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自分の血で美肌再生…? 美の新常識“ヴァンパイアフェイシャル”を専門医が徹底解説

2023-07-26 eltha

 常に新たな美容トレンドが登場するなか、医療美容の分野で注目を集めているのが「ヴァンパイアフェイシャル」。キム・カーダシアン・ウェストを筆頭に、ハリウッドの有名人の間で人気を得ており、日本でも浸透しつつある。ミステリアスな名前を持つ最新医療美容について専門医が解説する。

自分の血液を使用しているため、リスクも少なく肌再生を促進

 ヴァンパイアフェイシャルは、自己血小板血漿(PRP)とダーマペン(皮膚に微細な穴を開ける美容器具)を使用した施術法。痛みを最小限に抑えながら、肌の奥深くまで有効成分を届けることが可能。約1時間程度で施術は終わり、即効性はないものの約3ヵ月かけて徐々に若々しさを取り戻していくことができる。

 この自己血小板血漿は、患者自身から採取した血液を遠心分離して濃縮したもので、特に多くの血小板を含んでいる。血小板は、怪我をした際に出血を止めるためだけでなく、成長因子を大量に含んでおり、これらは組織の修復や再生に重要な役割を果たす。PRPは、この成長因子を高濃度に含んでいるため、組織の修復や再生を促進する効果があるとされている。

 特に美容分野では、肌の再生を促進し、シワやたるみ、色素沈着などの改善を目指した美容療法としてPRPが注目を集めている。ヴァンパイアフェイシャルはその一例で、ダーマペンと組み合わせて使用することで、PRPを肌の奥深くまで届けるという。

 安全性については、自己の血液を使用するため、アレルギーや拒絶反応のリスクが低いとされている。ただし、それぞれの体調や皮膚の状態によって異なるため、施術を受ける前に医師とよく相談することが重要。また、医療従事者による適切な施術が不可欠だ。
ヴァンパイアフェイシャルの施術方法
(1)まず、患者自身の腕から少量の血液(一般的には20〜30ミリリットル)を採取。
(2)採取した血液は遠心分離機にかけられ、血小板を多く含む血漿(PRP)とそれ以外の成分に分けられる。
(3)施術部位の皮膚に局所麻酔クリームを塗布し、痛みを感じることなく施術を行うことができるようにする。
(4)麻酔が効いてきたら、ダーマペンで皮膚に微細な穴を開ける。これは皮膚の自己治癒反応を刺激してコラーゲンの生成を促し、新たに注入されるPRPが肌の奥深くまで浸透する道を作る。
(5)取り出したPRPをダーマペンで開けた皮膚の中に注入する。
(6)最後に、肌に冷却パックを当てて赤みを鎮め、皮膚を保湿する。

ヴァンパイアフェイシャルの効果
・コラーゲン生成
自己血小板が肌の再生を促進し、コラーゲン生成をサポートする。
・皮膚のハリや弾力
肌の深部まで有効成分が届くため、皮膚のハリ・弾力が改善する。
・潤い保持
肌深部の水分保持力がアップ、潤いのある肌に導く。
・肌荒れ改善
自己血小板が肌の修復を助け、肌荒れを改善する。
・しわやたるみの軽減
肌の再生能力が高まり、しわ・たるみの改善につながる。

ヴァンパイアフェイシャルの注意点
 施術後は赤みや腫れなどが生じることがある。また、個々の体質や肌の状態によって効果の差が出るため、期待する効果が得られない場合もある。

「当院でもダーマペンやヴァンパイアフェイシャルのご相談は多いです。ヴァンパイアフェイシャルは、ご自身の血液を使用しているため、リスクも少なく、肌再生を促進してくれます。特に、ニキビ痕にお悩みの方におすすめの治療となっています」
遠山貴之(とおやま たかゆき)日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医

監修者 遠山貴之(とおやま たかゆき)日本美容外科学会認定専門医/麻酔科専門医

1997年、順天堂大学医学部卒業。1997年、順天堂大学医学部付属病院・麻酔科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2020年、共立美容外科・上野御徒町院の院長に就任。2020年、共立美容グループ・総括副院長に就任。

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