いまだ9割弱の女性が男性に気をつかう…「生理」への理解、進まぬ社会 “個体差”あるため同性からのバッシングも
2022-06-23 eltha
意識の見直しが社会的に取り組まれるも…いまだタブー視される“生理の話題”
ひと昔前まで「生理」を公に語るのはタブー視されがちだった。しかし昨今は、女性のウェルネスを社会課題として捉える取り組みが進み、前述のように生理について声を上げる著名人がメディアに取り上げられることも増えている。
では実社会ではどの程度、生理にまつわる意識変化が定着しているのか。オリコン・モニター・リサーチでは10〜50代の女性1000名にアンケートを実施。まず「生理について周りの人に話しにくいと感じていますか?」との問いに対しては、全体の66.9%が「そう思う」と回答。世代別では30代以下が約7割、40代以上は約6割の人が「話しにくい」としており、世代間で若干の意識の差があった。
生理に対する意識改革が進む一方で、タブー視する層も少なからず存在している。それによってさらに話しにくくなるなど、生理の社会的理解に向けた課題は、まだ山積みだ。
「女性社員の生理周期をチェックする上司がいる…」現状に憤る声多数
気をつかう理由としては、「相手の反応や周りの反応など、生理のことを男性に話してはいけないような空気がある。体調不良やホルモンバランスの崩れは深刻なことなのに、下ネタかのように扱う男性がいて傷つく」(10代女性・神奈川県)、「職場で女性社員の生理周期をチェックしている上司がいて非常に不快だった。そのことを人事に相談しても『その程度は軽く受け流してこそ大人の女性である』と言われ、生理日がばれないようにした」(40代女性・埼玉県)など、理解不足に憤りの声を挙げる人が多かった。
「生理痛による休みは甘え!」…個体差のため同性から厳しく言及されるケースも
しかしながら生理痛の症状は個人差が大きいため、同性に対する悩みもある。「職場の上司で生理痛に理解のない人がいました。同性でも“人それぞれ違う”ということがわかってない人もいるので、話すときは、相手が柔軟な人であるかを確認する」(30代女性・埼玉県)、「症状に個人差があるため、『甘えている』というような捉え方をする人が少なくない」(20代女性・東京都)、「薬を飲めば治ると思われている。頭痛や腹痛だけでなく、メンタル面の辛さは全く理解されない」(20代女性・北海道)、「『月経の苦しみは人それぞれなので、同性であっても理解されない。『ズルだ』とか『痛みに弱い、軟弱だ』と言われることもある」(40代女性・千葉県)と、同性であっても理解を得るのは「いまだに難しい」という実状が浮かび上がってきた。
SDGsの目標の1つに「ジェンダー平等を達成し、すべての女性と女児の能力強化を行う」ことが掲げられている。その実現には「女性の心と体の健康」を理解し、社会との関わりを健全化していくことが欠かせない。生理についての理解が社会的価値基準として定着するには、まだまだ時間がかかりそうだが、ようやく起こった動きが、今後さらに促進されることを願いたい。
(文/児玉澄子)
【調査概要】
調査時期:2022年5月10日(火)〜16日(月)
調査対象:回答者全体1000名(自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員10代、20代、30代、40代、50代の女性)
調査地域:全国
調査方法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
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