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「結婚を意識したのは私だけ…?」、11年付き合った彼氏に浮気されたアラサー女子の決断

 長年付き合ってきた彼氏が、若い女と浮気をした…。結婚を意識しはじめたアラサー主人公の切ないエピソードから始まる『11年後、私たちは』(comicoで連載中)は、「ものすごく共感できる」「頑張る気持ちが湧いてきた」などと多くの反響を集め、現在はスピンオフも連載中だ。作者は韓国出身のイゼイさん。手痛い失恋を乗り越え、少しずつ前に進む日常を丁寧に描く物語からは、たとえ国や文化が違っても、恋の悩みは変わらないということがうかがえる。自身の経験も反映したという本作について、話を聞いた。

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務めていた会社を辞めて漫画家に、初作品でいきなりデビュー

 漫画アプリ『comico(コミコ)』にて、2016年に連載が開始された本作。いわゆる少女漫画風ではない、シンプルで描き込みの少ないタッチが印象的な作品だ。この独特なタッチで淡々と描かれる物語は、登場人物の心の動きや変化がより際立ち感情移入できると、連載から3年たった今もなお反響を呼んでいる。

 漫画を描いたのは、韓国の漫画家・イゼイさん。本作が日韓でのデビュー作であり、さらには漫画初挑戦だったというから驚きだ。

「昔から漫画家に憧れがありました。いつか私も作品を描いてみたいと思い続けていたので、勤めていた会社を辞めたタイミングでチャレンジしてみようと思い立ったんです」とイゼイさんは語る。

 日本でも、SNSや投稿サイトでの作品発表などが盛んになるなど漫画家への門戸は広がっているが、韓国にも同様の文化がある。イゼイさんも、韓国の漫画ポータルサイトに「練習のつもりで描いてみた」という本作をアップしたところ、comicoの編集者からデビューしないかと声がかかったという。

「漫画を初めて描いたのが6年前、35歳の時です。その翌年にはcomicoでデビューできました。最初の作品がまさかこんなに読んでいただけるものになるなんて、夢のようです」

 韓国が舞台である本作。日本での配信にあたって、変更したのは名前や地名のみだという。

目指したのは「エッセイ」のような漫画

 主人公の千鶴は、11年も付き合った恋人・優に浮気をされ、あっけなく別れてしまう。11年という重さの受け止め方は、それぞれの立場で異なる。結婚を意識してプロポーズを待ち望んでいた千鶴と、彼女の魅力を忘れてしまっていた優。周囲から結婚を急かされる女性側の心境や、それでもまだ真剣に考えられない男性側の心境まで、男女間で起こるすれ違いや感覚の違いが明らかになるにつれ、自身を重ね合わせて何度も頷き、涙した読者も多いことだろう。

 本作を描くにあたり、イゼイさんが取り入れようと意識したのは「エッセイの要素」だと言う。

「もともと漫画を描くことは未経験で、知識もありませんでした。でも、昔から好きだったエッセイのように、主人公の視点で話が語られるような物語にしたいという思いがあったんです」

 このエッセイのような語り口のおかげで、千鶴が優の浮気に勘付く瞬間や、別れへの葛藤が、まるで自分のことのようにアラサー読者たちの胸に突き刺さるのかもしれない。実際に、読者のコメント欄には、「自分が体験しているようで引き込まれる」「わかり過ぎるほどわかる!」「自分と重ねて読んだ」など共感のコメントが多く見られる。

作品に込めたのは「リアリティ」と「少しの幸福感」

 イゼイさんが作品を描くにあたってとくに追求したのは「共感」だという。そのため、登場人物のキャラクター設定やエピソードに、いかにリアリティを持たせるかをこだわった。

「私は千鶴と同じように、グラフィックデザイナーとして会社に勤めていました。作中に出てくる意地悪な女の先輩も、同じような人が職場にいたことがあったので参考にしたんです。そして何より、千鶴と優が11年付き合っていたということも、じつは私の経験をもとにしたエピソードです。私の場合は13年でしたが(笑)」

 他にも、優、そして優を千鶴から奪った浮気相手の若い彼女にも、それぞれの思いや事情があった。一見悪者に見える登場人物も、そう決めつけられない一面が垣間見えるところや、セクハラ、職場でのパワハラなど、読者を取り巻く「ある!」「わかる!」というリアルなエピソードが満載だ。さらにイゼイさんは続ける。

「千鶴と優の11年を、楽しかったいい思い出として終わらせたかったんです。主人公が前に進んでいく人生を描くことで、読者のみなさんが“少しいい気分”になってくれたらうれしいですね」

 人生には、いいことも嫌なことも起きる。そんなリアリティが追求されているからこそ、この「少しの幸福感」で救われる人も多いはず。人気の理由はこういうポイントなのかもしれない。

「日本の作品では太宰治の『人間失格』などに影響を受けました。もちろん漫画も大好きで、小さな頃からたくさん読んでいます。最近だと『進撃の巨人』がお気に入りです」と語るイゼイさん。今後は恋愛物を中心に新作を描きつつ、「ファンタジーが大好きで、いつか描いてみたいです」と語ってくれた。
(文/渕上文恵)

【作品詳細】
■『11年後、私たちは』(外部サイト)
11年付き合った堂島優に振られた一之瀬千鶴。優は年下の若い女性と付き合い始めるのだが…。恋愛に揺れるアラサー男女の物語。

■4月22日より、番外編『会いたくない客』配信中(外部サイト)
『11年後、私たちは』の前日譚。恋愛や恋を信じないワーカーホリックな荻野課長と、彼の職場に転職してきた千鶴。千鶴には11年付き合っている恋人・優がいるが、千鶴の想いとは裏腹に優は少し冷めている様子…。まだお互いを知らない荻野課長と千鶴の物語が描かれる。

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