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正座は子どもの足を短くするのは本当か? メリット・デメリットを専門家に聞く

2023-10-26 eltha

 正座は日本の伝統的な座り方ですが、いまでは椅子で生活するのが一般的になりました。ひと昔前に比べると、スラリとしたモデル体型の人が増え、その要因としてなかには、「椅子生活で足も長くなり、身長も伸びた」と考える人もいます。正座には身体に良い効果もあり、正しい姿勢で座ることが重要です。「正座は子どもの足を短くするのか?」その真偽とメリット・デメリットについて専門家に聞きました。

正しい正座の座り方は? 身体に負担の少ない方法もある

 正座は、日本の伝統芸能や芸道、武道、神道などでは必須の作法です。しかし、長時間正座をすると足がしびれたり、膝に負担がかかったりすることもあります。正座は日本人の文化や精神を表すものですが、健康の観点からは注意が必要です。ここでは、負担の少ない正座の仕方を紹介します。

(1)背筋を伸ばして、重心を膝側に移す。お尻に体重がかかると、足の甲や足首が圧迫されてしびれやすくなります。
(2)足の間にお尻を収める。かかとの上にお尻を乗せると、足先に負担がかかります。親指を重ねて八の字にした足の間にお尻を入れると、しびれにくくなります。
(3)膝と腹筋を意識する。膝をくっつけずに少し離すと、足への圧迫を防げます。腰を上げるイメージで腹筋に力を入れると、足への負担を軽減できます。

 正座はメリットも多く、身体に良い効果があるとされています。

(1)姿勢改善:正座は背筋を伸ばすことで姿勢を良くする効果があります。姿勢が良くなると内臓や呼吸器の働きも改善されます。また、姿勢が良いと自信や印象もアップします。

(2)骨盤矯正:正座は骨盤周りの筋肉を鍛えることで骨盤の安定性を高める効果があります。骨盤が安定すると腰痛やO脚などの予防や改善にもつながります。また、骨盤が整うとホルモンバランスも整います。

(3)下半身のストレッチ:正座は膝や足首の可動域を広げることで下半身のストレッチになります。下半身のストレッチは血行やリンパの流れを良くする効果があります。また、筋肉や関節の柔軟性も高めます。

(4)集中力向上:正座は集中力を高める効果があります。正座は頭に血液が流れやすくなることで脳の活性化につながります。また、正座は瞑想や礼儀作法などにも用いられることで精神的な安定にもつながります。

正座をすると「足が短くなる」「身長が縮む」は迷信…高血圧や肥満、むくみやすい人は要注意

 正座をすると「足が短くなる」「身長が縮む」といわれることもありますが、実際には、食生活の変化や遺伝的な要素に比べれば、ほとんど影響がありません。正座をすると、足の血流が悪くなることは事実ですが、それは一時的なものであり、成長に関係するほどの血流障害を引き起こすことはありません。むしろ、正座は姿勢を正すことで腰痛や消化器官の働きを改善する効果があるとされています。正座を通して精神的な修行や礼儀作法を学ぶことができるので、良い面も多いでしょう。

 ただし、高血圧や肥満、むくみやすい人は、正座をすると下肢の血栓症のリスクが高まります。また、膝に持病を抱えている人も無理は禁物です。次に、正座のデメリットについて解説します。

(1)足や膝への負担:長時間正座をすると、足や膝に血流が悪くなり、痛みやしびれが起こりやすくなります。足や膝に負担がかかりすぎると、軟骨や半月板の損傷や変形性関節症などのリスクも高まります。長時間続けると、深部静脈血栓症や横紋筋融解症といった危険な疾患を引き起こす可能性もありますので注意が必要です。

(2)血行不良:長時間正座をすると、血液の流れが悪くなることで全身の血行不良につながります。血行不良は冷え性やむくみなどの原因になります。また、高血圧の人は頭に血液が流れすぎることで脳卒中のリスクも高まります。

「正座をすると『足が短くなる』『身長が縮む』といったことは、特にないと思います。ただ、“女の子座り”のような正座を崩した座り方は良くないので、正座でも正しい姿勢で過ごしましょう。また、個人差がありますが、足のしびれ、膝や足首に痛みが出てくるまで続けるのは良くないです」(キュアレ整体師・塚本幸規さん)

 正座は健康や美容に役立つだけでなく、日本文化を感じることもできます。正しい姿勢と適度な休憩を心がけることが大切です。負担や痛みを感じた場合は、無理をせずに医師に相談しましょう。
塚本幸規(つかもと ゆきのり)

監修者 塚本幸規(つかもと ゆきのり)

オルソグループ 株式会社キュアレ取締役/整体師
1980年、岐阜県生まれ。20年以上にわたる整体師としての経験から様々な不調を抱えるクライアントをサポートし、ウィルビーイング向上に努めている。「ながらケア」で体を整え、健やかな生活を提案するCURE:RE(キュアレ)を手がける。

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