【インタビュー】竹内結子 美しさを維持する秘訣は緊張感を持ち続けること
2018-05-02 eltha

これほど世界中で知られた作品、誰がやっても文句をいわれるであろうシャーロックに「挑んだ私を、ほめてもらいたい(笑)」

(C)2018 HJ HOLDINGS, INC & HBO PACIFIC PARTNERS, V.O.F
探偵ものは昔から好きだったので、純粋に「おもしろそう。やってみたい」と思いましたね。物語の舞台を現代の東京に置き換えて、なおかつ女性同士のコンビの話にすることで、どんなふうに変わるのか、日本らしさがどう描かれるのか、すごく楽しみでした。今となっては、誰がやっても文句を言われるであろう、この(全く新しい)シャーロックという題材に挑んだ私を、ほめてもらいたい気分です(笑)。
――シャーロックという女性には、どんな印象をもたれましたか?

(C)2018 HJ HOLDINGS, INC & HBO PACIFIC PARTNERS, V.O.F

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この作品のお話をいただいてから、原作を読み直したりもしたんですが、先入観を持たずに自分なりのシャーロックを演じるためには、既出の作品はむしろ見ない方がいいと思って。(英俳優)ベネディクト・カンバーバッチさんの(TVドラマ) 『SHERLOCK(シャーロック)』シリーズも好きでしたが、見るのを一切止めたんです。
シャーロックを演じている間は、台本の色(濃紺)をテーマカラーにしたネイルを足に塗ったりもしていましたね。濃紺に赤とゴールドをちょっと入れるとか、少しずつマイナーチェンジもしていてんですけど、ほぼ映っていないし、誰も気付いてくれませんでしたね(笑)。
これまでにない周囲を振り回す役 最後まで自分のものじゃないような感触も

シャーロックは自分の世界に没頭すると、まるでロボットのように、ものすごい早口で喋るんです。そのときの、周りの人を受け入れない感じを出すのが難しかったですね。
どちらかといえば私は、人を振り回すより(他の方の)お芝居を受けてリアクションを返す役柄のほうが多かったので、戸惑いもありました。最初のうちは、和都さんが「なぜそういう言い方しかできないの?」ってリアクションを返してくる事で「私、けっこうひどいこと言ってるんだ。なるほど」みたいな感じで探り探り演じてたんですが、他人に対する気遣いというものを振り払うと、こんなに自由なものなのかと。ものすごく自分勝手で、ひどい物言いも、演じていくうち、ちょっとした快感にはなりましたね。
――シャーロックと竹内さんご本人に、重なる部分はあったんでしょうか。
もちろんです。伊藤蘭さんは姿勢が美しくて、その佇まいからくる凜とした空気に「私もこうありたい」と思いますし、貫地谷さんのお芝居に対してぶれないところや、いつだって確実にホームランを打つようなところは素直に羨ましいなと思います。