義母から“大量のおすそ分け”攻撃、どう断る? 孫の催促もウンザリ…専業主婦の悩みに共感「結婚はきれいごとばかりではない」
2022-03-19 eltha
「本当にこの人の子どもを産める?」妊活妻の抱える苦悩
ただっちさん前作は、心の底から好きな人と結ばれたい、たった1回の関係でも恋愛するのが幸せというのがテーマです。今作は、女性の幸せとして、男性に愛されるということもありますが、好きな人の子どもを産んで育てることも幸せのひとつなのかなと思って、妊活もテーマにしています。あとは、義母との関係も大きなポイントですね。
――主人公のアヤが妊活に焦り、苦しんでいるシーンが何度も出てきます。
ただっちさん私自身が30歳になるのですが、周りの人の多くは結婚して子どもを産んでいます。それで、早く妊活を始めなくちゃいけないという焦りがあって、それを反映したかったんです。子どもができないことで神経質にもなりますし、同級生たちがどんどん子どもを産んでいると、またそれで焦ってしまうんですよね。うまくいかない妊活のつらさや焦りを描きました。
――アヤが「本当にこの人(夫)の子どもが産みたいのかな」と考えるシーンが印象的でした。
ただっちさんもしかしたら世間では、みんながみんな、本気で好きな人の子どもを産んではいるわけではないのでは…とふと感じたんです。恋愛感情が冷めてしまったとしても、子どもを産んでいるんじゃないかという疑問もあり、テーマに取り入れました。
「おばあちゃんと呼ばれたい」姑の催促に追い詰められる妻
ただっちさんアヤが何も言わないので、姑はアヤが柿を喜んでいると思っているんですね。よかれと思ってやっていることなので、言わないアヤも悪いんです。アヤはコミュニケーションが苦手なタイプ。言いたいことを言える性格だったら、こんなことになっていなかったかもしれません。
――“柿”のおすそわけが、嫁姑問題を悪化させる原因のひとつだということですね。
ただっちさん和歌山県出身なんですけど、実家にいた時にしょっちゅう柿をもらっていたんです。和歌山といえばみかんが名産ですが、私が住んでいたところは柿の生産も盛んで…。みかんは箱でもらっても嬉しいんですよ、すぐに剥いて食べられますしね。でも柿って大きいし、1日1個食べたらすごく飽きるんです(笑)。アレンジも効かないし、すぐ腐るし…。
――リアルなエピソードですね(苦笑)。ただっちさんは、どのような嫁姑関係が理想だと思いますか?
ただっちさん本当であれば、ほどよい距離感があって、困ったときには助け合うのが理想ですね。私は嫁姑の問題で苦労した経験はありませんが、あまり家が近くて頻繁に来られると、気を使い過ぎてしんどくなるのかなと思います。すごく気の合う感じだったらいいのかもしれませんが…。本作に出てくる姑は、完全に意地悪なタイプというより、親切なんだけどちょっと図々しいキャラクターです。
――姑に悪気がないから余計に言いにくい、というところが厄介なんですね。
ただっちさん世代が違うと、口調の強さなども気になって、受け取り方も違ってきますよね。また、夫が姑のほうを守ってしまうマザコンなところもあって、夫との関係も悪くなっていきます。それでどんどんアヤは孤立してしまう。夫婦が言いたいことを言い合える関係だったら、また結果は違っていたと思います。
――読者の反響は、共感の声のほかに「私だったらこうするのに…」と自身に置き換えて感想を寄せるコメントもよく見られました。
ただっちさんみなさんが日々抱えている旦那さんやお姑さんなどとのモヤモヤを思い出しながら、この漫画を読んでくださることで、ちょっとだけスカッとしていただけたらうれしいです。
(取材・文/渡辺麻美)
【漫画】『夫がいても誰かを好きになっていいですか? アヤの選択』フォトギャラリー
『夫がいても誰かを好きになっていいですか? アヤの選択』(C)KADOKAWA
【作品紹介】