「お前も浮気したら?」職場の部下と不倫して開き直る夫、気弱な妻の“報復”とは
2021-08-25 eltha
「夫に嫌われたくない」気を使いすぎる妻の“心の変化”
夫とは学生時代からの付き合い。妻は14年前の楽しかった日々を頼りに、夫からどんなひどい扱いをされても結婚生活を維持させるべく、気を遣う日々を過ごす。作者の間部正志さんは、そんな夫婦の関係性についてこう語る。
「こんなことを言ったら嫌われるのではないかとか、別れようと言われたら怖いとか、そういうことが発端でホンネを言えず、夫婦間がコミュニケーション不足になるケースが多いそうです。でも、夫婦とはいえ、2人は完全に一致したレールを走っているのではなく、すごく近いところを走っている2本のレール上にいると思うんですよね。それを認識したうえで、夫婦の関係性を築くことが大事だと思います」
妻は、夫からの「一回浮気したら?」という言葉をきっかけに、これまでの人生を振り返り、このままでいいのかと自問自答する。そして、お互いをよく知らないまま長い時間を過ごしてしまったことを、冷静に受け止めていく。
「この決定的な一言を機に、その後の夫婦の会話の内容は変わってくるでしょうし、主人公の考え方や行動も変化していきます。物語では、主人公に好意を抱く男性も登場するので、登場人物の人生がどう変わっていくのか。読者には、そんな人間ドラマを楽しんでいただきたいです」
夫婦がどう転んでいくかが注目される同作。実話ベースの生々しいエピソードは、多くの読者からの共感を集めている。
不倫を“逆ギレ”された瞬間、離婚の気持ちが固まった
「元夫に不倫の事実を突きつけて、どうするつもりか聞いたときに逆ギレされました。謝るならともかく、開き直られたときに「ああ、これはもうダメだな」と思いましたね。普段穏やかでイライラすることもあまりなかった夫が、あんな風に声を荒げてキレた所を見たのは初めてだったんです」
もちろん、娘のことも真剣に考えたという。
「私自身が母子家庭で育ち、父がいないことに寂しい思いをしたり、コンプレックスを感じたりしたこともありました。でも単純に、父親がいればよしというわけではないと思っていて、元夫のようにゲームばかりして、ましてや娘が熱を出していても不倫しに出かけていくような人間が、ずっと家庭の中にいる方が娘にとってよくないと思いました」
不倫という不誠実な証拠を突き付けたとき、事の重大さにようやく気付いて誠意ある謝罪をするか、それとも妻を見下した態度を取り続けるのか。相手の本性が垣間見える瞬間なのかもしれない。