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爪の根本の“白い部分”は健康のバロメーター? 気になる通説の真相とは【医師監修】

2023-08-25 eltha

 爪の根本にある白い三日月状の部分を「爪半月(そうはんげつ)」と呼びますが、この爪半月が健康のバロメーターになるという話を聞いたことはありませんか? 爪半月が大きいほど健康で、小さいほど不健康だというイメージがありますが、本当にそうなのでしょうか。爪半月と健康との関係について、逗子メディスタイルクリニック・徳永理恵院長が解説します。

「爪半月」の正体と役割

 爪半月は、爪甲(そうこう)と呼ばれる角質層の下にある、まだ角質化していない柔らかい部分。血管や神経が集まっている爪母(そうぼ)と呼ばれる部分から生み出される新しい爪です。そのため、爪半月は水分を多く含んでおり、透明度が低く白く見えます。また、爪半月は、指先に血液や酸素を送る役割も果たしています。

 爪半月の大きさや出現率は、人によって様々です。一般的には、親指や人差し指などの太い指に比べて、小指や薬指などの細い指では爪半月が小さくなります。また、手よりも足の方が小さくなり、これは、指先の血行や神経系の影響を受けるからだと考えられます。

 さらに、年齢や性別によっても差があります。加齢とともに血行や新陳代謝が低下することで、小さくなったり消えたりすることがあり、性別では、女性よりも男性の方が大きくなる傾向があります。これは、男性ホルモンや筋肉量などの影響を受けるからだと考えられます。

爪半月と健康の関係は…

 では、爪半月は健康のバロメーターになるのでしょうか? 答えは、「一概には言えない」ということです。確かに、爪半月は血行や新陳代謝など体内環境の変化に敏感に反応する部分です。そのため、栄養不足やストレスなどで体調が悪くなると、爪半月も小さくなったり消えたりすることがあります。また、感染症や内臓疾患などの病気のサインとして、爪半月が変色したり変形したりすることもあります。

 一方で、爪半月の大きさや出現率は、個人差や遺伝的な要素も大きく影響します。そのため、爪半月が小さいからといって必ずしも不健康だとは言えませんし、爪半月が大きいからといって必ずしも健康だとは言えません。つまり、爪半月は、健康状態の一つの目安として参考にすることはできますが、決定的な判断材料ではありません。

 新しい爪が生まれる部分「爪半月」。その大小を過度に不安視するのではなく、役割と特徴を正しく理解し、自分の体調や健康を見つめ直すきっかけにしましょう。
徳永理恵

監修者 徳永理恵

逗子メディスタイルクリニック院長。国立東京医科歯科大学医学部を卒業後、同大学形成外科所属。2010年逗子メディスタイルクリニックを開院。自然・健康・美容のまち”逗子葉山”で、生活の一部としての美容医療を啓蒙している。自分自身の美しさを引き出す『美肌プログラム』を提案し、メディカルエステ、ネイル・エクステサロンもプロデュース。所属学会/日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本サポーティブケア学会・医療アートメイク学会

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