「バスト垂れてきたかも…」30代で約5割 一度垂れた胸は筋トレしても意味がない?【メーカーに聞いた】
2023-12-28 eltha
バストが垂れてきてしまう大きな要因“乳腺”と“脂肪”の比率の変化にあり
そもそもバストは、主に脂肪と乳腺とそれらを支えるクーパー靭帯の3つでできています。「バストの筋肉を鍛えるとバストアップする」などとよく聞くかもしれませんが、実はバスト自体に筋肉はありません。胸筋の上にバストがあり、胸筋とバストは別のものです。ですので、胸筋だけを鍛えてもバストが元の状態に戻ることはないことをまず知ってほしいです。
――「鍛えてもバストが元の状態に戻ることはない」! かなりショッキングなワードです。
バストのエイジングの要因は3つあります。まず、年齢を重ねてホルモンバランスが変化すると、脂肪と乳腺の割合が変わってきます。若い頃は乳腺が発達していて乳腺の割合が多いのですが、比率が徐々に変わって脂肪が多くなり、バスト全体が柔らかくなるのが変化の要因の1つです。
2つ目が、加齢により皮膚表面の弾力性が低くなり、バストを支える皮膚の力も弱くなることです。3つ目は、バストにももちろん重力がかかっていて、揺れなどの外部からの刺激も日々蓄積されています。それによってバストを支えるクーパー靭帯にストレスがかかって伸びてしまうこと。一度伸びると元には戻らないんです。
――だいたい何歳くらいからバストは垂れ始めるのでしょうか?
――エイジングしたバストの特徴は?
ステップ1のデコルテ部分や上バストのボリュームがなくなってくるというのが、最初の悩みとしては多いと思います。そこからだんだん乳頭が下向きになり、最後はバスト自体がハの字になっていきます。
弊社のワコール人間科学研究開発センターの研究結果によると、30代では約5割の方がステップ1の状態であることがわかっています。ただ、一方で、50代でもステップ1の状態である人も約1割います。
――では、バストが垂れるのを防ぐにはどうしたらいいでしょうか?
誰もが歳を取るので完全に防ぐのは難しいですが、バストのエイジングのスピードを遅くすることはできます。ワコール人間科学研究開発センターの研究によると、エイジングが遅い人には3つの特徴があります。
1つ目が、適度な運動をしていること。エレベーターではなく階段を使うなど、日常的に体を動かそうとする習慣があることです。2つ目が、バランスのいい食事を摂ること。3つ目が、からだに合った下着をつけることです。この3つを心がけた生活を送っている方はエイジングが遅い傾向にありました。
バストのエイジングを少しでも抑えるには“揺らさない”ことと自分のバストに合ったブラ選びを
運動中はバストの動きが特に激しく、上下左右弧を描くように動きます。重力による揺れがエイジングの原因のひとつなので、それはなるべく抑えるべきです。運動時のバストと日常のバストの動きは全く違うので、運動時にはスポーツブラなどを使って、動きや揺れを抑えることが大事です。
――妊娠や授乳がバストの垂れに影響するというのは本当ですか?
出産すると下垂するのは本当です。妊娠2ヵ月頃から乳腺が発達していき、脂肪も増えて、大体2カップくらいバストが大きくなります。そして、産後に1年かけてバストサイズが小さくなっていきます。
バストの容量が増えたことで皮膚の伸びと乳腺と脂肪の比率の変化が起こるため、バストが下垂してくるのです。
――垂れてしまったら、どうすることもできないのでしょうか。
ブラジャーの役割はあくまで、つけたときにバストシルエットをキレイにすることです。洋服を着たときのシルエットで印象は大きく変わります。だからこそ、からだに合ったブラジャーをつけて、シルエットを美しく自分好みにしていくことが大事だと思います。
――合っていないブラジャーだとシルエットも綺麗にならないですよね。
お悩みで多いのが、「ワイヤーが当たって痛い」とか「カップが浮いてしまう」といった声なのですが、同じバストサイズでもエイジングステップが進んでいる方と進んでいない方では、同じブラジャーをつけたときのバストの収まり方が違います。ステップ0の人がつけたら綺麗に収まっているのに、ステップ2の人がつけると浮いてしまうなんてことも多いんです。エイジングしているバストにあわせて設計されたブラジャーがあるので、バストの状態にあったブラジャーをつけるのがおすすめです。
――同じサイズでもそんな違いが…。
また、エイジングをしてくると肉質が柔らかくなってきて、背中に段差ができてしまうというお悩みもよく聞きますが、バック部分が幅広いものを選んでいただくと段差が軽減されますよ。さらに、更年期になると、ホルモンバランスの影響で締め付け感を感じやすくなってきます。広い面で優しく支えてあげるのが締め付け感の低減にも繋がるのです。
他にもエイジングの悩みに寄り添ったブラジャーの特徴があります。たとえば、上バストのボリュームが気になる場合は、下から持ち上げるようなパットを入れてあげて、上バストのデコルテ部分にボリュームをもたせてあげるなど、細かいところで違いがあります。それによって快適なつけごこちかどうかも変わってきますし、シルエットも変化するということを知っていただきたいです。
――自分のバストの状態に合わないブラジャーをつけ続けた場合、バストの垂れに影響を及ぼしますか?
下垂の原因の1つは揺れなのですが、合わないブラだとバストの揺れを抑えにくくなります。そういう意味でも、店舗で販売スタッフに見てもらい、自分のからだに合ったブラジャーを選ぶことがとても大事です。
マイナス5歳ブラ
https://store.wacoal.jp/disp/01_BFA428.html
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監修者 ワコール 田村帆乃佳
直営店事業を経験後、ワコール宣伝部にて広報・PRを担当。直営店事業でリアルなお客様の声を聞いてきた経験を活かし、「女性がからだもこころもいきいきと自分らしくいられる社会」の実現に向けた情報発信を行っている。