――2度目の結婚式をした2013年には初めてプロデュースしたウエディングドレス「lino」を発売されましたが、制作は順調でしたか?
吉川 初めて作るということもあって、やりたいことを全部入れてもらったので、最終段階のサンプルは、現在のデザインよりもたくさんの刺繍が付いていたんです。でも試着したとき「何か違うな」って思ってしまって。言いにくいな、どうしようかな、もう時間もないし、とか色々考えちゃって。
それでも勇気を出して「ゴメン、この刺繍全部とれる?」って言ったんです。もうスタッフもみんなシーンと静まり返り「え? 今から?」と固まってしまって。「もうサンプルも間に合わないしどうするの? ここまで作ってきて突然?」とみんなパニック状態で、本当に気まずかった。今だから笑って話せるけれど、マネージャーさんたちも「今、それを言っちゃう?」って青くなっていました(笑)。でも花嫁さんの素敵な笑顔とか考えていたら、シンプルでいいんだって思えたんです。それからのすべての考えが変わった、運命のドレスでした。
――以前の吉川さんだったら、ファンの方も刺繍があしらわれているドレスをイメージしていたかもしれないですね。
吉川 そうですね、10年前なら刺繍がたくさん付いたままだったかもしれないですね。今は“何を取り入れられるか”ではなく“何を捨てられるか”ということを一番に考えているようになったと思います。
吉川 初めて作るということもあって、やりたいことを全部入れてもらったので、最終段階のサンプルは、現在のデザインよりもたくさんの刺繍が付いていたんです。でも試着したとき「何か違うな」って思ってしまって。言いにくいな、どうしようかな、もう時間もないし、とか色々考えちゃって。
それでも勇気を出して「ゴメン、この刺繍全部とれる?」って言ったんです。もうスタッフもみんなシーンと静まり返り「え? 今から?」と固まってしまって。「もうサンプルも間に合わないしどうするの? ここまで作ってきて突然?」とみんなパニック状態で、本当に気まずかった。今だから笑って話せるけれど、マネージャーさんたちも「今、それを言っちゃう?」って青くなっていました(笑)。でも花嫁さんの素敵な笑顔とか考えていたら、シンプルでいいんだって思えたんです。それからのすべての考えが変わった、運命のドレスでした。
――以前の吉川さんだったら、ファンの方も刺繍があしらわれているドレスをイメージしていたかもしれないですね。
吉川 そうですね、10年前なら刺繍がたくさん付いたままだったかもしれないですね。今は“何を取り入れられるか”ではなく“何を捨てられるか”ということを一番に考えているようになったと思います。