1月の有名人結婚ラッシュ、報告のあり方が議論に…“推しの結婚”どのように受け止める？

　HIKAKIN、内田雄馬＆日高里菜・阿座上洋平＆大和田仁美などのほか、堂本剛＆百田夏菜子、中丸雄一などアイドルや声優たちの結婚発表が多かったこの1月。この結婚ラッシュで、ネットニュースなど各界隈、またSNSでも推しの結婚に対する感情をどのように処理すべきかの議論が持ち上がっている。結婚発表する側もどのような報告がベストで、そしてファンはどのように受け止めれば良いのか。それぞれの例を挙げながら検証していきたい。

　推しの結婚により、心にぽっかりと穴が空いたかのような虚無感＝「◯◯ロス」。この言葉は結婚発表に留まらず『笑っていいとも！』終了時の「タモロス」をはじめ社会現象となっており、特に人気俳優やアイドルの結婚発表後は、そのロス感を抱えて学校や会社を休む人まで現れる事態がたびたび起こる。

　例を挙げれば、福山雅治、向井理、星野源＆新垣結衣などなど。SNSでもお祝いの気持ちを投稿する人もいれば、これまでの感謝を綴ったり、だがそこには何らかの喪失感が漂っていたり、これが加熱して嫉妬、「もうファンをやめる」、「グッズを全部破壊した」など怒りの衝動へと転換することも。

　「その他、報告の仕方に言及するコメントも多く見られます」と語るのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「近年、悲喜こもごもさまざまなニュースがあることから『◯◯からのご報告』『いつも応援してくださっている皆様へ』などのタイトルでは、何を報告したいのかわからない、そのタイトル、もしくは報告文の一行目から、何の要件かわかるようにしてほしいという意見が上がっているのです」（同氏）

　報告にはさまざまある。例えば「事務所を移る」、「独立する」、「逮捕されました」などのほか、この1月のように「結婚しました」発表まで。さらには「多くの芸能人の結婚報告が結婚相手について、『かねてよりお付き合いさせていただいていた方と』と定型文のように語っており、これは『あの頃にはすでにそういう関係だったのか！』といった嫉妬や、その他、出歯亀的な想像を招くことにつながっています。これはファンのがっかり感をさらに増すことにつながり、そうしたことについても、『先日たまたま意気投合し』『出会って3秒で』にしてほしいと笑いにして言及するユーザーもいらっしゃいます」（衣輪氏）

　そのカップルに近しい著名人の反応、応援しているファンからのムーブメント含めて受け止め、お祭り騒ぎのように盛り上がるのが昨今の傾向であると同氏は分析する。

　そんななかで、特に称賛の声が高かった堂本剛、中丸雄一の結婚発表について、どのような報告だったのか。周囲の反応はどうなったのか。例を挙げて振り返ってみたい。

　発表があったのは11日。「この度、堂本剛と百田夏菜子は結婚いたしました事をご報告させていただきます。世界の平和を願い、自分たちのいまに感謝を込めて、一日一日を大切に生きていきたいと思います。 皆様のお心が少しでも平安に向かいますよう心よりお祈り申し上げます」という“率直”な文言だった。

　これには百田が昨年4月に表紙を飾った『ゼクシィ国内リゾートウエディング 2023 Spring ＆ Summer』で、百田がウエディングドレス披露したほか、「何歳になってもわいいねって言ってくれる人（と結婚したい）。おじいちゃんになっても手をつないでお散歩したい」といったコメントから、SNS上では「ゼクシィは伏線だったのか」などの声が。また「すごい！　どこにも漏れてなかった」「誰よりも幸せになってほしい」と祝福の声が多く挙がった。

　ほか高橋みなみ、お笑いコンビ・クマムシの長谷川俊輔、モノノフ（ももクロのファン）芸能人である塚地武雄、さらにはももクロからオリジナルで登場曲を提供されるほど親交の深い田中将大投手、元AKB48の松井咲子、千鳥ノブ、そして櫻井翔からも祝福の声が。

　ももクロメンバーも「まさかのお相手で本当にびっくり（佐々木彩夏）」としながらもお祝いムード一色で、ももクロの名物マネージャー・川上アキラ氏はモノノフからのあたたかなコメントに感謝を表明。「めでたい!!皆様のこんなに温かい声が　本当にありがとうございます　こりゃ本日は酒が進むぞ」と投稿し、これにはファンからも「本当におめでとうございます！」「今夜は祝杯をあげましょう」など祝福のコメントが寄せられた。

　そして剛の相方である堂本光一も12日、自身のインスタグラムで祝福。光一は1日に自身が誕生日を迎えた際に「ステージ上でもらった剛くんからのプレゼントを終演後に早速着ての1枚」とつづり写真をアップ。そして「剛くん結婚おめでとう!!」と改めて祝福していた。

「剛くんと光一くんはお互いの電話番号を知らない関係。それでも剛くん側からどうしても話したいとのことで、光一くんはマネージャーさんごしに電話番号を伝えたそうです。ところがかかってきのは光一くんのマネージャーさん宛て（笑）。当時、光一くんは寝ぼけていたらしく、『へ？　冗談じゃなくて？』と聞き返したそうです。その上で『これからの人生がより素晴らしいものになりますように！』と祝福を。KinKi Kidsらしい2人のやり取りにほっこりしたり、多くの想いを抱いたファンも多いのではないでしょうか」（衣輪氏）

　また16日に結婚発表した中丸雄一は中丸は報道各社宛に「この度、中丸雄一は結婚いたしましたことをご報告させていただきます」と発表。「現在、様々な分野で芸能活動ができているのも全ては応援してくださるファンの皆様、それから支えてくださる関係者の皆様のおかげであると日々 嬉しく 感じております」と感謝を表し、続けて「これからは、より一層自分らしく芸事に励み、人に必要とされるように努めて参ります。今後とも、ご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い申し上げます」と結んだ。

　関係者によるとお相手は2015年から2018年の3年間、日本テレビ『シューイチ』で共演していた元同局アナウンサーの笹崎里菜。ネット上では日本テレビ系の番組『シューイチ』で中丸が担当しているコーナー「まじっすか」にちなみ、「中丸くん結婚!?　まじっすか!?」など驚きとともに粋な祝福も見られた。

　またKAT-TUNのメンバー・上田竜也もインスタグラムで祝福。「おじちゃま　おめでとう」「素敵な老後を」のメッセージとともに中丸とのおちゃめな2ショットを披露。A.B.C-Zの塚田僚一は「初めて会った15歳の時から大人でした 結婚してまた大人になる中丸くん　大大人だね笑　ご結婚おめでとうございます」とグループ公式Xでコメントした。

　そんななか、中丸自身は発表後のXで「食宝ゲットゥーン」の収録なう。で、単行本の発売記念の生配信決まりました〜！タイミング合う方はぜひ見てください」と更新。“いつも通り”な中丸に同じく「よにのちゃんねる」の仲間でもある二宮和也は、投稿を引用しながら「通常運転過ぎて声出たわ。世の中はもうちょっと違う話題ですよ」と二宮らしい微笑ましいツッコミを見せていた。

　また28日には都内で初連載マンガ『山田君のざわめく時間』（講談社）単行本発売記念会見に参加。報道陣から妻の反応を聞かれると「考えていいですか？…まだ言っても40歳ですけどアイドル業をやってるので。アイドルとして応援してくださる方がどう思うか必ず考えるようにしているんです。答えないほうが良いですね」と“アイドル”としての矜持を見せるなど、ファンとともに妻を守るといったファインプレーを見せている。

　このほか俳優の黒島結菜、宮沢氷魚が事実婚＆妊娠を公表。声優も阿座上洋平と大和田仁美、影山灯、内田雄馬と日高里菜、伊藤かな恵も自身のブログで結婚を発表。ミキ亜世、トリンドル玲奈も結婚するなど、とにかく1月は珍しいぐらい結婚報告が相次いだ。

　ただし、やはりファンとしての熱量が高ければ高いほど、先述通り「嫉妬」や「ロス」も多いもの。だが昨今はもったいぶらず、率直に、そしてストレートに伝える報告が多いことから、率直な祝福や微笑ましいツッコミややり取りでネタにする投稿が多く見られたような気がする。今年は元旦からさまざまな悲しいニュースが続いた。だがそんななか、こうした明るいニュースは人々の心を少しでもあたたかくするもの。今後もどんな明るいニュースが芸能界から飛び出すか期待だ。

（文／中野ナガ）