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深川麻衣【upPLUS online Talk!】

2021-02-15

写真を通して世代を超えた人と人との触れ合いを描く、オリジナル脚本映画『おもいで写眞』。20代最後の主演作品として、この作品に全力投球した深川麻衣さんが『upPLUS online』に登場☆ 全世代におくる、必見の感動作です!

距離感、腕の伸ばし方、手つきや手順……、人にメイクするって難しい

――今回演じられた結子は、東京でメイクアップアーティストを目指していたけれど、夢破れて故郷の富山に戻ってきた29歳の女性。他の人にメイクをするシーンもありますね。

深川 普段はメイクをしていただく側ですし、家族や友達にでも他の人にメイクをする機会はなかなかないですよね。プロのヘア&メイクさんに指導していただきつつ、マネキンを買って家で練習をしました。距離感とか腕の伸ばし方、手つきや手順……、本当に難しかったです。

――結子自身のヘア&メイクもとても可愛かったですね。

深川 結子は本気でヘアメイクアップアーティストを目指していたので、美容は大好きなはず。撮影現場のヘア&メイクさんと相談しながら、結子のスタイルを決めていきました。ヘアは動きやすいけど可愛いハーフアップのおだんごに、髪色も撮影に入る前に少し明るくしました。メイクもナチュラル過ぎず、濃過ぎずにしていただきました。

――富山に戻ってきたばかりの結子は、何に対しても不機嫌でしたね。

深川 前半は笑顔が全然なくて、苛立っているシーンばかりで(笑)。脚本を読んだときは、「こんなにも自分の感情をストレートに出せる人ってめずらしいな」と。でもそこが可愛いところでもあるなと思い、自分なりに解釈して演じようと思っていました。でも撮影現場に入って監督の演出を受けたら、監督は結子に自分の想像以上の不機嫌さを求めていて(笑)。「ずっと眉間にしわを寄せて」「常に不機嫌に」「もっと怒って」という感じで(笑)。結子の怒りの感情には、かなりこだわって撮影しました。

――そんな結子を理解し、サポートしてくれる人物に幼なじみの星野一郎がいますが、一郎に対しては特に苛立ちをぶつけていましたね。

深川 本気で怒ったりなぐったり、かと思えば足を踏み合ってじゃれあったり……。20歳以降に知り合った男性とは、なかなかできないですよね。こんなことができるのは、結子のいいところも悪いところもすべて知り尽くしている幼なじみの一郎だからこそ。一郎は結子にとって、とても大きな存在だと思いながら、演じていました。

――この作品は、深川さんの所属事務所「株式会社テンカラット25周年企画」作品で、一郎を演じた高良健吾さんや、香里奈さん、井浦新さんといった事務所の先輩たちと共演されていますね。

深川 同じ作品で事務所の先輩とご一緒するということ自体が今回初めてで。高良健吾さんとはふたりでの撮影シーンがとても多かったのですが、演技に煮詰まって悩んでいるときはいつも声をかけてくださいました。香里奈さんも、井浦新さんもみなさんががっちり受け止めてくださったので、ヘンな遠慮をすることなく結子として飛び込んでいけました。

――また、吉行和子さんや古谷一行さんといった、俳優の大先輩との共演はいかがでしたか?

深川 カメラのまわっていないところでは本当に気さくに接してくださるのですが、カメラの前に立つと、圧倒的な存在感で。長いキャリアの中で、ご自身の演技のアプローチ法をお持ちだと思うのですが、監督の演出にも柔軟に対応されていて、すごいなと思いました。まだまだ目指そうにも遠い道のりですが、私もいつかこんなふうになれれば、と思います。

――吉行さんは、結子と心を通わせる、ひとり暮らしの女性を演じられましたが、印象に残るシーンはどんなところですか?

深川 吉行和子さん演じる和子さんの言葉は、どれも本当に自然に心に入ってくるんです。和子さんが老人ホームに入ることになるシーンがあるのですが、結子は涙を流すことになっていて、緊張していたんです。でもいざそのシーンの撮影になって、和子さんにセリフを言われたら、自然に涙があふれ出てきて……。本当に吉行さんには助けていただきました。

この作品が思い出の場所や大切なものに、もう一度立ち戻るきっかけになれば

――富山弁も勉強されたとか。

深川 この作品の撮影は全て富山県で行われて、素敵な街並み、美しい自然など、魅力的な富山がたくさん映っています。富山の方々にも是非観ていただきたい思いが強かったので、富山の方が方言で違和感を持たれないようにしたいと思っていました。方言って自分の生まれ育った場所ではなくても、どこか懐かしさを感じるし、あたたかい気持ちになりますよね。ロケ地でも現地の方に方言で話しかけていただいて、すごく歓迎してくださっている気持ちが伝わってきてうれしかったですね。

――結子は年配の方々の遺影写真ではなく、思い出あふれる場所で撮影する「おもいで写真」を撮るために奔走しますが、ご自身の「おもいで写真」はありますか?

深川 写真を撮ることは好きなので、フィルムカメラで写真を撮って、プリントをしてアルバムを作ったりもします。この作品の撮影後、「そういえば、大人になってからの家族写真がないな」と思ったんです。それで、実家に帰ったとき、家族全員で家の前に並んでセルフタイマーで写真を撮りました。風が強い日で、そんなにキレイな写真ではないんですけど(笑)。いつか見たとき、そんな状況も思い出すことができるので、写真に残すことは大事だなと思います。

――では最後にこの作品のアピールをお願いします。

深川 この作品は観ていただく方の年代によって、感じ方が違うかもしれないと思います。10代、20代の方はおじいちゃんおばあちゃんと連絡を取ってみようと思うかもしれないし、30代、40代の方は、親が高齢になっていく現実を感じるかもしれないし、ご高齢の方は「おもいで写真を撮ってみようかな」と思ってくださるかもしれない。でも全世代の方にとって、この作品が思い出の場所や大切なものに、もう一度立ち戻るきっかけになったらうれしいですね。私にとってこの作品は、20代最後の主演作品。素晴らしい作品で演じさせていただいたことを自分の中でひとつの区切りとして、また新たなお仕事へ向き合っていきたいです。

ふかがわまい1991年3月29日生まれ、静岡県出身。2011年〜2016年に「乃木坂46」のメンバーとして活動し、卒業後は女優として活躍。出演作に、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、『日本ボロ宿紀行』、『まだ結婚できない男』、映画『愛がなんだ』、『空母いぶき』、『水曜日が消えた』などがある。『おもいで写眞』東京でメイクアップアーティストを目指す音更結子(深川麻衣)は、メイクの仕事をしながら美容部員として働いていたが、嘘が嫌いな頑固な性格が災いし、仕事をクビになってしまう。そして追い打ちをかけるように、母代わりに結子を育ててくれた祖母が亡くなり、故郷の富山に帰ってくる。そこで役所に勤める幼なじみの星野一郎(高良健吾)から、お年寄り向けの「遺影」撮影をしてみないかと持ちかけられる。最初は、「縁起が悪い」と敬遠していたお年寄りたち。結子はひとり暮らしのお年寄り・山岸和子(吉行和子)との出会いをきっかけに、「遺影」撮影ではなく、それぞれの思い出あふれる場所で撮影する「おもいで写真」を撮り始める。【監督・脚本】熊澤尚人【出演】深川麻衣、高良健吾、香里奈、井浦新、古谷一行、吉行和子1/29より、全国にて公開(C)「おもいで写眞」製作委員会

撮影/米玉利朋子(G.P.FLAG)スタイリスト/原未来 ヘア&メイク/白水真佑子取材・文/山西裕美(ヒストリアル)

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提供元:up PLUS

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