アンチエイジングやダイエットの特集などで
「インナーマッスル」を鍛えることが重要とよく言われます。インナーマッスルとは、そのまま「内部にある筋肉」という意味で、表面からは見たり触ったりなかなかできない
深層筋のこと。これが衰えると
姿勢が悪くなったり
メタボに拍車がかかったりすることは、なんとなくわかっていると思います。
でも、女性にとって極めて重要なインナーマッスルが
「骨盤底筋」であること、これこそ鍛えておくべき
深層筋であること、知っていましたか? 女性の骨盤底筋に詳しい、
ボディワークプロデューサーのkyo先生に詳しく聞いてみましょう。
kyo(小林 亨)プロフィールボディワークプロデューサー。1983年より幼児体操から大人の健康づくりの体育指導を始め、2001年からはフィットネス業界にて、骨盤を中心に全身を整えるプログラムをスタート。2005年にはスタジオ・ヨギーにてオリジナルの自己骨盤調整メソッド「ビューティ・ペルヴィス®」を展開。2015年5月、現代人の体にマッチしたプログラムを発信するスタジオ「b-i Style」(ビィスタイル)を外苑前にオープン。しなやかな美ボディを目指す男女に人気を得ている。同時に、指導者の育成にも努める。骨盤や骨盤底筋に特化した著書も多く、近著は「ビューティ・ペルヴィス®骨盤調整でキレイになる3週間プログラム」(主婦の友社)。http://www.b-i-style.com
お尻だけじゃダメ! 女性の「骨盤底筋」は “賢く鍛える”べし「男性に比べると、とても
繊細で
複雑に出来ているのが女性の骨盤底筋。男性の骨盤底には
穴が1つ(肛門)しかなく、骨盤底筋もそれほど複雑ではないため、瞬発的にギュッと収縮できる構造になっています。対して女性は、支えている臓器が男性より多い上に、
穴が3つ(肛門、膣、尿道)。骨盤底筋も面積が広く複雑に重なり合っているため、一気にすべての骨盤底筋を収縮させることが難しいんですよ」(kyo先生)
そのため、女性は
加齢や
運動不足によっていつのまにか骨盤底筋が衰えやすく、弾力を失ってしまいます。高齢になって特に女性に
「尿もれ」や
「頻尿」が多くなるのもこれが理由です。
また、
出産によってダメージを受け、緩む人も多いよう。若くても尿もれしたり、女性ホルモンに関わるさまざまな不調が起こったり、
下腹部がポッコリと出てきたり…。ひどいと
“子宮脱(子宮が膣から脱出してしまうこと)”を招くことに。だからこそアラフォー世代は、骨盤底筋を率先して鍛えておきたいもの。そして、骨盤底筋を鍛えることはまさに
「膣トレ」でもあります。セクシーな身体になって、パートナーに喜ばれるメリットも!
「もちろんスポーツクラブや、ヨガ、ピラティスなどでも、骨盤底筋を鍛える指導はよくされています。でも、男性のトレーナーの中には
『お尻を締めて』と一辺倒の指示を出す人が少なくありません。男性への指導はそれで良くても、女性に対してはそれではNG。女性は、複雑に重なり合っている骨盤底筋を
後ろから前までまんべんなく鍛えなければなりません。
お尻側の骨盤底筋ばかり締めると、テコの原理で
前側が緩んでしまう女性だっているんですよ。よく、
『運動をしているのになかなか痩せない、生理不順や尿もれがある』と不思議がる人にありがちなパターン。頑張ってお尻を締めるばかりで、実は骨盤底筋全体を正しく鍛えていない、
インナーマッスルを全然上手く使えていないということなんです! 思い当たる人、いるでしょう?」(kyo先生)