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娘の“初ブラ”いつごろが目安? コミュニケーションとりづらい思春期の発育「令和になっても親子ともに戸惑いや悩みは尽きない」

2024-04-17 eltha

 子どもの成長を感じる新学期。制服や体育着を新調したタイミングに、娘の胸がふくらみ始めたことに気づいた保護者もいるのかもしれません。“初ブラ”をいつ用意すればいいのかは、娘を持つ親の永遠の悩みだ。一方の娘も成長する自分のからだに戸惑いと不安を抱えているもの。ワコールの無償の下着教室「ツボミスクール」は、そうした親子が直面する女性のからだの成長や下着に関する不安や悩みを長年にわたってサポートしてきました。今回はツボミスクールの講師を務めるワコールの上地朋子さんに思春期の娘を持つ保護者に伝えたいことを伺いました。

“胸に違和感”を感じたら初ブラを「防犯面からもブラジャーの用意は大切」

──初めてのブラジャーは何歳から用意するのがいいのでしょうか。

「からだの成長は個人差がありますので、一概に『何歳』『何年生』とは言い切れません。ご自身の経験から『小学校高学年になったら必要ですよね』とおっしゃるお母さまもいますが、ワコール人間科学研究開発センターの研究データから、近年は胸が成長し始める時期が早くなっていることがわかっています。私もこれまで多くの小学校に訪れてきましたが、小学3年生くらいでブラジャーが必要と思われるお子さんも少なくありません。目安としては胸まわりに違和感を覚えたら胸をやさしく守るインナーを、全体的にふくらんできたら、ブラジャーを用意してあげてほしいですね」

──娘が“胸の違和感”について打ち明けてくれるか? という不安もあります。

「そうですね。思春期のこころはデリケートで、親にからだの変化のことを言いたくない、言われたくないというお子さんは多いです。またその年頃になると一緒にお風呂に入ることもなくなり、胸の成長にも気づきにくくなるものです。たまに胸が十分に成長しているのにブラジャーをつけていないお子さんを見かけることがあるのですが、ご自身も体育などで動きづらいでしょうし、防犯面からも心配です。お子さんのからだを守るためにも、適切な時期にブラジャーを用意するのはとても大切なことです」
──親の視点で目安にできる指標はありますか?

「初経は指標にしやすいと思います。ワコールの研究データから、成長期の胸は初経の4年前後に3つのステップで変化することがわかっています。まず初経の1年以上前の『ステップ1』では胸まわりがふくらみ始めますので、この時期には胸にあたる部分が二重になっているインナーで胸を守ってください。

 初経を迎える頃の『ステップ2』では、全体がふくらみ始めますので、胸をやさしく包む立体的なブラジャーがおすすめです。そして初経から1年以上を経た『ステップ3』で大人のように丸く立体的にふくらみます。見た目は大人のようですが、バストはまだまだ成長中ですので、圧迫の少ないジュニア用ブラジャーを選んであげるといいでしょう」
ステップ1向け 胸当て付きキャミソール(画像提供:ワコール)

ステップ1向け 胸当て付きキャミソール(画像提供:ワコール)

ステップ2向けのジュニアブラ(画像提供:ワコール)

ステップ2向けのジュニアブラ(画像提供:ワコール)

コミュニケーションが難しい思春期だからこそ、からだの成長を“ポジティブ”に捉えることが重要

ツボミスクール風景(画像提供:ワコール)

ツボミスクール風景(画像提供:ワコール)

──上地さんが講師を務めるワコールの下着教室「ツボミスクール」について教えていただけますか。

「小学4年生から中学3年生の子どもとその保護者を対象に、成長期のからだの変化や下着の選び方をお伝えする無償の下着教室です。2001年からスタートし、当初は子ども会など民間の団体からお声がけいただくことが多かったのですが、参加者の口コミが広がり、徐々に小中学校から要請されることが増えていきました。関東と関西の一部地域では出張型、そのほかの地域はオンラインで受講していただいており、これまでの受講者は延べ約18万人にのぼっています」

──なぜこのような取り組みを行っているのですか?

「ワコールの下着教室の歴史は昭和30年代後半に遡ります。洋装の急速な普及に伴い、衛生面、機能面、身だしなみや役割をお伝えする目的で、啓発活動を行なってきました。当時は高校卒業を控えた女子学生を対象としていましたが、『もっと早く知りたかった』『胸がふくらみ始めた時期に誰にも相談できなかった』という声があり、成長期の女の子に向けて「ツボミスクール」を開始しました。それから何十年も経ちましたが、令和の時代になっても親子ともに“初めてのブラジャー”への戸惑いや悩みは尽きないようです」

──保護者からは特にどのような悩みが多く聞かれますか?

「ブラジャーを買っても、娘がつけてくれないというお悩みの声はよく聞きますね。お友だちがつけていないから嫌だとか、“ブラ線”をからかわれたくないと言うお子さんは多いようです。中には『ブラジャーをつけなければいけないエビデンスは?』と問い返されて、返答に困ってしまったという親御さんもいました」
ツボミスクール風景(画像提供:ワコール)

ツボミスクール風景(画像提供:ワコール)

──胸がふくらみ始める時期=思春期は子どもとのコミュニケーションも難しくなります。

「自分のからだの成長を恥ずかしく不安に捉えてしまうのも思春期特有の心理です。ブラジャーに抵抗を示してしまうのも、その表れの1つかもしれません。当スクールでは下着のお話を通して、成長をポジティブに捉えてほしいという想いを込めています。ゲームなども盛り込みながら楽しく学び、自分のからだを大切に想うようになってくれたらうれしいですね」

──ツボミスクールは学校で開講されることが多いとのことですが、保健体育の授業ではからだの成長に伴う下着の指導は行われないのでしょうか。

「先述の胸の成長はワコール独自の研究によるもので教科書にも載っていないため、養護教諭の方からも『こういうデータが欲しかった』と言っていただけることは多いです。今の子どもはスマホでいくらでも検索してしまうため、正しい知識を得る前に誤った情報に触れてしまうことあると思います。自分のからだを守るために、からだの成長を正しく理解し下着をきちんとつけることはとても大切なことです」

──思春期のお子さんをお持ちの親御さんにどんなことをお伝えしたいですか?

「私も2人の思春期の子どもを育てているのですが、正しく下着を着用する“理由”を踏まえて説明したほうが納得してもらえるように思います。からだの成長や下着の話は、親が遠回しになることで子どもも恥ずかしがったりネガティブに受け止めがちになります。親御さんにもお子さんの成長をポジティブに捉えていただけたらと思います」
(取材・文/児玉澄子)
「ツボミスクール」講師 ワコール 上地朋子さん

監修者 「ツボミスクール」講師 ワコール 上地朋子さん

1999年入社、一男一女2児の母。
ワコールが保有する成長期のからだの変化やエイジング研究のデータをもとに
下着の基礎知識や選び方など情報発信を担う。

ワコール「ツボミスクール」
公式HP:https://www.wacoal.jp/demae-school/course/tsubomi/
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