな違いはどのような点ですか。

【渡辺華奈】 柔道に比べて、総合格闘技はとても自由でテクニックも幅広いですね。打撃あり、投げあり、言ってしまえば何でもありです。幅広い分、覚える技もたくさんあります。上田さんからマンツーマンで教えてもらえ、自分に合った練習ができたことがよかったと思います。反射的に動くことが多い柔道に対して、総合格闘技はその場の判断で決めてはいけないことが多いので難しいですね。

 また、人に見られることを意識するようになりました。お金を払って見に来ていただく競技ですから、入場のパフォーマンスなども含めて、すべてプロの総合格闘家としての自覚をもってやらなければいけないと思っています。実力以上のものは出せないので難しいこともありますが、気持ちよい勝ち方を目指していきたいと思っています。

――最近、女性たちの間でボディメイクのためのフィットネスや筋トレが流行しています。そうしたブームに興味はありますか?

【渡辺華奈】 美尻になれるとか、スタイルがよくなるといったことに、私は全然興味がないんです(笑)。もちろん美しいほうがいいですが、私の場合はスタイルのよさよりも「強さ」を求めてしまうんです。
――食事には気をつけていますか?

【渡辺華奈】 総合格闘技に転向して、周囲の人たちの影響から食事にはとても気をつけるようになりました。以前はそれほど栄養のことをしっかり考えて計算することはありませんでしたが、いまはおもにタンパク質とカロリーをきちんと計算して摂取しています。タンパク質をしっかり摂るために1日100〜120gの肉を必ず食べるようにしていますね。ビタミンやミネラルはサプリメントで補っています。

 白米は栄養価が偏るので食べません。キヌアやキビなど7〜8種類の雑穀をブレンドして、肉や野菜と一緒に炊飯ジャーで炊いて食べています。塩分を摂りすぎると、体がむくみ、動きが悪くなるので気をつけています。料理には全然自信がなくて、おいしいとはいえませんが……。
――試合前の減量の方法などは、柔道とはやはり違いますか。

【渡辺華奈】 総合格闘技の場合は柔道の違い、計量後にどれだけ体重が増えてもいいんです。ですから、できるだけ多く体重を戻した方が有利。計量から試合まではだいたい1日半あります。ふだんは炭水化物をあまり摂りませんが、計量が終わったらカステラやうどん、パスタなど、2〜3時間おきにひたすら炭水化物を摂り、エネルギーを蓄えます。私の場合は1日で4kgくらい戻します。1か月くらいずっと減量してエネルギーが枯渇している状態なので、キツイですが、すぐに戻ります。私は身長167cmで、普段の体重は62kgくらい。減量で5kgくらい落とします。

挫折しても大丈夫。頑張れば輝けることを証明したい

――強くなるためにずっと体を鍛えてこられた渡辺さん。思春期の頃は、周囲の女の子たちとのギャップを感じることもあったのでは。

【渡辺華奈】 10代の頃の私は、髪の毛も短くて男の子みたいでした。おしゃれをしたり、遊んでいる女の子たちを見て「うらやましいな」と思うこともありましたが、彼女たちは「別の生き物」と思っていました。そもそもかわいい服はみんな細いから、私の体に合うサイズがない(笑) 「いつか柔道をやめたら、普通の女の子になろう」と思っていましたが、いまも普段の私はスウェットを着てすっぴん。普通の女の子になれる日はまだ遠いですね。どうしよう!
――今後の目標を教えてください。

【渡辺華奈】 プロの総合格闘家として、誰かに元気を与えたり、「何かに挑戦したい」という気持ちを後押しできるような試合をしたいと思っています。私自身、柔道で一度は挫折を味わっています。もしも目指した道がダメでも、年齢が上がっても、頑張ればまた輝ける。だから大丈夫。私がそれを証明するためにも、試合に勝たなければならないと思っています。


インタビュー・文/加藤恭子 撮影/臼田洋一郎

PROFILE
渡辺華奈(わたなべ かな) 総合格闘家(FIGHTER’S FLOW所属)。長く柔道選手として活躍。2011年よりJR東日本所属となり、2015年東日本実業団体対抗大会優、2016年実業団体2位(優秀選手賞受賞)の成績を収めるが2017年に退部。総合格闘家へ転向する。

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