不倫したのは夫なのに…離婚話で豹変した義母から「悪霊退散！」罵倒された妻、家族崩壊のゆくえ

　不倫にまつわるさまざまな問題は、当事者だけの問題では済まないことが多い。夫に不倫をされた妻が、義母に悩まされるケースも少なくないという。『娘が初めて「ママ」と呼んだのは、夫の不倫相手でした』（KADOKAWA刊）という衝撃的なタイトルが話題を集めた電子コミックには、夫の不倫のせいで離婚が成立したとたん、これまでの結婚祝いなどのお金を返せとまくしたて、挙句の果てに「悪魔！」と罵倒する義母が登場。また、Instagramの漫画『娘の先生との最低な不倫』には、孫を取られたくない想いが暴走する義母が登場する。“家族の関係”を考えさせられる2作を紹介する。

　電子コミック『娘が初めて「ママ」と呼んだのは、夫の不倫相手でした』は、リナさんの実体験がもとになっている。学生時代からの付き合いで結婚した夫の不倫が発覚。信頼しきっていた関係だったこともあり、一度のあやまちも許せなかったという。小さな子どもがいたこともあり、子どものために離婚することを決意した。

　自身で“現場”をおさえて証拠を集め、双方から慰謝料を取るべく奮闘する日々。専業主婦だったため、同時に職探しも行わなければならず、心身ともにやつれていく中ようやく離婚が成立。離婚届を取りに夫の実家を訪ねたところで義母が豹変した。「もう一度、私と話しましょう」と言われ、断ると出産祝いや結婚祝いやご飯代など、今まで出したお金を返せと言われ、つらい言葉を浴びせられたという。

「元夫もですが、義母もひどかったです。それまで良好な関係だと思っていたのに、離婚の話を耳にしてから、急に態度が豹変して、「悪霊退散！」などと怒鳴られたこともありました。不妊治療をがんばった私のことを「欠陥品」と言ったことも、すごくイライラしました」

　作中では、夫の実家を立ち去るときのシーンで義母から「帰れ悪魔！」と罵られ、塩までかけられるシーンが描かれる。それまでリナさんが受けた壮絶な仕打ちを振り返ると、親子そろって異常な雰囲気であることが想像できる。

　波乱なエピソードが続く物語で、リナさんは結婚を後悔するものの、愛する子どもと出会えたことに感謝し、前向きな人生を歩でいるという。離婚やトラブルに悩む読者に向けて、次のようなメッセージを伝えている。

「今がつらいのはわかるけれど、頑張ったらちゃんと幸せになれます。前へ進もうと決めたら、絶対に終わりがあるつらさです。だからめげないで、負けないでほしいです」

　Instagramで連載中の漫画『娘の先生との最低な不倫』では、ひよりさんのつらいエピソードが綴られている。高校からの付き合いで結婚に至った夫の不倫が発覚。しかも相手は、娘が通う幼稚園の先生だったという。

　信頼していた相手からの裏切りにショックを隠せなかったものの、じつは前にも不倫を発見して、一度は「再構築」を選んでいた。前向きに考えていこうというタイミングで、2回目の不倫が発覚。それが決定打となり、気持ちが完全に冷めてしまった。

　もちろん離婚までの道のりは長く、義父母からは「離婚はやっぱりやめにしないか」と身勝手な提案まで受けたという。そんな中、孫と離れ離れになってしまうという不安からか、義母が勝手に娘の幼稚園へお迎えに行ってしまった。突然娘の行方が分からなくなってしまったひよりさんの動揺と、義父母間の信頼関係が崩壊していく様が描かれている。

「一連の騒動で、結婚して家族になったと言っても、義父母は所詮他人なのだなと痛感しました。とくに、自分勝手な理由で娘を奪おうとしたのは許せませんでしたね。家族とは、相手の気持ちに立って考え続けられる人のことを呼ぶのではないかと思います」

　大切な人から裏切られ、精神的にもつらい日々を過ごす中で考えさせられる人間関係。ひよりさんは家族の在り方について、「自分ごとでしか物事を考えられなくなったら、それはもう家族と呼べないのでは…」と振り返る。家族のかたちがさまざまにある中で、せめて相手を想いやる気持ちは大事にしたい。