■これまでのあらすじ
ある夜、夫が息子について「最近、思春期じゃない?」とたずねてくる。なおたろーもそれに同意し、これから息子との会話が減ったり、話す内容が変わってくるかもしれないと思いを巡らす。さらに、自分がしてきた性教育も思春期を迎えれば一区切りだろうなと思い、振り返るのだった。9年前、なおたろーは初めて生理前の不調に病名があることを知ったことで性教育の大切さを感じ、息子にできる範囲で話していこうと思い…。
■どう教えればいい…?
■はぐらかされた過去
■正しく伝えたい…
ちゃんと正しく伝えてあげたい。
「性教育=いかがわしいもの」と、若い頃の私も思っていました。今となってはなんてアホだったんだろうと思いますが…。
私よりも上の世代でも、性教育に対して当時の私と同じイメージを持っている方は多いでしょうし、性や体に関することは恥ずかしいことだから隠れて話すものという認識の方もいると思います。だから「子どもに性教育」と聞いて「まだ早いよ。いずれわかることだよ」と言う人も多いです。
しかしそうなると、大人向けのコンテンツや友人同士の会話で誤った性の知識を得る若者が増えてしまうのです(私もそうでした)。
私が若い頃、生理前の症状や生理痛に個人差があること、その症状に名前があるという情報が少なかったから「生理は病気じゃない」「生理は甘えだ」と言われてきました。大人になってから自分がPMDD(月経前不快気分障害)だったということがわかり、正しい知識がないと思いやりも生まれないと強く思うようになりました。
「自分は女だから、男の体のことなんて知らなくていい」
「自分は男だから、女の体のことなんて知らなくていい」
そう思うかもしれないけど、同じ社会で生きる人間なんだから、人間の体の仕組みは理解しておいた方がいいと思うんです。
他者に対する優しさは、想像力から生まれます。男性は生理や妊娠、出産を経験することはできないけど、正しい知識があるのとないのとでは想像力はきっと違うと思います。想像力を広げるためにも正しい知識は必要です。
性教育は人権教育。
「あなたはかけがえのない存在で、自分の心と体を守ってほしい」と我が子に伝えたいので、性教育に取り組みたいと思うようになりました。
(なおたろー)