【Brilliant Woman】羽田美智子、結婚がもたらした“人生の宝物”
2016-04-28 eltha
沖縄に拠点に置く水中カメラマン・広部俊明さんとの結婚をきっかけに、仕事の合間を縫って沖縄へと通うようになった女優の羽田美智子さん。たくさんの出会いによってそこはかけがえのない場所になり、このほど著書『羽田美智子が見つけた 沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社)を発売。第2のふるさとの魅力と共に、羽田さんにとっての“人生の宝物”について伺いました。
便利に勝るものがある沖縄の魅力
――沖縄の“ステキ”がたくさん詰まった本ですね。どういう経緯で作られたのですか?
羽田美智子 今から5年前の2011年に夫と結婚して以降、沖縄に通うようになりました。移住したわけではありませんが、暮らしてみるといろんな文化があることに気付きました。レンタカーでいろんな島に行くと沖縄の輪郭が見えて、古き良き日本が残っている場所なんだなと感じて。そんな沖縄のステキな魅力を紹介できたらなと思ったんです。
羽田美智子 今から5年前の2011年に夫と結婚して以降、沖縄に通うようになりました。移住したわけではありませんが、暮らしてみるといろんな文化があることに気付きました。レンタカーでいろんな島に行くと沖縄の輪郭が見えて、古き良き日本が残っている場所なんだなと感じて。そんな沖縄のステキな魅力を紹介できたらなと思ったんです。
羽田 沖縄には“やちむん”というすてきな焼き物があるんですが、それを通して出会った陶芸家の大嶺實清先生に、「琉球文化というのは本来刀を持たない文化。その代わりに土を練って器を焼き、三線を奏でて踊りを舞うことで人をもてなしていたんですよ」と“おもてなしの文化”を教わったんです。今も器でもてなす文化はしっかりと継承されていて。最近では、若い方たちがやちむんの素晴らしさに気付き、新しいものも生まれているそうです。
――おもてなしの文化もですが、沖縄にはほかにもまだまだ“ステキ”がありますよね。
羽田 暮らしの中から、ステキなところがたくさん見つかりました。便利なものであふれている東京と比べると、沖縄での生活はもちろん不便に思うこともあります。でも不便だからこそ、人との出会いや掛け合い、助け合いの精神を深く感じることができる。そういったところは、便利より不便が勝るんですよね。
人生に不可欠なのは“助け合いの精神”
羽田 以前、沖縄で夫の車がエンストして街中で止まってしまったとき、近隣の方々が「大丈夫ですか?」と心配して見に来てくださったそうなんです。みなさんが車を押してくださって無事に動いたそうですが、知り合いでもないのにすぐに助けに来てくださるなんて驚きますよね。でも夫は、「よくあることだし、自分も同じことをするよ」と。それを聞いて本当に感動してしました。それ以来、私にとって生きることに必要不可欠なのは優しさや思いやり、助け合いの精神になりましたし、それが人間である醍醐味だと感じるようになりました。お互いさま精神というか、困っている人がいたら手を差し伸べる。それこそが人間で良かったなと思える瞬間なんじゃないかなと思います。
――羽田さんのお話を聞いているだけで優しい気持ちになれます。
羽田 ありがとうございます(笑)。沖縄にはすてきな言葉もあって、「なんくるないさ〜」は有名ですよね。私は“気楽にいこうよ”という楽観的な意味だと思っていたのですが、それは違いました。沖縄の人たちもいろんなことで悩むけれど、最終的にはいったん受け入れて認めるんです。認めた上で“なんてことないよ、大丈夫だよ”と背中を押してくれる言葉なんですよね。