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“白湯”って本当に体にいいの? 循環器内科医が教える“酷暑を乗り切る”効果とは?

2023-07-15 eltha

一般的に「体にいい」とされる白湯だが、どんな効果があるのだろうか?

一般的に「体にいい」とされる白湯だが、どんな効果があるのだろうか?

 夏は暑さで汗をかき、水分やミネラルが失われやすくなる季節。その結果、体調を崩しやすくなったり、肌荒れや冷え性などのトラブルも起こりやすい。特に“酷暑”といわれている今年の夏を乗り切るのにおすすめなのが、「白湯」を飲むこと。インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」でも健康法として用いられており、一般的にも「『白湯』は体にいい」といわれているが、果たして体にどんな効果をもたらすのだろうか? 医療法人社団正恵会ディオクリニック・藤井崇博氏監修のもと紐解いていく。

「白湯」と「お湯」の違い

【「白湯」とは】
 そもそも、白湯とはどういったものをいうのだろうか。「白湯」と「お湯」の違いについて、藤井氏に聞いてみた。

藤井白湯の発祥は古代インドと言われており、現在でも健康的な飲み物として認識されています。白湯は『水を沸騰させたもの』ですが、お湯は『水を40℃以上に温めたもの』を指します。つまり、40℃以上に温めた水の総称を『お湯』と呼び、そのなかでも一度沸騰させたものを『白湯』と呼ぶわけです。
 お湯は必ずしも沸騰させる必要はないため、水道水などを使う場合は不純物が含まれたままです。一方で白湯は沸騰させることで、残留塩素やトリハロメタンなどの有害物質が取り除かれていることが条件です。日本の水道水は綺麗ですが、水道水をそのまま飲む危険性があることもまた事実です。

白湯を飲んで得られる5つの効果

 では、白湯を飲むことで得られる効果はどのようなものがあるのだろうか? 藤井氏によると5つがあげられるという。

(1)「消化を助ける」
藤井白湯を飲むことで、胃腸全体が温まり活性化することで消化力が高まります。消化力が高まることで、食べたものがきちんとエネルギーに変換されるため健康的な体になっていきます。逆に、消化力が弱まると胃腸に老廃物が溜まり、便秘や肌荒れの原因になってしまうので注意が必要です。

(2)便秘の解消
藤井(1)でもお伝えした通り、白湯を飲むことで胃腸全体が温まり活性化します。胃腸が活性化することで消化促進につながり、老廃物の排泄がスムーズになり便秘の解消につながります。

(3)基礎代謝が上がる
藤井基礎代謝とは、身体をまったく動かさなくても生命を維持するために消費されるエネルギーのことです。この基礎代謝は内蔵の温度が1℃上がることで約10〜12%上がるとされています。夏は暑さから、冷たいものをたくさん食べたり、冷房が効いた部屋に居がちですが、白湯を飲むことで内臓が温まるので基礎代謝が上がります。その結果、血液のめぐりが良くなり冷え性の改善や脂肪燃焼によるダイエット効果も期待できます。

(4)デトックス効果
藤井身体が温まるとリンパの流れや血流が良くなり、身体に溜まっている老廃物や余分な水分を排泄してくれます。これにより血液がさらさらになったり、むくみの改善につながりデトックス効果が期待できます。

(5)美肌効果
藤井『腸がキレイな人=肌がキレイな人』と聞いたことはないでしょうか。消化不良など胃腸のトラブルが、肌の健康にも大きく影響してきます。白湯は腸内の毒素を浄化・排出を促してくれるので、腸内環境が改善され美肌効果が期待できます。血行が改善され肌全体に栄養素が取り込まれるため、キメの細かいキレイな肌に近づくかもしれませんね。

藤井また、白湯を飲むだけでダイエットになるほどの高い効果は期待できませんが、ダイエットに適した身体の状態に整えることができます。血液の循環が良くなり基礎代謝がUPすることで脂肪燃焼効率が高まり、内臓機能が温まることで内臓機能が活発になり、老廃物の排出を促進するなどです。より効果を期待したい方であればミネラル成分が豊富な硬水・軟水のミネラルウォーターをおすすめします。

「白湯」摂取にベストなタイミング・量

 白湯を飲むことで、さまざまな効果が得られることがわかったが、いつ、どのくらいの量を飲むのがベストなのだろうか? 藤井氏によると、「白湯を飲むタイミングは、『起床時と就寝前の2回』が理想的」とのこと。

【起床時】
藤井起床時は50℃前後の白湯をコップ1杯(200ml)飲むのが一番効果的と言われています。ポイントは、白湯は10〜20分くらいかけてゆっくりと飲むこと。寝起きに温かい白湯を飲むことで、体温があがり血行が良くなります。また、眠っていた胃腸が刺激され活動モードになるので朝食の栄養をしっかりと消化・吸収することができます。

【就寝前】
藤井就寝前にもコップ1杯の白湯が理想的。夜寝る前に白湯を飲むことで体が温まり、副交感神経が優勢になります。副交感神経が優勢になることで、心身のリラックス効果が期待できます。また、内臓が温まり血行が良くなるので冷え性改善になり寝つきが良くなる効果にも期待できます。寝る30分以上前にじっくりと時間をかけてコップ1杯の白湯を飲むのがおすすめです。ただし、寝る直前に白湯を飲むと、寝ている間にトイレに行きたくなってしまいます。夜中に目が覚めないように寝る30分前までに飲んでおくことがおすすめです。

「白湯」の作り方

 最後に、自宅でも簡単にできる「白湯」の作り方についても藤井氏に聞いてみると、「煮沸または電子レンジで大丈夫です。前述のとおり、白湯は『水道水』を使うか『純水(ピュアウォーター)』や『市販のミネラルウォーター』を使うかで作り方が違います」とのこと。

【水道水を使う場合】
「水道水を使う場合は一度沸騰させてから冷まします。
(1)やかんに水を入れ強火で沸騰させる
(2)沸騰したら火を弱め、10〜15分間沸かす
(3)火を止め50〜60℃に冷ます
 重要なポイントは沸騰してから10〜15分沸騰させ続けることです。水道水には残留塩素やトリハロメタンなどの物質が含まれています。トリハロメタンは水温が上昇すると増加する性質があり、沸騰直前に加熱前の1.0〜3.6倍になるというデータがあります。そのため、10〜15分以上は沸騰させトリハロメタンを揮散除去するようにしましょう。電気ポットを使う場合は沸騰の操作を数回くり返すことでトリハロメタンを除去することができます」

【浄水や純水などを使う場合】
「浄水や純水、市販のミネラルウォーターを使う場合は残留塩素やトリハロメタンが含まれていないため、電子レンジやケトルで温めるだけでも大丈夫です。電子レンジがあれば簡単に白湯を作ることができます。電子レンジで作る場合は、150〜200mlの水をマグカップに入れ、500Wで2分温めます。ただし、電子レンジでは水道水の残留塩素やトリハロメタンの除去は難しいので、ミネラルウォーターか浄水を使いましょう。残留塩素やトリハロメタンのことはあまり気にしない方は、水道水を使っても問題ありません」

 夏は暑さで体調を崩しやすい季節だが、“白湯習慣”で内側から温めて、元気な体を作ろう。
藤井崇博(ふじい・たかひろ)

監修者 藤井崇博(ふじい・たかひろ)

医学博士、循環器内科専門医。2021年までの約10年間大学病院、関連病院で臨床、研究、教育に従事。最近では臨床のほか、SNSやWeb記事などでの情報の発信にも注力している。

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