カフェを経営し、バリスタコンテストで入賞したこともある知人男性がいます。彼は常連さんに「おもしろカード」や「すてきカード」を毎年送っているそうです。
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彼のお店がいつもにぎわっているのは、このあたりに理由があるのかも…と感心しました。
メールや電話でさくっと連絡を取れる時代になりましたが、書いた人の人柄や気持ちがよく伝わってくる手紙やハガキは、感激度が高いツールです。社交上手な人ほど、自分で筆をとってマメにコミュニケーションをとることが多いようです。
ここでは、彼らが実践している「相手の心をつかむレター術」についてご紹介します。
1.おもしろいふせんや便せんでコミュニケーションIT企業で働く知人男性は「社内メッセンジャーやメールを必要最小限に利用する」がモットーだといいます。
以前、会議の時間変更を同僚にメールしたものの、相手が読んでおらず、プレゼンに失敗。「相手がモニターをいつも見ているとは限らない」と痛感したといいます。
それ以来、重要なことは、メモや短い手紙を書いてデスクに置くように心がけているそうです。
「すぐに気づいてもらえるよう、アイキャッチを工夫するようにしている」と語る彼。よく使うのは、旅行先で見つけたおもしろい形のふせんや便せんで、とくに食べ物の形は人気があるそうです。
使った紙のことで同僚が話をしに来てくれ、それをきっかけにいいアイデアが浮かぶことも多いとか。
2.出先から絵ハガキを送る新聞社で働く知人女性とカフェで待ちあわせをしていたときのことです。時間より早めにテーブルに着いていた彼女は、何かを書いているところでした。「いまクライアントに絵はがきを書いているから、少し待ってくれる?」と、5分ほどでハガキを書きあげました。
「いつもお客さんにハガキを書いているの?」と聞くと「初めて一緒に仕事をしたり、依頼をくれたりした人に出すの。お礼とあいさつを兼ねてね」という返事が。
以前、一緒に仕事をした相手に旅行先から変わった絵ハガキを送ったところ大ウケし、よく仕事の依頼がくるようになったそう。
それからは、初めて自分に関わってくれた人に出先からハガキを出すのが彼女の習慣になったといいます。
「自分のことはあまり書かない。書くことは2、3行でいいけど、『最近どうしていますか? 連絡を楽しみにしています』の一言を忘れない」ことがコツだと語る彼女。
いろいろなところに顔がきく秘けつは、こういうところにあるんだな〜、と感心したのを覚えています。
「PCやスマホだけでは、人の心をつかめない」と彼らにいわれ、筆者も反省することが多かったです。
手で書いたものからは、その人の人柄や気持ちがじかに伝わってくるもの。ちょっとした手間を惜しまずペンを走らせる習慣を身につけられれば、社交上手になるのもそう難しくないでしょう。
(金丸 標)