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2人分1週間の食費を3500円に収める節約レシピに反響、著者「毎日献立を考える手間を私が少しでも担えたら」

2021-09-21 eltha

1人分の材料費は250円、1週間3500円の予算で献立を考えるレシピ本『りなてぃの一週間3500円献立』は「第8回 料理レシピ本大賞 in Japan」準大賞を受賞

1人分の材料費は250円、1週間3500円の予算で献立を考えるレシピ本『りなてぃの一週間3500円献立』は「第8回 料理レシピ本大賞 in Japan」準大賞を受賞

 1週間3500円の予算で、2人分の一汁三菜が完成する、“1週間3500円献立”を発信している料理家のりなてぃさん(@rinaty_cooking)。SNSに投稿される料理写真は1人1食約250円で、ここまで豪華に献立を組み立てられるのかと驚くものばかり。ボリュームと節約がしっかり両立されている。「献立を考えるのが嫌だった」「毎日同じようなメニューになる」といった日々の料理の悩みに寄り添い発信を続けるりなてぃさんは、「毎日献立を考えるのは相当な大変さ。その手間を私が少しでも担えたら」と献立作りへの想いを明かしてくれた。

「これから何年も続けていくの?」献立を考えるのに途方に暮れた過去

りなてぃさんのインスタグラム(@rinaty_cooking)は32万人のフォロワーを持つ人気アカウント

りなてぃさんのインスタグラム(@rinaty_cooking)は32万人のフォロワーを持つ人気アカウント

――節約と見た目の豪華さ、両立するのはなかなか大変な部分があると思います。りなてぃさんは、それを両立している。大切にしていることはありますか?

【りなてぃ】私は同い年のパートナーと同棲していて、20代半ばで、たくさん食べるし、外仕事で疲れて帰ってくるので、節約してても、ボリュームは外せません。節約料理だと明らかに分かるような見た目にならないようにしています。

――確かに“節約料理”と名の付いている料理写真やレシピを見ると、少し質素に見えたり、栄養が不足していそうだったりするものもありますよね。見た目の豪華さを実現するために、どんな工夫をしていますか?

【りなてぃ】色々な野菜をまとめて買い、ちょこっとずつ入れていけば、色が増えて見た目も豪華になります。栄養もよくなるし、いいことしかない。野菜もたっぷりとれて、見た目も自然と華やかになって、節約感が出ないので、野菜を使いまわすのはポイントですね。

 そのために、1週間まとめて材料を買います。3日分より、1週間分のほうが、色々な種類のものを買うことができます。1日あたりの単価も安くなりますし、保存も1週間分がちょうどよいです。

――1週間献立はどのように組み立てていくんですか?

【りなてぃ】最初にメインを決めます。自分が食べたいものや、パートナーが食べたいものをまず入れていって、バランスを見て肉や魚の割合を調整します。さらに野菜のおかずをプラスしていきます。

 1週間分の献立を考えるのは、今になってもけっこう時間がかかります。早くできて2時間くらい、上手くいかないときは2日かかったり…。金額の縛りがないときは、さらっと組み立てられるんですけど、3500円に収めるとなったら時間がかかりますね。

――やはり、日々の献立を考えるのはとても大変ですよね。

【りなてぃ】そうなんですよ。1週間の献立を考え続ける、これを皆がやろうとするとなかなか続かないと思うんですよね。代わりに私がやることで、献立をまるっと提案できるので、ご自宅で料理をする方々が少しでもラクしていただけたらという思いで発信しています。私自身、料理を始めたばかりの頃はすごい献立を考えるのが嫌だったんですよ。この作業を、これから何年も続けていくん…?って思ったら、途方に暮れたことがあって。

3500円に収めるため、食材は”使う分だけ”「10円単位で削っていく」

――りなてぃさん、昔は料理が苦手だったんですか?

【りなてぃ】幼い頃は全然料理をしたことがなかったんです(笑)。隣に住んでいたおばあちゃんに料理教わったりしたことはあります。でも遊び感覚でしたね。料理について考えたきっかけは、高校生のときでした。卒業後はすぐに働きに出たかったんですが、通っていた学校が進学校だったこともあって、進学を選びました。当時はいずれ結婚するだろうと思って、花嫁修業がてら料理の知識とスキルを付けられたらと考えました。栄養士の資格が取れる短大に通って、そこから料理を始めました。

ーー料理を本格的に始めたのは、短大の時だったんですね。

【りなてぃ】そうです。栄養士の仕事をしようとは思っていなかったので、ひたすら料理のスキルを学びました。卒業後は歯科助手や建設業の事務員として働きましたが、社会人として生活をするなかでパートナーと同棲を始めて、そこから毎日料理を自宅で作るようになりました。どうせ作るなら、彼女として美味しいと思われたかった。毎日頑張るようになりました。

――“節約”の料理スタイルに行き着くのは、どのような経緯だったんですか?

【りなてぃ】自炊の記録用だったSNSに実際にレシピも投稿するようになって、少しずつフォロワーさんがコメントをくれるようになりました。毎日自炊を頑張っていましたが、当時私が会社員として働いていた時の月収は13万円程度しかありませんでした。なんとか節約しようと、自分で試していったのが1週間3500円献立でした。そのレシピをインスタに投稿したら、一気に1万人くらいフォロワーさんが増えて、驚くほど反響をいただいて。これって皆が求めているのかもと。ごはん作るのは大変だし、節約もしたい。1週間3500円献立のなかに、いろいろな要素がつまっているのかもしれないと感じました。

――1 週間3500円献立を成立させるために、いちばん重要視していることは何ですか?

【りなてぃ】一つは、食材の見直しです。献立を考え終わったあとに、使用する食材を全部書き出します。このくらいで買いたいなと思う金額も書いていきます。オーバーしそうだったら、鶏もも肉をむね肉に変えたり、野菜の種類を減らしたり、この材料は絶対に安く買いたいとか、違うスーパーに行くとよいとか、そんな情報もメモをとったりしています。

 もう一つ重要なのが、食材はレシピに必要な分だけを買うということです。例えば、たまねぎ3個入りが120円、1個だと58円だったとします。お得な3個入りを買ってしまう人もいると思いますが、1週間3500円献立は、1週間の夜ご飯の予算を管理するという名目。3500円に収めることが大切なので、使う分だけの1個の方を選ぶ。そうやって10円単位で削っていくんです。

――なるほど…必要な分だけを買うのが重要なんですね。

【りなてぃ】そうです。お肉も、レシピを作る際にグラムまで決めて多めに買わないようにします。グラムによって値段が2〜30円違うので、そこを削りまくっていくと最終的に300円くらい安く買い物ができる。多めに買って、残りは朝や昼で使おうと思っていても、確実に使い切れるかわからないですからね。

「同世代の料理する人を応援したい。皆さんが少しでもラクな気持ちでいられるように」

『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)

『りなてぃの一週間3500円献立』(宝島社)

――りなてぃさんは、料理を作りたくないときはどうしていますか?

【りなてぃ】今日もご飯作りたくないなと思うし、さぼりたいなっていつも思っています(笑)。でも今は1週間献立をやっているので、頑張って考えれば1週間献立に悩むことはありません。前は毎日考えていたので、そこはラクになったかなと。

 気分が乗らないときは、パートナーに「一緒につくろうや!」といって、2人で作ってモチベーションあげたり、洋楽を聞いてリズムに乗りながら料理したり、一週間献立が終わったタイミングで、おいしいものを食べます。本当に作りたくない日は、もう料理するのはやめて、潔く次の日に回します。

――無理をしたらダメということですよね。

【りなてぃ】それがいいんやと思います。頑張りすぎたらきついですからね。無理なときは無理やから(笑)。料理が嫌になったら、続けることができないので。

――先日、料理レシピ本大賞でりなてぃさんの著書『りなてぃの一週間3500円献立』が準大賞を受賞しました。あらためてどう感じますか?

【りなてぃ】私は料理家としてやってきたわけではなく、いきなり本を出して、それが今回準大賞をいただけました。正直自分でもついていけてない部分があります。授賞式では、感謝を自分の言葉で伝えようと思ったらグッときてしまって、あまりちゃんとしゃべることができませんでした。準大賞をいただけたのは皆さんのおかげなので、すべてに対して感謝したい。ありがとうございますって伝えたいです。

――今後はどのように活動していきたいですか?

【りなてぃ】背伸びしようとは思っていなくて、今の私だからこそ作れる料理を発信していきたいです。今考えているレシピも、若い今だからこそ考えられると思っています。今後ライフステージが変わっていくなかで、自分のスタイルがどう変わるのか楽しみです。

 今は私と同世代の20代の方々を応援したいという気持ちも強いです。20代半ばの方たちは、ちょうど分岐点の年齢。結婚した方もいれば、仕事を頑張る方もいて、子育て真っ只中という方もいます。いきなり料理をしなければならない環境に変わった方も多いのでは。そういう方たちにこそ、1週間献立のレシピが必要なんじゃないかなと思っています。今後も引き続き、料理をする皆さんが少しでもラクな気持ちでいられるように、献立の提案をしていければと思います。

PROFILE/りなてぃ
料理家・料理インスタグラマー
1995年生まれ、北九州市在住。「一週間3500円節約献立」や「男子が喜ぶがっつり愛され献立」など実用的で斬新な献立が同世代を中心に多くの女性に支持される。WEBやテレビでの活動をはじめ、食品メーカーや農産地などのレシピ開発・コンサルティングなどでも活躍中。インスタグラムのフォロワー数は32万超。

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