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90代・要介護4・認知症の義母を自宅介護 おばあちゃんの”誕生日ごはん”に込められた嫁としての想い

2021-11-10 eltha

94歳になるおばあちゃんの誕生日ごはん(画像提供:@kyosonokotoba)

94歳になるおばあちゃんの誕生日ごはん(画像提供:@kyosonokotoba)

 90代、要介護4、認知症のおばあちゃんの”お誕生日ごはん”がツイッターで話題に。投稿者(@kyosonokotoba)のお母様が義母のために作ったもので、彩り華やかなちらし寿司、お刺身、ケーキ、ノンアルコールビールといった特別メニューを用意。介護は主に投稿者のお母様が一人で担当していて、普段のメニューでもご飯のやわらかさの調整、刻み食の用意など、丁寧に日々の食事を作っているという。どのような想いで介護にあたっているのか話を聞いた。

介護士の経験を活かして対応「母の偉大さを改めて実感した」

 介護食の投稿には「在宅で認知症の方の介護は本当に大変。これは経験しないと分からないと思う」「我が家でも介護をしているので、お母様の苦労を想像したら目頭が熱くなりました」「義母にここまでできるってすごい」と反響が。

 投稿者である教祖ちゃんさん(@kyosonokotoba)は、たくさんのコメントを受けて「介護は誰から褒められるでもなく、すでに自分の事を忘れられて、自由な時間もないのに、毎日一生懸命愛を与えていて。お誕生日はさらに素敵にしてくれてる。毎日祖母に丁寧な日々を与える母の偉大さを改めて実感しました」という。

 ここまで丁寧に自宅で介護食の対応ができるのは、お母様が介護士として働いていたから。ひと手間かかる介護食の調理も、服薬管理もしっかり対応している。当初は投稿に対して「要介護4」であれば「施設やサービスをもっと利用してもいいのでは…」という声もあがったが、介護士の経験があるからこそ情報収集と対策は完璧で、訪問診療、デイサービス、時々ショートステイも利用しながら日々介護しているという。

「あれこれしてと言っても、しょうがないという気持ち(笑)」

 介護食は彩り豊かな盛り付けにこだわっていて、おばあちゃんに食事を見せると毎度「あら〜」と感嘆。食欲旺盛で何でも食べているという。

 しかし、いくら経験者といえど、在宅での認知症の介護は大変な側面も大きい。お母様は日々の介護で辛さや苦しさを感じた時、どのように気持ちを保ってきたのか。

「おばあちゃんには、家族には最低限挨拶をするように、とだけ伝えています。『おはよう・ただいま・お休み』それ以外はやって欲しくても、出来ない事が分かっているので…(笑)。

 私自身がイライラしたり腹を立てないようにするために、あれこれしてと言ってもしょうがないという気持ちです(笑)。ただ努力はして欲しいとは思うんですけどね…。ちょっと何かをすると人の3倍もやったような雰囲気を出されることがあり、家族なのでそんな時は普通にムカつくこともあります(笑)」(投稿者のお母様)

様々なことがあった嫁姑の関係性「成長させてもらった”感謝の恩返し”」

 お母様とおばあちゃんは、嫁いだ当時は昭和時代の嫁と姑を体現していた関係性。若い時のおばあちゃんは毒舌で、いけずにされた経験もあったという。率直に「なぜここまでできるのか?」という質問には「昭和生まれなので、嫁としての役目だと思っている節はある」と振り返ってくれた。

「嫁に来てから色んな事がありました…。けど、過去を言っても仕方が無い。色々なことを経験したおかげで、今の自分がいる訳ですし…。そう言う意味では、成長させてもらったなぁと思うので、感謝の恩返しですかね」(投稿者のお母様)

 お母様はおばあちゃんに「心配するな、死ぬ迄生きろ!(笑)」と声掛けをしているという。デイサービスから帰ってきた時は、せん妄(攻撃的になる、幻覚、幻聴など)になることもあるが、迎える空気はイライラしたものではなく、ある意味うまく受け流しながら常に穏やかに過ごしている。

 「ハリキリ過ぎず、笑える事を見出だせると在宅介護も少しは楽になりますよ〜」とお母様。投稿者さんは「本当に母は凄いと思いました。うちの母最高!」とあらためて実感したという。「私は家を離れているので詳しいことはわからず、直接母にも聞きました。そんな家庭もあるんだな…と思ってくれる人がいてくれたら嬉しいです」。

Twitter:@kyosonokotoba
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