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地域猫の保護がきっかけに…“ネコハラ”が可愛すぎるコワーキングスペースが話題

2022-12-01 eltha

 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』が、鹿児島県指宿市にオープンし、話題を呼んでいる。同所は、サンドイッチや猫雑貨の販売やカフェを営む農業姉妹さんの「はちわれ農園」が運営し、保護猫たちが気ままに暮らし、新しい家族を見つけられる場所として立ち上げられた。猫カフェとは異なる触れ合いを楽しむ利用者の声を始め、きっかけとなった地域猫の問題について聞いた。

地域猫の保護がきっかけ、人間が楽しむのではなく猫が主となるコワーキングスペースに

――なぜネコカフェではなく、コワーキングスペースだったのでしょうか?

農業姉妹さん  すべてのネコカフェがそうだとは言いませんが、その多くは基本的に人間が楽しむことを主眼に置いているため、猫の気持ちよりも人の都合が優先されてしまいます。『ネコハラ』にいる猫は、すべて保護猫です。里親を探す間、人との触れ合いは必要ですが、人を嫌いになってしまうようなことは避けたい。猫の気持ちを尊重するお客さまに来ていただくことで、猫たちも嫌な思いをすることなく、人と触れ合うことができると考えました。

――『ネコハラ』立ち上げのために、クラウドファウンディングが行いましたが、そのきっかけを教えてください。

農業姉妹さん 保護猫がいるスペースの構想は以前からありましたが、実際に動くきっかけになったのは、6匹の地域猫を保護したことです。野良猫とは思えない人懐っこさで、新しい場所にもすぐになじみ、初めて触れ合う人にも走り寄って甘えていました。猫たちはただ甘えたくて寄ってくるだけですが、その猫たちに癒され、喜ぶ人間がたくさんいます。なかには、お金を払ってでも触れ合いたいと思ってくれる方もいるでしょう。保護猫たちは、やりたいように動くだけで、自分たちの生活費は稼げるし、居場所も確保できるはず。そう思い、それを実現するべくプロジェクトに着手しました。
――どのようなことがきっかけで、猫を保護したのでしょうか?

農業姉妹さん 地域猫として餌をもらって暮らしていた猫たちが、ある日突然、警察から餌をやらないよう注意を受け、それまで住処にしていた簡易な小屋もすべて撤去され、居場所を失ってしまいました。私はその地域猫とはもともと関わりはありませんでしたが、保護の依頼があり、引き受けることになりました。まとめて6匹保護するのは躊躇もありましたが、年末の冷え込む時期ということもあり、受け入れを決断しました。

仕事は進まないが、満足度とリピート率が高い

――その後、6匹の地域猫を預かることになりましたが、すぐに馴染めたのでしょうか?

農業姉妹さん 急に違う場所に連れてこられ、不安もあったはずです。最初は少し緊張や警戒も見られましたが、1週間もしたらすっかり馴染んで、走り寄ってきたり、掃除をする人の膝に乗ってゴロゴロ言っていました。

――6匹の保護猫は、里親が見つけられたのでしょうか?

農業姉妹さん とても甘え上手で人懐っこく、他の猫とも仲良くできるため、あっという間に全員里親が見つかりました。4匹は成猫、2匹は6ヵ月弱と、譲渡するには難しい年齢になっていましたが、保護から半年たたずにみんな里親が決まり、『ネコハラ』のオープンを待たずに巣立っていきました。里親の中には、『ネコハラ』の常連さんもいらっしゃいます。

――『ネコハラ』には、何匹の猫がいるのでしょうか?

農業姉妹さん 入れ替わりもあるため、常に一定ではありませんが、現在は14匹の猫がいます。
――具体的にはどんなハラスメントなのでしょうか?

農業姉妹さん 目の前に座って撫でることを要求したり、文字を書いているペン先を追いかけて邪魔をしたり、お客さまのバッグに入り込むこともあります。特にパソコン作業の邪魔をすることが多いです。書類やパソコンのキーボードに乗ったり、パソコンの液晶の前に立ちはだかったり、マウスに置いた手の上に顎を乗せ寝そり(気持ち的に)動かせないようにします。

――パソコン作業の邪魔をすることが多いようですが、猫たちの様子を教えてください。

農業姉妹さん 紙やパソコンを広げると、すぐに寄ってきて上に座ります。小さい紙きれのような物は、散らしておもちゃにするので、ただ遊ぶために寄って来ている子もいると思います。ですが、普段あまり膝の上に乗らないのに、パソコン作業を始めると必ず膝に乗ってくる子もいるので、もしかしたら人の気を引きたくてやっているのかもしれません。

――仕事が手につかなそうですね。

農業姉妹さん パソコンや本などを持って来られる方も多いのですが、仕事や作業が進まずに帰られる方が大半です。それでも皆さん「また来ます」と満足しているようで、リピート率も高いです。

根本的な制度改革が必要…目標に向けた大きな一歩、少しでも野良猫の問題解決に繋げたい

――皆さんどのように利用しているのでしょうか?

農業姉妹さん ごくまれに『ネコハラ』を楽しみつつもしっかりと仕事をする方もいますが、殆どは目的の作業がほぼ手つかずのままお帰りになられているようです。手ぶらで来て、膝に乗ってきた猫を1時間撫でるだけという方もたくさんいます。

――ネコハラヨガも開催していますが、お客さまの反応はいかがですか?

農業姉妹さん 猫たちがまだヨガに慣れていないので、それほどはげしいネコハラはありません。ですが、ヨガの途中でも猫が寄ってきたら撫でたり写真を撮ったりして楽しまれています。お腹の上に乗ったり、服の中に入ったりすると、皆さん大喜びです。今後は、編み物のワークショップのような、よりネコハラを引き出しやすいイベントも考えていきたいと思っています。
――地域猫たちの保護に関する問題も絶えませんが、そうした現状についてどのように考えていますか?

農業姉妹さん 地域猫の問題は難しく、すべての人が猫好きというわけではないため、どうにもならない部分もあるとは思います。本当はすべての野良猫を保護したいけれど、その余力がないので、いまは地域猫の生きる場所を作り、避妊去勢を進め、不幸な猫を増やさない努力をするしかないというのが現実です。野良猫の問題は、根本的な制度そのものを作り変えることで、大きく変わっていく可能性があると思っています。そういう意味では、行政にももう少し当事者意識を持って考えてもらいたいと思っています。

――「cowaorking space necohara」を通してどのようなことを伝えたいですか?

農業姉妹さん 私たちの地域は、野良猫がとても多くいます。しかし、行政の課題意識はほとんど無く、対策も取られていません。野良猫の問題を解決するには、一個人の力で難しいです。ネコハラなどの活動が注目されることで、私たちの保護猫活動が認知され、結果として行政も看過できない課題だと捉えてくれることを望みます。SNSで注目を集められたことは、その目標に向けた大きな一歩であり、ありがたく思っています。

猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース

  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
  • 猫によるハラスメント“ネコハラ”を体験できるコワーキングスペース『coworking space necohara』(農業姉妹 @tfy0411より)
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