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【医師監修】まぶたのピクピクや違和感、放っておいても大丈夫? 専門医の見解

2023-11-19 eltha

まぶたのピクピク、経験したことがある人も多いですよね。前触れなく始まり、気が付くと治まっているケースがほとんどですが、発症後はそのまま放っておいても良いのでしょうか。ストレスや寝不足が原因とも言われますが、果たして真相は…? 医療法人社団久視会いわみ眼科の岩見久司院長に気になるピクピクの正体と、注意したい“まぶたの違和感”についてうかがいました。

疲れやストレスでなることが多い「眼瞼ミオキミア」

Q.「まぶたのピクピク」の正体について教えてください。

【岩見院長】 まぶたの周りには眼輪筋(がんりんきん)という目を閉じるための筋肉があります。不随意運動と呼びますが、力を入れようと思っているわけでもないのにこの部分がひとりでに痙攣する場合があります。これを「眼瞼(がんけん)ミオキミア」と呼びます。原因ははっきりしませんが、疲れやストレスなどが引き金になることが多いです。まぶた以外のすべての場所に起こり得ますが、顔面で生じるといささか不快であり、心配して受診される方も多いです。

Q.「まぶたのピクピク」が起こったら、どう対処すればよいですか。

【岩見院長】 「眼瞼ミオキミア」は数日〜数週間のうちに自然軽快することが多く、基本的には経過観察をすることです。筋肉の緊張が高まっている状態なので、その部分をマッサージするより、なるべくリラックスをさせる方向で考えるのが良いでしょう。また、心身に何らかの負担がかかっているサインでもあるので、休養をとるよう心掛けてください。1ヵ月以上治らず、生活に支障をきたしている場合は筋肉の動きを止めるボツリヌス毒素の注射をします。これは講習を受けた医師しか使用できないため、治療を希望される場合はホームページ等で確認してから受診しましょう。

目だけでなく顔面片側の痙攣、まばたき時の違和感には要注意

Q.症状が長引く以外に受診が必要なケースはありますか?

【岩見院長】 「眼瞼ミオキミア」とは異なり、目の周りから口にかけて、顔面の片側だけピクピクがある場合は「片側顔面けいれん」と呼ばれます。「片側顔面けいれん」は頭蓋内で顔面の動きを司る顔面神経が脳の血管などに接触する病気で、MRIを撮影して確定診断を行います。脳の血管が正常であれば問題ありませんが、場合により脳の動脈瘤や腫瘍などが原因になる場合がありますので、MRIでの検査は受けておくほうが良いと思われます。治療としては先程のボツリヌス毒素や内服薬などで筋肉の緊張を下げる治療と、血管と顔面神経の距離を離す手術療法があります。

Q.その他にも気を付けたい目まわりの症状や病気はありますか?

【岩見院長】 まぶたがピクピクするわけでは無いですが、紛らわしい病名として「眼瞼痙攣」があります。これはわかりやすく言うとまばたきが上手じゃなくなる病気です。まばたきが増えることや、まぶしさ、目の異物感(ドライアイに似る)が生じることがあります。診断は「瞬目(しゅんぼく)テスト」を行います。急いでまばたきをする(速瞬)、リズムよく軽くまばたきをする(軽瞬)に問題があれば「眼瞼痙攣」を疑います。根治することは難しいですが、対応としては特殊な遮光眼鏡の使用、まぶたに引っ掛けるフックがついたクラッチ眼鏡の使用、それでも駄目ならボツリヌス毒素の注射を行います。
岩見久司先生

監修者 岩見久司先生

医療法人久視会 いわみ眼科理事長。眼科専門医。医学博士。2018年にいわみ眼科を開業。専門は加齢黄斑変性などの網膜疾患だが、前眼部から後眼部まで、眼科全般の診療を行う。小児の近視治療にも力を入れている。ライフワークは「眼科医療の底上げ」であり、啓蒙活動や後輩の教育にも力を入れている。

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