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相手のイライラは「受け取らない」 18歳女性が住み込みの山小屋バイトで導きだしたストレスへの対処法

2022/03/12

山小屋での住み込みアルバイトを母親から提案される、まりげさん

山小屋での住み込みアルバイトを母親から提案される、まりげさん

 学生時代に両親が離婚し、大学を休学することになった漫画家のまりげさん(@marige333)は、お金を稼ぐためにアルバイト生活を続け、暗い雰囲気が漂う実家に帰る生活を繰り返していた。「このままでは、やさぐれそう」と思い悩んでいたところ、母親からの提案で山小屋の住み込みアルバイトを経験することに。もっとも心を許せたという山小屋オーナーの娘(4歳)、山道で遭遇した熊を独特な方法で追い払う男性、熊よりも怖く周囲に当たり散らすお局さん…そんな山で出会った人々のおかげで「当時抱えていた悩みも、吹っ切ることができた」とまりげさんは語る。

「いろんな生き方があるんだなぁ」18歳、山小屋で受けた衝撃

ーー山小屋のアルバイトに行く前、ご両親が離婚されたり、大学を休学されたり、様々な出来事があったと思います。どのようなお気持ちでしたか?

「当時は大学に入学したばかりでしたので、美術の先生か図書館の司書になるための資格を取ろうと考えていました。それがある日突然、“ガタンッ”と、この先進もうと思っていたレールが目の前から消えてしまったような気持ちになり、大学に通い続けられる友人をうらやましく思っていました」

ーー山小屋を初めて訪れたときの印象は?

「住宅街で育ったので、360度見渡す限り『山!草!空!』というのもはじめて過ごす環境でしたので『気持ちいい〜!!』と思いました。山小屋の外のベンチに座っていると『ザァァァー』と遠くの山の向こうから雨が近づいて来る音が聞こえてきたり、季節の移り変わりによって山の葉っぱが少しずつ色づいていくのを観察できたり、そういう日々の変化がおもしろいなと思いました」

ーー山という閉ざされた空間だったからこそ、考えることはありましたか?

「ツイッターのコメントでも書いてくれている方がいましたが、数ある仕事の中でわざわざ山奥に来て働く選択肢を取る人ってユニークな人が多いんです! 例えば半年間は山小屋で働いて、残りの半年は自転車で世界旅行をしていたり、インドに瞑想の修行に行ったり…そういう人たちが『自転車の車輪のチューブを腕にグルングルンの巻いて野犬6匹と戦った話』とか面白い体験談をたくさん聞かせてくれました。社会から見たら変わった人達の集まりだったのかもしれませんが、18歳だったわたしにとっては『いろんな生き方があるんだなぁ』と新鮮な驚きでした」

ーーご自身の性格にも変化が?

「山小屋で働くユニークな仲間達の生き方を見ていると、『大学を辞めたことぐらい大したことじゃないし、レールが無くなったんなら自分で進みたい方向に進めばいいだけじゃん!』と思えるようになりました。山を下りる頃には気持ちも吹っ切れていましたね」

「人からのトゲのある言葉は、優しい人ほど傷付く」

ーー山小屋でのアルバイト経験で、もっとも勉強になったこと学びになったことは何ですか?

「年齢も出身地も違う10人くらいの人達と、共同生活をするという経験はしておいてよかったです。山小屋では、料理作りと掃除を担当していたんですが、右も左もわからない私に女将さん(山小屋の主人の奥様)が野菜の切り方や効率の良い掃除の仕方などを一から教えてくれました。山小屋では食材がとても貴重なので、その日使って良いお肉の量など細かく決められていました。【限られた食材で、なるべくガスを使わず短時間で、男性スタッフのお腹も満たすおかずを3品作る】というミッションに当時は頭を抱えていたんですが、今になって3兄弟を育てる上で、その時の経験が役立っています」

ーー山小屋のアルバイトで貯めたお金で、車を購入したというエピソードが描かれていました。車を購入したのは、どのような理由からだったのでしょうか?

「山の上だとお金を使う場所も無いので、給料が丸々貯まります。マンガに登場するクマを追い払ってくれた彼が群馬に住んでいたので、山を下りたあと遠距離恋愛になってしまいました。その彼に会いに行くために車を買いました。その彼とはその後お別れしてしまいましたが、車はその後も長く乗り続けました」

ーー漫画には「イライラはあの人の世界で起こっていること。受けとらない受けとらない。」「ストレスを感じたときは、ただ歩くだけ」と印象的なセリフが。「すごく心にきて泣きそうになった」と反響コメントもありました。ツイッターに寄せられたたくさんのコメントについて、あらためてどのように感じましたか?

「社会の不安定な状況だったり、人からのトゲある言葉って、優しい人ほど傷付いてしまうと思うんです。ですので、コメントで『今、ちょうど心がしんどかったから、この言葉に出会えてよかった』と言っていただけたことが嬉しかったです。
『受けとらない 受けとらない』はわたしにとっても自分を守ってくれるおまじないのような言葉なので、これからも心の中で唱えたいと思います」

PROFILE/まりげ

1988年、埼玉県生まれ。2016年に京都へ移住。築100年の古民家をセルフリノベーションして、三兄弟と漁師の夫と暮らしている。著書『たのしいことを拾って生きる。』(大和書房)

Twitter:@marige333
Instagram:@marige333

ブログ:【 まりげのまんが。】
https://marige333.blog.jp/

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