味噌や醤油、みりんなど日本伝統の調味料を作るのに欠かせない
麹(こうじ)。私たちの身近にありながら、その存在はあまり意識されていないかもしれませんね。麹は、蒸した米や麦に
「麹菌」という微生物を繁殖させたもので、いろいろな料理に使えるうえ、
栄養満点。“万能調味料”といわれる
塩麹や、“飲む点滴”といわれる
甘酒も、麹からできる
発酵食品です。
数年前の塩麹ブーム以降、しばらく麹から離れていた人も、いま改めて
麹の良さを見直してみませんか?
「麹」を使った発酵食品の魅力とは?今回は塩麹の第一人者であり、イラストレーターで麹料理研究家の
おのみささんに、麹の魅力や簡単でおいしい使い方を教えてもらいました。
おのさんが麹にはまったのは、まだ塩麹ブームが起こる前、2009年ごろのこと。
「味噌が意外に簡単に作れると聞いて、ジッパー付きの袋で作ってみたんです。材料は麹と大豆と塩だけ。夏だったのですぐに発酵が進み、袋がパンパンに膨らんでビックリしました。“この中に何がいるの!?”って(笑)。しかも、しばらくしたら、ちゃんと味噌ができた。この
麹が生きている感じがおもしろいなあと思ったんです」
続いて、ある料理マンガに塩麹のことが少し載っていたのを見て、塩麹づくりにも挑戦。「できた塩麹に野菜や肉を漬けてみたら、ものすごくおいしくて! これはいいな、と麹にはまっていきました」とおのさん。その後、味噌や醤油、甘酒なども手づくりするようになり、麹ライフを拡大。2010年には、
『からだに「いいこと」たくさん 麹のレシピ』を出版するに至りました。現在では著書は5冊にのぼり、今年は月に約1回のペースで麹料理のイベントも開催しています。
「麹による発酵の実験ぽい感じにも心がくすぐられますし、そもそも麹の味がすごく好きで。工夫次第で料理の幅が広がるのも楽しいところ。しかも体にもいいし」とおのさんは楽しそうに話します。
栄養満点! 美肌にも嬉しい「麹」味噌や塩麹といった麹を使った発酵食品は、料理をおいしくしてくれるだけでなく、
健康や美容に嬉しい効果も期待できます。
「麹に含まれる
消化酵素は、タンパク質やでんぷんを分解して
アミノ酸や糖を生成し、消化吸収を促してくれます。アミノ酸は、骨や肌、皮膚を作るのを助けるので、
美肌効果も期待できます。麹を毎日摂っているせいか、近ごろは体も丈夫で、健康診断でも、わりとほめられます。麹のおかげで健康も1割増しくらいなのかもしれません(笑)」
麹を使った発酵食品は種類が豊富なので、気負わなくても日常的にちょこちょこ摂れるのも嬉しいところです。