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口臭、虫歯、老化や全身疾患の原因にも…脱マスクで口内に悪玉菌が増殖、歯科医師監修の「正しいオーラルケア術」

2023-09-22 eltha

 マスク着用ルールが緩和されたことで、マスクを外すシーンが増えてきました。脱マスクで口臭が気にしている人も増えてきています。マスクを着用している間、いつもより疲労やストレスがたまり体の抵抗力が落ちた方は口腔環境が悪化し口臭の原因となる悪玉菌が増えているかもしれません。本記事では、悪玉菌が増えやすくなる理由や、それらを防ぐためのオーラルケア方法について、歯科医師の宝田恭子先生に解説してもらいます。具体的な活用方法を知って、実践してみましょう。

脱マスクで口内も乾燥状態に、3つのワケとは

 脱マスクで口の中がカラカラになると、悪玉菌が増えてしまうのを知っていますか? 口の中は唾液によって潤っているのですが、唾液が減ると口内環境が悪化します。

「お口の乾燥は、悪玉菌が増える大きな原因です。口の中の粘膜や歯は唾液に覆われ、唾液には食べかすや多数の細菌を洗い流して、口内を清潔に保つ働きがあります。ところが、口が乾燥すると、唾液による自浄作用が低下し、悪玉菌が繁殖しやすい環境になります」(宝田先生/以下同)

 では、なぜ口が乾燥するのでしょうか。宝田先生によると、それには3つの理由があるそうです。

 1つ目は「口呼吸」。マスクをしていたときは息苦しくて口で呼吸していた人が多いですよね。マスクを外しても口呼吸のクセが続いてしまうと、唾液が少なくなりますので注意しましょう。2つ目は「ストレス」です。コロナ禍でストレスを感じていた人も多いと思います。ストレスは自律神経を乱して、唾液の分泌を減らします。そして3つ目は「加齢」。年をとると唾液腺の働きが弱くなったり、舌の筋肉が衰えたりして、唾液が出にくくなるのが原因です。

悪玉菌の中の一つ「歯周病菌」は口内の問題だけではなく、全身の病気とも関りが

 「お口の中の悪玉菌の中でも注目されているのが歯周病の原因菌です」と宝田先生。歯周病は、歯の表面につく白いネバネバした物質、プラーク(歯垢)に棲んでいる細菌が原因で発症します。プラークは悪玉菌の集まり。歯みがきの磨き残しや不規則な食生活などによって、様々な細菌が無数に積み重なって作られたものがプラークの正体です。悪玉菌の増殖は、口臭や歯周病などお口の中のだけでなく、他にも全身病や老化にも関係しています。

「悪玉菌が増殖すると、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られます。また糖尿病やがんなど生活習慣病と関りがあることがわかっています。現在最も注目されているのが歯周病の悪玉菌ジンジバリス菌が分泌する酵素が脳内に侵入し、神経細胞を変化させてアルツハイマー型認知症を発症させるという報告が米国で発表されたことです。歯周病が進むと、歯のぐらつきから咀嚼力が衰え、咀嚼筋や表情筋が弱り、老け顔にもなっていきます」

悪玉菌増殖をストップする「正しいオーラルケア術」

 毎日歯磨きしているから大丈夫、と思っていても実は磨き残しがたくさんあるそうです。磨き残しは悪玉菌の住処になります。
「毎日の正しい歯磨きと歯科クリニックでのクリーニングの2本立てケアが、悪玉菌除去につながります。歯磨きを朝晩きちんと行っているという患者さんでも、クリニックでチェックを行うと磨き残しが多く見られます」

 歯磨きは毎食後行なうことが理想ですが、短時間でサッと磨くよりも、1日1回だけでもしっかり時間をかけて丁寧に磨くことがポイントです。
「朝、昼は忙しいので仕方ありませんが、夜寝る前の歯磨きは、1本の歯に20秒かけ合計10分以上、すべての歯を磨きましょう。できれば歯間ブラシやフロスを使い磨き残しがないようにします。歯ブラシや歯磨き粉も、悪玉菌増殖を防ぐものを使い、時間、磨き方、グッズの3方向から意識を高め、悪玉菌を減らすケアを行ないましょう」

 プラークは歯磨きによって除去できますが、ゴシゴシと力を入れて、前後左右に大きく動かしてブラッシングをするのはNG。歯ブラシは歯肉の境目に45度の角度で当て、歯周ポケット(歯と歯肉のすきま)に入ることを意識しましょう。
「歯ブラシは鉛筆を持つような軽い力で持ち、1ヵ所につき20回以上小刻みに動かします」

 食べかすを栄養源として悪玉菌がプラークを形成するのは、食後約8時間、その後さらに長時間留まるとバイオフィルムを形成します。

 「唾液腺を刺激して、唾液の分泌を増やすことも重要」と宝田先生。最後に歯磨きに加えて行なう“唾液腺マッサージ”を教えてくれました。

「親指の先であごの下を軽く押してゆっくり放す。耳の前やあごのラインは指全体を使ってマッサージしてください」

 咀嚼筋は加齢と共に衰えますが、唾液腺は使っていれば衰えないと学説で発表されているそう。脱マスクの今、毎日のオーラルケアで悪玉菌繁殖を抑えましょう。
宝田恭子先生

監修者 宝田恭子先生

宝田歯科医院院長。日本アンチエイジング歯科学会幹事。歯周病治療・入れ歯治療などお口のアンチエイジング専門。口元の筋肉を中心に表情筋を鍛えるエクササイズを考案。歯科医師の視点から「要支援」にならない体づくりを提唱する。著書に『たるみが消える顔筋リフト宝田流表情筋トレーニング』(講談社刊)他

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