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【医師に聞く】忘年会はお酒の飲み方に注意、「とりあえず生!」実は理にかなってる?「シメのラーメン」の影響も解説

2023-12-24 eltha

翌日に二日酔いを残さないために、酔いがさめてから睡眠を

Q.翌日に体調不良を残さないために、飲んだあとにやるべきことを教えてください。

●水分を摂る
翌日に脱水状態となって頭痛が起こることを避けるため、飲んだあとはアルコール以外の水分を十分に摂るようにしましょう。水はもちろん、水分やミネラルを効率的に補給できるスポーツドリンクや経口補水液、ビタミンなどを補えるオレンジジュースなどもおすすめです。

●しじみや豚肉の入ったみそ汁を飲む
みそ汁は、アルコールの利尿作用で失われやすい水分と塩分を同時に摂取できる食べ物です。特に、肝臓の働きを助けるオルニチンが含まれているしじみの味噌汁がおすすめです。疲労回復に欠かせない、ビタミンB1を豊富に含む豚肉が入った豚汁も良いでしょう。

●入浴を控えシャワーを浴びる
飲酒後は脱水状態となることを避けるために、できるだけ入浴は避けましょう。さっぱりしたい場合はシャワーで済ませましょう。

●酔いが覚めてから眠る
お酒を飲んだ後は、ある程度酔いを覚ましてから眠るようにしましょう。睡眠中はアルコールの分解が遅くなるため、飲んだ後にすぐ寝てしまうと二日酔いになりやすいと言われています。

「シメのラーメン」が欲しくなるメカニズムに納得、食べてしまった後の対処も

Q.飲みの後には“シメのラーメン”を食べたくなる人も多いと思いますが、なぜなのでしょうか。

粟田先生 肝臓には糖をつくり出す働き(糖新生)がありますが、飲酒後はアルコールの分解が優先されて、この働き(糖新生)が抑制され、血糖値が低下傾向になることがあります。この時、身体が炭水化物を欲するようになります。また、アルコールには利尿作用があるため、多くの水分や塩分が失われます。ラーメンは炭水化物(麺)も塩分+水分(濃いスープ)も持ち合わせているため、飲んだ後に欲しくなるのは理にかなっているといえます。

 しかしながら、すでにおつまみや飲酒によって十分なエネルギー(糖質)を摂ったあとに、1人前のラーメンを食べてしまえば当然カロリーオーバーですので、飲酒後のシメのラーメンを繰り返してしまうと肥満や糖尿病の発症や悪化の原因になってしまうかもしれません。また、塩分が多いことが高血圧症に、脂質が多いことが脂質異常症に繋がったり、悪影響を及ぼしたりすることは言うまでもありません。

 糖尿病・高血圧症・脂質異常症はあくまで「生活習慣」病ですので、毎日のように飲酒してラーメンを食べるというような生活をしていなければすぐには発症しません。日々仕事を共にしている同僚や久しぶりに会う友人と楽しく話しながら、お酒を飲んでシメにラーメンを食べる日があっても良いと思います。私自身もそんな日を過ごす時もあります。よく飲んでよく食べた忘年会のあとには、胃腸や肝臓を休める健康的な1日を過ごすようにしましょう。
粟田 裕治(あわた・ゆうじ)

監修者 粟田 裕治(あわた・ゆうじ)

医師(内科・内視鏡専門医・消化器病専門医)
コンパスメディカルグループ 医療法人社団CMG ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニック院長(https://fureai.cmg.or.jp/)。日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医、日本内科学会 認定内科医、日本消化器病学会 消化器病専門医。2015年、日本医科大学卒業。救急医療・急性期医療に特化した川崎幸病院勤務で研鑽を積み、2022年、ふれあいの丘内科内視鏡健診クリニックの院長に就任。

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