1ヵ月毎日違う味の卵焼きに挑戦 最終的にたどりついたのはおばあちゃんの味
『藤井弁当』には、同じ素材でも味つけに様々なバリエーションが登場。その中でも、長女のお気に入りだったのはシンプルな“塩ゆでブロッコリー”だそう。
「最初のうちは、ブロッコリーは塩ゆでのものしか入れてなかったんです。そうしたら長女が、“塩ゆでブロッコリーはママの味”と言うようになりました。食べ物でお母さんを思い出せるっていいなと思いましたし、私自身もシンプルな塩味は気に入っています」
また、一時期1ヵ月間毎日違った味の玉子焼きを作ってお弁当に入れたことがあるという藤井さん。
「最終的には、長女に“おばあちゃんの作る甘辛の卵焼きが一番好き”と言われて(笑)。それからはずっと甘辛の卵焼きのみを入れていました」
試行錯誤した結果、味のバリエーションはそんなに必要ないという結論に到達。作り続けた味が母の味として定着し、一番の思い出になったようだ。
甘辛卵焼きレシピ
◇材料(1人分)
卵…1個、サラダ油…小さじ1/2
(A)水…大さじ1、砂糖…大さじ1/2、しょうゆ…小さじ1/3
◇作り方
(1)卵とAを混ぜておく。
(2)強めの中火にかけ、サラダ油小さじ1/4を薄くひく。卵液の半量を入れて全体に広げ、表面が乾いてきたら手前に巻く。
(3)もう一度サラダ油1/4を薄くひいて、残りの卵液を入れて広げ、表面が乾いてきたら手前に巻き、バットに取り出して冷ます。
ちなみに、お弁当箱は冷ます手間が省けて、中身の傷みにくい“曲げわっぱ”がオススメとのこと。
「時間がない時は、冷ますのもひと手間かかりますよね。わっぱは、ごはんやおかずが蒸れにくく傷みにくいので、重宝します。私も、冷ます時間がなくて熱々のアイロンぐらいのお弁当を持たせたことがあります(笑)」
15年お弁当を作り続けた藤井さんが生み出した、シンプルながらあたたかいお弁当。娘さんたちの母の味となった思い出のレシピが、今また多くの人に愛されている。
■PROFILE
藤井恵(ふじい・めぐみ)。雑誌や書籍、テレビなどで活躍する料理研究家、管理栄養士。エネルギー量や塩分量、栄養のバランスを考えたヘルシーなレシピから、おいしくておしゃれなレシピ、酒のつまみまで、得意分野は広い。今年1月に発売した『藤井弁当』のほか、『藤井恵さんの体にいいごはん献立』『もやし100レシピ』(いずれも学研プラス)など著書も多数。