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【医師解説】潰すと臭いデキモノ「粉瘤」の正体は? 同じ場所に繰り返しできるのなぜ?

2023-12-07 eltha

一見、ニキビのようなしこりで、潰すと中から“白くて臭いペースト状のもの”が出てくるデキモノ「粉瘤(ふんりゅう)」。一度つぶしても同じ場所に再発しやすいため「定期的につぶしている」という人もいます。粉瘤はなぜ臭く、同じ場所に繰り返しできるのでしょうか。できた後の正しい処置法とは? きくち総合診療クリニックの菊池大和院長にうかがいました。

一度できると、皮膚の内側にできた袋を摘出しないと繰り返す

Q.「粉瘤」とは何ですか? どうして臭いのでしょうか。

菊池院長 粉瘤は、「アテローム」とも呼ばれます。皮膚の内側に小さな袋ができ、そこに角質や皮脂がたまる腫瘤(しゅりゅう/こぶ)を言います。良性の腫瘍の一つで、体のどこにでもできます。明確な原因は不明ですが、外部からの刺激(外傷や擦れ)やニキビの痕にできるとも言われます。袋の中の内容物は老廃物の塊ですので、とても臭いです。また炎症や感染を起こすと、嫌気性菌(けんきせいきん)が増殖し、プロピオン酸という臭い物質が分泌され、より臭くなります。

体のどこにでもできますが、好発部位は顔、首、背中、臀部です。耳たぶにも比較的多くできます。一度できると、皮膚の内側にできた袋を摘出しないと、真ん中の黒い小さな穴から、ドロドロの臭い膿が出てはよくなりを繰り返します。

Q.「粉瘤」の正しいケアを教えてください。

菊池院長 粉瘤は、小さい場合は自然に治ることもありますが、ほとんどの場合は徐々に大きくなります(大きくなるスピードはまちまちです)。もし粉瘤に感染を起こし、急激に大きくなれば、医療機関で抗菌剤を内服してもらうほか、切開して膿を出す必要があります。そのままにしておくと、粉瘤が大きくなり、痛みも強くなり、破裂することがあります。大きくなっているようであれば、かならず、医療機関に受診してください。

根治治療は、炎症がないとき(痛みがないときに)袋ごと全部摘出する手術が必要です。自分でつぶすと、炎症も悪化し治りが悪くなるほか、傷もきたなくなり手術もしにくくなりますので、辞めていただきたいです。

大きくなってきたら早めに受診&治療を

Q.「粉瘤」の予防法はありますか?

菊池院長 原因がはっきりしないので、これといった予防法はありません。よく「不潔にしているとできやすいのですか?」と聞かれますが、そうとも言えません。ただできやすい方はいます。診療していると、汗をよくかく、中年の男性に多い印象です。粉瘤が小さい段階で、手術して早期に治すことが、次に繰り返さない予防かもしれません。

Q.「粉瘤」を放置するリスクはありますか? 

菊池院長 痛みがなく、ごく小さなものは経過をみることが多いです。ほとんどのものは徐々に大きくなりますので、大きくなってきたと思ったら医療機関に受診してください。早くきれいに治すのであれば、局所麻酔にて袋ごときれいにとる手術をおすすめいたします。赤く腫れあがった大きな粉瘤を放っておくと、粉瘤が割れて悪臭を出します。こうなると自分でつぶすのと同様に、傷も汚くなり、手術しにくくなりますので、早めに受診してください。
菊池大和 医師

監修者 菊池大和 医師

医療法人ONE理事長。きくち総合診療クリニック院長。総合病院の外科科長・救急センター長などを経て、「きくち総合診療クリニック」を開業。慢性期疾患から急性期疾患まで、総合的に診療する“総合診療かかりつけ医”を掲げ、地域住民のかかりつけ医として活動。

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