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子連れ再婚、26歳で4児の母に…誰にも相談できなかった育児を支えていた”お弁当”のコミュニケーション

2022-05-29 09:30 eltha

 26歳の時に、自身の子どもを含めた4人の母になる決断をした愛さん(@love.k0120)。継子を育ててきたこれまでの経験が「同じ境遇の方々にとって力になれば…」とSNSで発信を続けている。最初は子どもたちの生活リズムもつかめず、どう声掛けをしていいかも分からなかった。それでも、お互い”家族”として暮らしていかなければならないーー。愛さんにとって毎朝のお弁当作りは、関係性を築いていく大切なコミュニケーションだったという。

家族の絆を深めてくれたという、末娘の受験時に作ったお弁当(画像提供:@love.k0120)

家族の絆を深めてくれたという、末娘の受験時に作ったお弁当(画像提供:@love.k0120)

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■「私は26歳で4人の母になる道を選びました」

 愛さんが現在の夫に出会ったのは14年前。シングルマザーとして仕事をしながら娘(3歳)を育てていたが「同じく一人で育児をしている男性がいる。力になってあげてほしい」と共通の知人から頼まれたことがきっかけだった。

「出会った当時、夫は6歳(年長)の長男と3歳の双子の女の子を引き取り、慣れない家事・育児に追われていました。このままでは仕事も辞めないといけないと途方に暮れていたんです。私も仕事をしながら3歳の娘を育てていたので、気分転換に公園に行こうと誘い、初めて継子たちに出会いました」

 「双子は、娘と同い年。3歳といってもまだまだ赤ちゃんのようでした。とても他人事には思えなかった」と当時を振り返る愛さん。

「手伝えることがあればと、ご飯やお弁当を届けたり、夫が仕事で遅くなる時には預かったりするうちに、継子たちが私になついて、それがきっかけで再婚を意識するようになりました。私は26歳で4人の母になる道を選びました」

■ワンオペで年少さん3人のお世話…「誰にも悩みを言えなくなった」

 働き盛りだった愛さん夫婦。夫は月に3日休みがあればよいほうで、愛さんがワンオペで子どもたちの世話をするしかなかった。

「特に年少さんが3人の育児は本当に大変でした。このくらいの年齢の子を育てていると1人でも大変なはずなのに、ある時身内に『継子がこんないたずらをして、その片付けも大変だった!』と愚痴を言うと『そんなことで怒っては継子が可哀想』『今からそんなことで大丈夫?』と言われる。継子のことだと、例え愚痴でも聞いてる方は心配になるのだと解釈し、誰にも悩みを言えなくなりました。一人で抱え込み、自分はひどい継母なのだと自己嫌悪に陥ることもありました」

 継子が6歳、3歳とはいえ、子どもたちにもそれまでの生活や家族のペースがある。おやつを食べるタイミングや起床時間など、すべての考え方が最初はバラバラだった。上の子たちが中学・高校に入学して、毎日作るようになったのが”お弁当”だ。

「お弁当できたよー!今日はテスト前やから魚ね!期待してるよ!」とか、「ゲン担ぎに豚カツにしたよ!」というような感じで、渡す時に直接声掛けをしています。コミュニケーションの1つとして捉えて、今まで作ってきました。子どもたちはお弁当を持って行くときも必ず『ありがとう』と言ってくれ、帰ってきたら『今日の春巻き何が入ってたの!? めっちゃ美味しかった!また作って!』と、お弁当のことで会話が増える。それがとても嬉しかったんです」

 「少しずつ年月を経て、家族になってきた」と愛さんはこれまでを振り返る。

「継子3人が無事に成人を迎え、時代も随分変わりました。3組に1組が離婚する時代になり、その分シングルファザーやステップファミリー(連れ子で再婚し形成される家族)も増えました。

 私の子育て経験を重ねて分かったこともあります。あの時悩んでいたこと、辛かったことは、継子も実子も関係なく、子どもと向き合っていたからこその感情だったと答え合わせができました。これは私の連れ子、夫の連れ子、夫との間に生まれたセメントベビー(ステップファミリーで生まれた子ども)を育ててきたからこそ出た答えなのだと思います」

■成人式の同窓会をやむなく欠席、愚痴一つ言わなかった長男

 再婚後に生まれた5番目の末娘は、現在中学1年生に。コロナ禍のなかで中学受験を経験し、残念ながら第一志望の学校には不合格となってしまった。しかし愛さん家族が受験にどう向き合って、お互いをどう想い合っていたか。受験当日に持っていった手作り弁当の写真とともに振り返るSNS投稿は「#受験弁当」としてインスタグラムで話題になった。「末娘の受験をきっかけに、家族の絆がさらに深まった」と愛さんは子どもとのやりとりを明かしてくれた。

「末娘の受験直前に長男が成人を迎え、お祝いの食事会を兼ねて母校で同窓会がありました。コロナ禍だったので、長男は自ら欠席という選択をしました。当時は連日数千人の感染者数で、家庭内から感染者が出れば、家族は濃厚接触者となり、受験できない恐れもあったので、そう判断してくれました。行きたかったに違いないのに『末っ子の入試直前やから欠席にしたよ!』と愚痴一つ言わず。これを末っ子に伝えると涙を流していました」

 末娘と同じ学校に通う姉(三女)は、ちゃんと学校生活を送れているか娘の様子が気になるようで、休み時間に教室に行ったり、先生に「妹をお願いします」と挨拶をしていて「兄や姉から親のように見守られている」と愛さん。

「ある日、上の娘たちがこんなことを言ってきました。

『今ってコミュ力が問われる時代だけど、ここの家の子どもたちはみんなコミュ力高いよねー!だって、最初は他人だったのに、こんなに仲良しの家族になってるってすごくない?』

 この言葉を聞いて、子どもたちも前向きに捉えられているのだと安心しました。物心ついた頃から家族のことを説明してきたので、それが当たり前に育ってきた娘は、あらためてこの家庭のことを【ステップファミリー】と呼ぶことに驚いたようです。また、中学に上がり姓が変わるお友達がいたそうですが『なんで名前変わったの?なんで?』と聞く子がいたそうです。返答に困るお友達を見て『気にせんときや!(気にせずにね)』と声をかけたと言っていました。色んな形の家庭・家族があることを知っている娘はどんな関係性であっても、マイナスには思っていないのだと思います。これからもSNSで、たくさんの継母さんの力になることができれば良いなと思います」



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