8月下旬ぐらいからスーパーの店頭に並ぶ
「菊花」。あまり馴染みがないかもしれませんが、栄養価に優れ、
アンチエイジング食材としていま注目を集めています。また、9月9日は
「菊の節句」といわれ、菊花酒を飲んで穢れを祓う風習があります。知られざる「菊花」の栄養と「菊の節句」についてご紹介しましょう。
不老不死の薬として伝来した「菊花」菊はもともと不老長寿の薬として中国から伝来しました。
ビタミンEや
食物繊維、
ミネラルなども豊富に含まれ、
コレステロールや
中性脂肪を下げる効果があると言われています。
シンプルな調理法でいただくのが美味しい!花びらだけをちぎって洗ったあとに、たっぷりのお湯に少量の酢を加えて茹でて、冷水にとります。シンプルに「おひたし」にしていただくと、なんとも言えず美味しいものです。
このほか、ごはんに混ぜたり酢の物やお吸い物に加えるだけでもOK。手軽で見た目も美しく、美味しくいただくことができます。
9月9日は「重陽(ちょうよう)の節句」五節句の「節句」とは
“季節の変わり目”を表します。中国の暦の中では、奇数の重なる日は陽と陽が重なり「陰」になるといわれ、
邪気を祓う儀式が行われていました。これに由来して日本独自の節句が形成されました。
お正月や3月3日の桃の節句、5月5日の菖蒲の節句、7月7日の七夕も五節句のひとつですが、なかでも
9月9日は一番大きな奇数(陽数)が重なるので、
「重陽の節句」と呼びます。
この日は
菊花酒を飲んで穢れを祓い、詩歌を詠んで宴を開いて
長寿を願います。このため、別名
「菊の節句」とも呼ばれています。天武天皇の時代から「重陽の節句」の宴が行われていたようですが、日本独自の形になったのは平安時代以降と考えられています。
また、節句前夜に菊の花の上に真綿をかぶせ、夜露と香りをうつした「着せ綿」で身体をぬぐい穢れを落とす、という日本独自の風習も広まりました。庶民の間では
「栗の節句」とも呼ばれ、秋の収穫を祝う収穫祭のような意味合いもあったようです。