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発達障害・知的障害の“ぽんちゃん”が教えてくれた“普通”の幸せとは

子どもたちのために7つの保険に加入!? 「明日死んでも悔いのない生き方を」

――連載を始めて感じたことや、反響はありますか? 

【吉田可奈】TwitterのDMに、同じようなお子さんを育てるママからメッセージをよくいただいています。まったく同じ症状の子もいれば違う子もいて…。

――心に残った言葉はありますか?

【吉田可奈】みなさんに、「悩みながらも前向きになることができました」と言われたときは、すごく嬉しかったですね。障害があるということは、我が家では普通なので、その日々をつづったコラムで勇気を与えることができているなら、これ以上幸せなことはありません。
――エッセイでも、お話しを聞いてる中でも、吉田さんのパワフルさが印象的です。毎日をポジティブに過ごせる理由や、心掛けていることは?

【吉田可奈】毎日心掛けているのは、笑顔でいること、笑えることを摂取することでしょうか。ネガティブなことは、楽しく暮らすためには必要がないのでできるだけ排除しています。

――なるほど。

【吉田可奈】もちろん、考えなくてはいけないことには、ちゃんと向き合います。ただ、それとネガティブは別の話。人や仕事の付き合いもそうするようにしています。

――いつも支えてくれるじいじの「ぽんちゃんはオレたちとは違う世界で生きている。そこでの幸せは、オレたちの幸せと一緒とは限らない。だから、オレたちがぽんちゃんの幸せを決めるのはおこがましいことだよ」という言葉が心に響きました。じいじの言葉のように、吉田さんが大事にしているはありますか?

【吉田可奈】じいじのこの言葉は、私のすべての考え方のベースになっています。さらに、大事にしている言葉というか、座右の銘が「死ぬこと以外かすり傷」だったのですが、最近では意識高い系の人たちが使用しているのであまり言わないようにしています(笑)。

――名言ですね。

【吉田可奈】でも、それくらいの気持ちで、明日死んでも後悔しないような生き方をしたいなと思っています。そのために、子供たちのために、家を買い、保険は7つ入りました(笑)。

ぽんちゃんとの楽しい毎日を描くことで伝えたい「障害は産んだママのせいではない」

――本としてまとめるうえで連載とは変えた点はありますか?

【吉田可奈】連載よりは、コミックの部分を多くして、より読みやすくしました。発達障害、知的障害というテーマになると、それだけで暗い気持ちになってしまう人も多いと思います。でも、私はぽんちゃんを育てることが苦しいことだとは思ったことがありません。それよりも、毎日おもしろいことが続々と起きるので、それをおもしろおかしく伝えていきたいということを大事にコラムを続けてきましたし、本にまとめる上でも大事にしました。

――専門医監修コラムや解説などが加わり、わかりやすくまとめられていたのも印象的でした。

【吉田可奈】そうですね、悩んでいるママたちの手助けに少しでもなるように、「発達障害かも?」と思った時にするリストなども合わせてまとめました。

――巻末の「準備カード」や「きもちカード」を付けようと思った理由は? 実際に吉田さんとぽんちゃんもこのようなカードを使っているのでしょうか。

【吉田可奈】ぽんちゃんの通っている特別支援学校では、こういった準備カードを使用しています。視覚で次がわかるようにしてあげると安心してくれる子たちもいるので、家でもこのカードを使用してもらえたらいいなと思い、付録にしました。ぽんちゃんも指をさすことができるので、「何をしたい?」という問いかけでカードを使用しています。
――読者にどんなことを感じてほしいか、今回の本に込めた思いがあれば教えてください。

【吉田可奈】人によって、“普通”の基準は違います。我が家のぽんちゃんは、毎日を楽しく普通に過ごしています。障害を持つお子さんを持つママたちのこと、そして障害児のことをもっと多くの人に理解してもらえば、もっとぽんちゃんたちは暮らしやすくなるのではないかと思っています。さらに、発達障害の疑いがあるお子さんがいるママが最初に抱く絶望、悲しい気持ちが少しでもゆるめばいいなと思い、この本を書きました。

――自分のお子さんに不安なことがあるお母さんへ、メッセージをお願いします。

【吉田可奈】ネットを検索すればするほど、不安になり、どうしていいかわからなくなると思います。まずは、行きつけの小児科や、地元の保健師さんに相談してみて下さい。

――吉田さんも同じ経験が?

【吉田可奈】私も保育園の先生が異変に気づかなければ、もっと障害がわかるのが遅れていたかもしれません。不安があれば、各市町村での発達支援センターなどに顔を出してみるのもいいと思います。もし、障害がなければそれでいいんです。早期療育に悪いことはないので、児童館に行くような感覚で、療育センターに顔を出してみることをお勧めします。

――ぽんちゃんも、療育センターに通われていたんですよね?

【吉田可奈】そうですね。3歳から始めていた療育センターでのST(言語療法)、OT(作業療法)はかなり役に立ったと思っています。障害を持った子供を産んでしまったのは私のせいだと責めた時期もありました。でも、これは遺伝子の問題なので、ママのせいではありません。だからこそ、そんなことを考える時間があるのなら、助けを求められるところには全力で助けを、教えを求めてみるのがいいと思います。絶対に、味方になってくれる人がいるはずなので、ひとりで悩まないでほしいですね。

――同じ思いを抱えたお母さんたちにとってとても心強い言葉だと思います。最後に、吉田さんが今後家族3人で実現させたい夢や目標があればお聞かせください。

【吉田可奈】やりたいことはすぐに実行するタイプなので、いままでたくさんの場所に旅行をしたり、観たいものをみたり、食べたいものを食べに行ったりしていました。『シングルマザー、家を買う』のWEBエピソードでもあるのですが、娘の希望通り、気球を見に北海道まで行ったら、気球に乗る直前で拒否されるというような悲しいこともありました(笑)。でも、今後もそのスタンスを変えることなく、興味を持ったことはすべてチャレンジしていきたいと思っています。

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