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歯を磨いているのに口臭ナゼ? “磨く”以上に“取り除く”がオーラルケアの肝に

2023-08-26 eltha

 デンタルケアが見直されてきている昨今。デンタルケアをすることで、歯を磨くだけではなく、歯間部をきれいにするデンタルフロスする人も増えています。デンタルフロスを使うことのメリットや効果的な使い方について、与野MFデンタルクリニック院長・須長敬さんに話を聞きました。

歯垢1g中に含まれる細菌数は約10億「デンタルフロスは必要不可欠」

 歯間部は口腔内において最も汚れが溜まりやすい場所の一つ。なぜなら、歯ブラシの毛が届かない深い部分で、食べ残しなどが詰まりやすいからです。それらが長時間放置されると、バクテリアの繁殖地となり、口臭の原因となったり、歯周病や虫歯の原因にも。それを防ぐ最も効果的な方法がデンタルフロスです。デンタルフロスは、歯ブラシだけでは取り切れない口の中の小さな食べカスや汚れを取り除く道具です。デンタルフロスを使うことによって、口臭予防や歯周病予防、虫歯予防になると言われています。

「人が歯を失う原因は1位が歯周病、2位が虫歯です。圧倒的にこの2つが多いので少しでもそのリスクを少なくするためには、お口の中の環境を整えることが重要です」と須長さん。

「歯周病の好発部位は、歯と歯茎との間そして歯と歯の間です。虫歯の好発部位も歯と歯の間で、歯表面や咬む面の虫歯よりも多いです。普段行っている歯磨きですが、実は歯ブラシだけでお掃除した場合のプラーク(歯垢)除去率は約60%なのです。しかし、デンタルフロスを併用した場合はプラーク除去率が約80%以上にアップします。

 プラーク1g中に含まれる細菌数は約10億と言われています。聞いただけでもゾッとすると思います。そこで、歯周病、虫歯予防として効果的でありご自身でのセルフケアとしても使っていただけるデンタルフロスは必要不可欠と言ってもいいアイテムです。

 またフロスは虫歯のセルフチェックとしても使うこともできます。歯の表面をこするように動かすので、引っ掛かりやざらつきを感じる場合に初期の虫歯を疑うことができます」

デンタルフロスの種類

 デンタルフロスにはさまざまな種類があります。

標準フロス(Standard Floss):一般的なサイズのフロスで、多くの人に対応したもの。ソフトなテクスチャのものと少し固いものがあり、使いやすさや効果に差異があります。

繊維フロスまたは多糸フロス(Multi-filament Floss):ミント味や麻薬効果のあるものなど、特殊な加工がほどこされていることが特徴。編み込みタイプのものや、糸が押しつぶされているフラットタイプがあり、一般的に耐久度が高いです。

モノフィラメントフロス(Monofilament Floss):主にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)などを材料として使用し、単一の糸で作られています。通常強くて滑らかであり、特に歯間が狭い人や、ブリッジやブレース(矯正装具)を付けている人におすすめです。

ワックスフロス(Waxed Floss):歯間が狭い人に人気で、滑りが良いため歯間にスムーズに通すことができます。ワックスがフロッシング後の口内に雑味を残さない上に、フロスが裂けるリスクを減らします。

無ワックスフロス(Unwaxed Floss):ワックスがないため、歯間が広い人に向いており、使用感が直感的であることが特徴。ただし、糸が裂けやすいという欠点もあります。

フレーバーフロス(Flavored Floss):フルーツやミントなどの香りをつけたもの。使う楽しみを加え、特に子供たちに人気です。

デンタルテープ(Dental Tape):幅広で平らな形状をしており、歯間が広い人や初めてフロスを使う人に適しています。

 さまざまな種類の中で、初心者はどういったものからはじめればよいのでしょうか。
「香りやワックスの有無など、好みに合わせて選びましょう。初めてデンタルフロスを使う場合、ホルダータイプ (柄付きタイプ)がおすすめです。片手でも使えるので、ロールタイプに比べて上手く使えない人や小さなお子さまでも簡単に使えます。ただ、ホルダータイプを使う上では、小回りが利きにくいことや歯に詰め物をしている方、歯列不正がある方はひっかかってしまうことがあるので小さめのサイズを選んでいただくなどの工夫が必要です。また、使用する上での注意点として無理やり押し込んでしまうことで歯茎を傷付けてしまうことがあるので、心配な方はぜひ歯科医院で正しい使い方の指導を受けていただくこともおすすめです。その後、ご自身が使いやすいものを選んでいただき継続して毎日使っていただくことが、お口の中の健康を守るための1番の近道になると考えています」
【デンタルフロスの使い方】

1. フロスは約40-50cm引き出し、中指に巻きつけます。
2.残った部分を指で押さえ、上下あるいは左右に動かし歯間の汚れを取り除きます。
3.「C」の字型に曲げて、歯と歯茎の間を掃除する。力を入れすぎず、優しく掃除するのがポイント。
4.一つの歯間を掃除したら新しい部分のフロスを使い、次の歯間に移ります。
須長敬 与野MFデンタルクリニック院長

監修者 須長敬 与野MFデンタルクリニック院長

病気の原因を追究し、口腔内全体を通して環境を整え、長期に渡って審美的にも機能的にも良好な口腔機能を維持できるよう日々診療にあたっています。インプラント専門医および?み合わせ認定医による、包括的な治療を行います。

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