「レース=女性向け」は古い? ワコールが男性下着に取り入れ大ヒット、レースボクサー誕生の背景
2023-02-08 eltha
想定以上の反響 購買層も若者だけじゃなく5、60代まで広がり「男性消費者の下着への意識が格段にアップデートしている」
「今は男性も美を追求する時代です。ところが下着においては女性向け商品と比べて選択肢が少なく、中でも"美"の価値を届けられるアイテムはほとんどありませんでした。そこで着目したのが、女性用下着を主力とする弊社が長年にわたって向き合ってきたレースという素材です」((株)ワコール・メンズインナー商品営業部 課長の溝口曜さん)
レースの美しさは本質的なもの。レース=女性向けという価値観はもはや古いのではないか。とはいえ、単なるレースで作ったセクシーパンツと思われたくない――。そうした社内の議論から開発された「レースボクサー」だが、その反響は予想を上回るものだったという。
では実際にどういう層が購入しているのか。
「昨年2月に京都のファッションビルで行ったポップアップショップでは若い方の購入が目立ちました。関心を示されるミドル世代もいましたが、どこか照れもある様子も見受けられました。ところが昨年末に行ったポップアップでは、ごく自然に購入される5〜60代の方がとても多く、たった半年で男性消費者の下着への意識が格段にアップデートしていることに私たちも驚かされました」(同上)
繊細なレースを“男性向け”に落とし込む苦労も「これほど適切な素材はない」
「レースの最大の特徴は装飾性もさることながら、通気性の良さにあります。ムレや締め付けもなく、直接肌に触れるアイテムにこれほど適切な素材はありません。お客さまからも圧倒的に『レースがこんなに快適だとは知らなかった』という声が多いですね。ムダな厚みの出ない縫製でアウターに響きにくいのも、ファッションにこだわる方にはうれしいポイントのようです。おかげで、見たときに驚いて、履いて驚く。2度の感動を与えられる商品に仕上がりました。いい意味で見た目とはき心地のギャップが大きかった」(同上)
“レースは女性だけのものではない”そうした信念から開発されたレースボクサーだが、一方で「男性向け」を強く意識した側面もあった。
履き心地の良さと快適性からリピーターやまとめ買いも多い。今年1月には主に量販店で商品を展開しているブロス バイ ワコールメンから迷彩とペイズリーの新デザインが発売された。
「多くの男性にレースの魅力を体感していただきたいのですが、やはり抵抗感がある方もいます。そこで男性に馴染みのある柄をレースに落とし込みました。裾部分は直線的なカッティングで、よりアウターにラインが出にくい設計となっています。この2柄タイプについては、より身近に手に取っていただけるよう一部量販店でも販売します」(同上)