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「つわりは病気じゃないだろ」苦しむ妻に夫の無神経発言、“育児放棄”する夫への対策とは?

2022-03-17 eltha

 つわりでつらい日々を送る妊娠中の妻に、一切の気遣いをせずモラハラ発言を繰り返す夫。そのまま出産後、子育てと育児に追われる妻に、ある悲劇が起こってしまう。「どうして?」と理解できない夫だが、ある朝目覚めると、男性が出産する世界で“妊夫”になっていた。衝撃的な展開で話題の漫画『俺、今日から妊夫になります』(『comico』にて連載)では、妊娠出産を通して女性のつらさを実感する男性のリアルな心境が描かれる。本作が生まれたきっかけは、作者・しおのこうじさんが妊娠中に感じたあることだったという。

妊娠中に感じた「なぜ女性だけが苦しい思いをするのか!」そのとき夫は?

――男性が妊娠や出産をするという斬新な設定です。思い付いたきっかけは?

しおのこうじさん自分が妊娠して、つわりがひどかった時に、本気で旦那に代わってもらいたいと思ったんです。私はとくに早い段階からつわりが始まって、安定期に入るぐらいまで「吐きづわり」と「食べづわり」がありました。その時は、とにかく旦那に代わってほしくてしかたがなかったです。

――個人差はありますが、妊娠中の女性の多くはつわりでつらい思いをしますよね。

しおのこうじさんずっと何か食べていないと気持ち悪くて、なぜ女性だけがこんな苦しい思いをしなくちゃいけないんだろうと思いましたね。また、通院していた助産院が、小松菜を食べなさい、魚を食べなさい、バランスのいい食事をしなさいなど、指導も厳しかったんです。体重管理が重要なのは理解していましたが、それでも大変で…、産んだ後は絶対に味噌バターラーメンを食べに行くぞと思っていました(笑)。

――その時の旦那さんはどんな様子でしたか?

しおのこうじさん私が「気持ち悪い」と言っても、なんて返していいかわからなかったみたいで…「そっか」と言って困るだけでした。今では、わりと育児には協力的なほうですけど、子どもが生まれるまでは、父親になる自覚はあまり感じられませんでした。生まれてようやく「これが自分の子どもなんだ」みたいな。

――お子さんが2人いるそうですが、育児の合間に漫画執筆されたんですね。

しおのこうじさんいま小学1年生と2歳の子がいます。ちょうど育児真っ只中なので、いま思っていることをリアルなタイミングで描けるいい機会かなと思ったんです。

「子どもがほしいって言ったのはお前だから」“育児放棄”する理由

――主人公の真也は、妊娠を「病気じゃあるまいし」と切り捨てたり、「子どもほしいって言ったのはお前だから」と育児を放棄したり…典型的な「モラハラ夫」です。

しおのこうじさんいるいる、こんなヤツ」というのを詰め込んだような、わかりやすいキャラクターですよね。本人としては、悪意を持ってやっているわけではないんですよね…。

――妻の真綾は、そんな真也にあまり強く言い返せない性格ですね。

しおのこうじさんちょっとは言い返すけれど、そこまで気は強くないタイプですね。受け身すぎず、攻撃的でもない“無難”なキャラクター。というのも、人間ってあまりに相手が強いと感じたら、身を引く傾向にあると思うんですよね。

――真也を誘惑する同僚女性も登場します。家事育児で相手にされない真也の愚痴に乗っかる“嫌な”雰囲気のキャラクターですね。

しおのこうじさん“女の敵は女”というキャラクターを作りたかったんですよね。妊娠出産は未経験なのに、浅い知識だけで「出産は女の仕事なんだから、家事育児をこなすのは当たり前」と言うような女の子を作りました。

「育児は女、稼ぐのは男」伝えたいのは、決めつけが生むつらさ

――夫婦のコミュニケーションについて考えさせられる内容です。本作を通じてとくに伝えたいメッセージは。

しおのこうじさんいろいろありますが、まずは「育児は女の仕事で、男は稼いでくるのが仕事」と決めつけている人に、「母親は子どもを産んだ時点で、男性の生涯年収以上の価値のあるものを生み出している」ということを伝えたいです。“産んだから”とかそういうことではなく、決めつけちゃいけないよ、協力してやりましょうよと。

――気づかってくれたり、共感したりしてくれる人がいるだけで、女性の受け取り方も変わりますよね。

しおのこうじさん妊娠中のつわりなど、女性だけが感じるつらさはあります。ただそのとき、男性に「つらいね」と言ってもらえるだけで、心境はかなり違ってくると思います。旦那さんには、妊婦さん(妻)をいたわって支えてほしい。そういう願いを込めて描かせていただきました。女性の方には、妊娠中のことも育児に関しても、「あるある、こういうこと」と共感してもらえればありがたいですね。そして最後に、育児ってこんな感じなんだという余韻が残ってくれたら、作品を描いた甲斐があったかなと思います。
(取材・文/渡辺麻美)

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【作品紹介】
俺、今日から妊夫になります』しおのこうじ(C)comico

■あらすじ
妻の妊娠に無関心、無理解の夫・青木真也(32)。その妻・真綾(30)は孤独に出産、そして育児と向き合うことになり、ついには追い詰められて…。なぜ妻がそこまで追い詰められてしまったのかまったくわからない真也は、気が付けば男が妊娠する世界にいて…自分が妊夫になっていた!? 「子ども欲しいって言ったのはお前だろ」、「妊娠は病気じゃないんでしょ?」かつての自分の発言がすべて跳ね返る。今まで無関心だった妊婦の大変さを、真也は身をもって体験することに。

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