【医師に聞く】梅雨の頭痛は子どもや痩せ型の人はとくに注意、タワマンや高層ビルで影響受けることも
2024-06-28 eltha
豪雨に見舞われたり、いきなり猛暑になったりと、天候が変わりやすい今年の梅雨。変動の大きさに、頭痛など体調不良に悩まされている人も多いのではないでしょうか。もしかしたら、その症状は、近年注目を集めている「気象病」かもしれません。気象の影響を受けやすい人は、タワーマンションのエレベーターにも注意? 症状や対処法について、オンライン診療を実施しているクリニックフォアの内科専門医に聞きました。
女性特有の症状ではない気象病、?せ型な人や子どもはとくに注意
――気象病とはどのような病気なのですか?
「気候や天気の変化によって起きる、諸々の体調不良につけられている総称です。科学的にメカニズムが明らかにされているわけではなく、明確な診断基準もありませんが、一番関わっているのは気圧の変化と考えられています。実際、気圧の変動が多い梅雨時期や、発達した低気圧となる台風が近づいている時期は、体調不良を訴える患者さんが増えている印象です」
――気象病は女性に多いと聞きますが…。
「痩せ型で虚弱体質な方は気圧の変化を受けやすいので、男性にも起こり得ますし、女性特有の症状ではないんです。また、温度や湿度の変動がほとんどないオフィスなどに1日中いる方は、環境変化に弱く気象病になりやすいといえます。同じように、家の中ばかりで遊んでいるお子さんにも気象病は増えているので、注意が必要です」
――どのような症状が多いですか?
「頭痛が一番多く、次にだるさや関節痛、めまいなどがあげられます。頭痛には細かい分類がたくさんありますが、気象の変化が要因になりやすいものでは、片頭痛と緊張型頭痛が多いと言われています。片頭痛は、どくんどくんと脈に合わせて拍動するような痛みや、目がチカチカしたり、耳がキーンとするなどの症状を伴うのが特徴。緊張型頭痛は、慢性的にデスクワークなどで肩こりを感じている方に多く、突然締め付けられるような痛みを感じるのが特徴です。関節痛は、風邪の初期症状と同じように節々がちょっと重苦しかったり、痛い状態。めまいは、ふわふわする感じが多くみられます」
「気候や天気の変化によって起きる、諸々の体調不良につけられている総称です。科学的にメカニズムが明らかにされているわけではなく、明確な診断基準もありませんが、一番関わっているのは気圧の変化と考えられています。実際、気圧の変動が多い梅雨時期や、発達した低気圧となる台風が近づいている時期は、体調不良を訴える患者さんが増えている印象です」
――気象病は女性に多いと聞きますが…。
「痩せ型で虚弱体質な方は気圧の変化を受けやすいので、男性にも起こり得ますし、女性特有の症状ではないんです。また、温度や湿度の変動がほとんどないオフィスなどに1日中いる方は、環境変化に弱く気象病になりやすいといえます。同じように、家の中ばかりで遊んでいるお子さんにも気象病は増えているので、注意が必要です」
――どのような症状が多いですか?
「頭痛が一番多く、次にだるさや関節痛、めまいなどがあげられます。頭痛には細かい分類がたくさんありますが、気象の変化が要因になりやすいものでは、片頭痛と緊張型頭痛が多いと言われています。片頭痛は、どくんどくんと脈に合わせて拍動するような痛みや、目がチカチカしたり、耳がキーンとするなどの症状を伴うのが特徴。緊張型頭痛は、慢性的にデスクワークなどで肩こりを感じている方に多く、突然締め付けられるような痛みを感じるのが特徴です。関節痛は、風邪の初期症状と同じように節々がちょっと重苦しかったり、痛い状態。めまいは、ふわふわする感じが多くみられます」
タワマンや高層ビルにも注意? 頭痛やめまいを引き起こしてしまうことも
――原因が気圧の変化だとすると、気圧の影響を受けやすい人は、高層ビルやタワーマンションのエレベーターでも不調をきたしてしまうのでしょうか?
「高層階へのエレベーターに乗ると耳が痛くなったり、詰まったりすることがあると思います。鼓膜の奥は隔絶された空間になっているので、強い圧がかかったり、逆にすごく低圧になると、空気が膨張・収縮しようとして、痛みをもたらします。さらに耳の中には体のバランス感覚や回転を司る大事な器官があるので、エレベーターの昇降による気圧の変化によってそれらがエラーを起こし、頭痛やめまいなどの症状を引き起こしてしまうことは十分考えられます」
――対処法はありますか?
「耳抜きを上手に行うことです。エレベーターで耳に違和感があったとき、つばを思いっきり飲んだり、あくびをすると、プチッと音がして耳が開く瞬間がわかると思います。これらを意識すること、プールに潜ったときなどに練習するのもお薦めです」
――乗り物でいうと、飛行機に乗るときに気圧を調整する耳栓を付ける人もいます。これは気象病にも有効でしょうか?
「数分の間に何千メートルと高度が上がり、気圧が急激に変わる飛行機の中では、気圧を調整する耳栓は有効でしょう。ただし気象病ではそれほどの気圧変化ではないので、あまり意味はないかと思います。1013ヘクトパスカル(hpa)が1気圧で、天気がいい日は1023hpaくらい、気圧が低い日は1000hpaくらい。大きな台風が来ても960〜970hpaくらいなので、水深に変換するとわずか数センチの差。お風呂に潜っても耳は痛くならないように、その程度の気圧の変化ですから、道具より体調管理に留意したほうがいいと思います」
「高層階へのエレベーターに乗ると耳が痛くなったり、詰まったりすることがあると思います。鼓膜の奥は隔絶された空間になっているので、強い圧がかかったり、逆にすごく低圧になると、空気が膨張・収縮しようとして、痛みをもたらします。さらに耳の中には体のバランス感覚や回転を司る大事な器官があるので、エレベーターの昇降による気圧の変化によってそれらがエラーを起こし、頭痛やめまいなどの症状を引き起こしてしまうことは十分考えられます」
――対処法はありますか?
「耳抜きを上手に行うことです。エレベーターで耳に違和感があったとき、つばを思いっきり飲んだり、あくびをすると、プチッと音がして耳が開く瞬間がわかると思います。これらを意識すること、プールに潜ったときなどに練習するのもお薦めです」
――乗り物でいうと、飛行機に乗るときに気圧を調整する耳栓を付ける人もいます。これは気象病にも有効でしょうか?
「数分の間に何千メートルと高度が上がり、気圧が急激に変わる飛行機の中では、気圧を調整する耳栓は有効でしょう。ただし気象病ではそれほどの気圧変化ではないので、あまり意味はないかと思います。1013ヘクトパスカル(hpa)が1気圧で、天気がいい日は1023hpaくらい、気圧が低い日は1000hpaくらい。大きな台風が来ても960〜970hpaくらいなので、水深に変換するとわずか数センチの差。お風呂に潜っても耳は痛くならないように、その程度の気圧の変化ですから、道具より体調管理に留意したほうがいいと思います」