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【インタビュー】ikumi「40歳くらいでなんかかっこいいよね、って言われる謎のおばさんになりたい」

【インタビュー】ikumi「40歳くらいでなんかかっこいいよね、って言われる謎のおばさんになりたい」
17歳からモデルとしてストリート誌をメインに活躍。現在、自ら立ち上げたファッションブランド「IKUMI」のデザインのほか、音楽ユニット「水曜日のカンパネラ」の日本武道館公演衣装、歌手AIのツアー衣装を手掛けるなど、デザイナーとしても活動の場を広げ続けているikumiさん。今年3月、パリで2度目となるファッションショーを開催した彼女に、ショーの舞台裏や、夢をかなえるための秘訣をうかがいました。

初めて海外でショーを開いたときから会場もモデルも自分で手配しています

――海外でのファッションショーは、ニューヨークで4回。パリでは昨年の10月に続いて2度目だそうですね。いつ頃から準備を始められたんですか?
【ikumi】 前回のショーが終わって、すぐでしたね。いつものことなんですけど、翌日には、もう次のコレクションのことで頭がいっぱいになっているんです。最初に、次回はどういうショーにしたいか、ざっくり考えるところから始めるんですが、今まで黒なら黒だけ、白なら白だけと、単色でデザインしていたのを、今回は最初から「(黒と白を)全部混ぜよう」って決めてました。そこから、どんどんどんどん考えが進化していって、最終的に、モノトーンのサイケデリック柄や人形の総柄プリントが生まれて。最後に作ったお人形も、天使と悪魔のハーフになりました。名前はDOLLです(笑)。
※ショーの様子。すべてikumiさん提供

ショーの様子。提供/ikumi

――サイケデリックといえば派手な原色のイメージがあったので、モノトーンのサイケデリック柄って、すごく新鮮な感じがします。
【ikumi】 それが狙いだったので、そう思っていただけたのなら嬉しいです。今回、全部で30体くらい作ったんですけど、完璧なものがすぐできることもあれば、思った通りにいかなくてイチからデザインし直したり。なんだかんだで、けっこうギリギリまで作ってましたね。
――時間のない中、会場やモデルさんも、すべてikumiさんご自身で探されたとうかがったんですが……。
【ikumi】 そうなんです。セルフプロデュースといえば聞こえがいいんですけど、そもそも私ひとりしかいないので(笑)。ショー自体も、パリのファッション協会に加盟しているメゾン・ブランドが大々的にやるものと違って、やりたい人が自由に発表するゲリラ的なものだから。初めてニューヨークでショーを開いたときから、現地にはひとりで行って、会場もモデルも、すべて自分で手配しています。

アジア人の少ないパリではイメージ通りのモデルを探すのも一苦労

IKUMIを着こなすモデルたち。写真提供/ikumi

IKUMIを着こなすモデルたち。提供/ikumi

――現地には、どれくらい前に入られたんですか?
【ikumi】 半年前、初めてパリでショーをしたときは知り合いもまったくいなかったから、下見にも行ったし、開催日の1ヶ月前には現地に入ってたんですけど、今回は、そのときにできた友達とメールのやりとりをしながら事前に会場の目星をつけることができたので、現地に入ったのは2週間前でしたね。それから会場を決めて、モデルを探して…。今回は、フィッターはもちろん、カメラマンなどスタッフも全部自分で探しました。英語があまり喋れないんで大変だったけど、ノリと、あとは笑ってたらなんとかなるもんです。笑顔は大事ですよ(笑)。道で声をかけたモデルちゃんたちも、笑顔で話していると、けっこうOKしてくれますから。
パリにて。提供/ikumi

パリにて。提供/ikumi

――道で声をかける!? てっきり、モデルはオーディションなどで決めるのかと思ってましたが。
【ikumi】 いえいえ。極寒の中、街に出て、この子だ! と思ったら「今度自分のブランドのショーをやるんだけどモデルをやってもらえませんか?」って(笑)。私、アジア人で、細身で、宇宙人っぽい感じの子が好きなんですけど、パリではなかなか見つからないんですよね。ニューヨークでは選べるくらい、いっぱい歩いてるのに。ようやく見つけても、事務所に入っているとほぼNGだし。でも、今回、初日にすごくいい出会いがあったんです。パリに着いてすぐ、ひとりで散歩に出たら、3分くらいでモデル(候補)が見つかって。その場で声をかけたら、パリにあるドイツのブランドのプレスとして働いてる子だったんですけど、すごく仲良くなって、いろいろ教えてくれたり、協力してくれて。その出会いがきっかけで、どんどん出会いも増えていって。出会いって、すごいですよね。偶然道で出会った子と、そこまで仲良くなれるなんて。

開催3日前に会場がまさかのキャンセル! 絶体絶命の大ピンチに

――モデルと同時進行で探していた会場は、スムーズに決まったんでしょうか?
【ikumi】 それが、会場探しのほうが、モデル探しよりもずっと大変で。前回の会場は地下の洞窟ですごく暗かったから、今回は変化を出すためにお昼の光が入るところにしようと思って。そのためには天窓がマストだったんですけど、わりと早めに見つかって一安心していたら、ショーの3日前にいきなりキャンセルされちゃったんです。1時間くらい落ち込んで(笑)、すぐに代わりの会場を探しに出かけたんですけど、どこもあいていなくて。ようやく見つかったのは前日の昼(笑)。見学に行って、その場で決めて、長さとか測って、パーテーションとか必要なものを揃えて。みんなに手伝ってもらいながら、ほぼ徹夜で準備して、どうにか本番に間に合ったんです。
――モデルやスタッフが決まっても、会場が決まらないことには、ショーはできませんもんね。まさに最大のピンチだったわけですね。
【ikumi】 でも、最終的に決まった会場の人が、すごく優しくて、いい人達だったから、結果オーライ。最後に救われたって感じです。いつもそうなんですよ。アンラッキーなことがあっても、最後の最後にいいことが起きる。ニューヨークでも会場探しに難航したんですけど、最終的に、一番やりたかったところでできたし。もしかすると、そういう運命なのかも。これまでの人生でも、落ち込んで落ち込んで、すっごいハッピーになるみたいな感じのことが何回もありましたから。
――そんな中、迎えた本番は、感慨もひとしおだったのでは?
【ikumi】 感慨どころか、終わるまでドキドキしかないですね。楽しまなくっちゃっていう気持ちもあるけど、ショー自体は15分くらいで、あっという間に終わっちゃうんで。
――え? たった1回しかやらないんですか?
【ikumi】 そうなんです。半年かけて1回だけって、すごいですよね。でも、今回その15分の間に、前回の課題をけっこう改善できたから、自分の中ではステップアップできて良かったなって。
――お客さんの反応も気になりますよね。
【ikumi】 そうですね。私がメールで送ったインビテーションを見て、日本から来てくださる方もいれば、現地で仲良くなったデザイナーの人が、現地のPRや雑誌の方を呼んでくださったり。だいたいいつも100人くらいは集まっていただいていますね。外国人の方がほとんどなので、ショーの最中は何を言ってるのかさっぱりわかんなかったんですけど(笑)、終わった後、気になった服を見にバックヤードまで来てくれたり、次回、PRをやりたいとか、ショールームに入れたいとかいう声もたくさんいただいて。本当にありがたいことだなって思いました。
パリにて。提供/ikumi

パリにて。提供/ikumi

――ちなみに、パリ滞在中はずっとホテル住まいをされていたんですか?
【ikumi】 ホテルじゃ落ち着けないので、『Airbnb』で自分好みの部屋をまず探しました。日本で言う民泊みたいな感じで、ふつうのお家のお部屋をまるごと借りるんです。洗濯機もついてるし、シャワーもあるし、料理もできるし。ホテルと違って好きに使えるので、そこにもうサンプルとかどーんと広げて。現地で出会って仲良くなった友達を呼んで、ご飯作って食べながら「あと何人モデルが足りない!」とか、作戦会議したりする時間も、楽しかったですね。
今回のショーを通じて、友達もずいぶん増ましたね。彼らから「次はもっと早く、一ヶ月前に来てくれ。そしたらもっと早く会場が決められるから」って、ずっと言われてるんですよ(笑)

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  • 撮影/徳永徹
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