肌のターンオーバーは加齢とともに遅くなる、医師が教える細胞からの肌ケア法
2024-01-29 eltha
加齢とともに遅くなるターンオーバー、若くても油断は禁物
肌のターンオーバーが乱れると、肌荒れ、シミ、しわの原因に。肌バリア機能が低下することで肌荒れを起こしたり、メラニン色素の排出が遅れシミの原因になったりします。さらに、角質層の水分量が低下してしまうと、小じわが作られます。皮膚細胞を元気にし、ターンオーバーを整え、肌トラブルを起こさないようにすることが重要です。
しかし、残念ながらターンオーバーは、老年期になると若年期の1.5〜2倍ほど遅くなると言われています。自分はもう手遅れ? と思う人もいるかもしれませんが、「何歳になっても、細胞を元気にすることで、肌のターンオーバーを整えることは可能です。年齢を重ねた人ほど、肌のターンオーバーを整えることが重要になってきます」と石原先生は言います。
また、若年層であっても油断は禁物。ターンオーバーの乱れの原因は、細胞のエネルギー不足と酸化ストレス(活性酸素の増加)によることが多いです。紫外線、睡眠不足、疲労の蓄積、不規則な生活などは、細胞のエネルギー不足と酸化ストレスの増加を引き起こし、ターンオーバーを乱します。
「若くても肌があれ、シミや小じわが多い人がいます。私のクリニックにも、肌の悩みを抱えて来院する若年層は少なくありません」
細胞を元気にする食べ物とは?
細胞は、エネルギーがないと動きません。その細胞エネルギーづくりを助けるものとして挙げられるのが「還元型コエンザイムQ10」です。
コエンザイムQ10は、体細胞のほとんどすべてに存在し、エネルギーを作り出すために必須となる補酵素のひとつで、脂溶性のビタミン様物質です。「酸化型」と「還元型」の2種類があり、ヒトの体内では主に「還元型」として存在しています。
還元型コエンザイムQ10は抗酸化作用を持ち、活性酸素を直接消去する働きがあります。抗酸化物質であるビタミンEを再生して、間接的に“抗酸化力”を高めてくれる作用も。「細胞エネルギー」と「抗酸化」の両方をサポートしてくれるのが特徴です。
還元型コエンザイムQ10が多く含まれる食品は、鳥ハツ、レバー、豚肩肉、牛肩肉、ハマチ、ピーナッツ、ピスタチオなど。
「必要量を食品から摂ることが理想ですが、食事からは1日5 mg程しか摂取できないと言われています。食事から還元型コエンザイムQ10を1日で100mg摂取するのは難しいため、サプリメントも積極的に利用してほしいと思います。バランスのよい食事を摂った上で、上手にサプリメントで補っていただきたいですね」
そのほか、ビタミンA、C、Eも細胞を元気にする助けになります。
「ビタミンエース(ACE)とも言われ、Aはβ−カロテンから作られ、にんじん、ホウレン草、カボチャなどの野菜、Cは新鮮な果物、Eはアーモンドに豊富に含まれています」
肌の健康を保つには、細胞のエネルギー産生を高めたり、抗酸化物質(ビタミンA、C、E、還元型コエンザイムQ10)の補充することを心がけてください。
監修者 石原新菜
イシハラクリニック 副医院長
ヒポクラティック・サナトリウム副施設長。健康ソムリエ 理事、ロングライフラボ 理事。2006年帝京大学医学部卒業。現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察のほか、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。日本温泉気候物理医学会会員