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バツイチ&シングルマザーを襲う閉塞感と孤独 「自分に欠陥があるのでは…」漫画作者の想い

2022/07/27

 モラハラ夫から逃げ出して3歳の娘を育てる主人公の希美は、シングルマザー専用のシェアハウスで、互いに助け合いながら生活している。そんな中、イケメンに成長した同級生が小児科医として現れたことで、“永久就職先”を探しているルームメイトが暴走。さまざまなトラブルが巻き起こっていく…。シングルマザーの抱える問題をリアルに描く話題の本作について、作者の中島まおさんに執筆への想いを聞いた。

『毒フレ〜それでもママ友でいられますか?〜』

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夫のモラハラを“我慢”してしまう女性たち

――物語の冒頭によると、主人公・希美は、夫のひどいモラハラに耐えられなくてシングルマザーになったんですね。

中島まおさんシングルマザー専用のシェアハウスを舞台にした物語を描くにあたって、夫婦仲がうまくいかなかった女性を描きたいと思っていました。希美は、自分が我慢をして周りと同調していくタイプです。きっとモラハラ気質の男性と一緒にいる女性は、良い悪いは別にして、こういう性格になるのかなと思って描きました。

――シェアハウスでも、2人のママ友の間でうまく立ち回ろうと、常に気を遣っているようです。

中島さん自分の意見を言ったほうがいい時も、グッと我慢してしまうような感じですよね。こういう方は、実は結構いるんだろうなと思います。作中でも描きましたが、希美は元夫から養育費を全然もらえていなくて、それをはっきり言えないんです。何かを我慢すること自体は悪いことではない気もしますが…、いじらしいタイプの女性ですよね。

――主人公はパート勤めでした。モラハラに言い返せないのは、稼ぎが(夫より)少ないという負い目のようなものもあったのでしょうか。

中島さんそれもありますね。自分が主に稼いでいない場合、夫に強く言いづらい方が多いのかなと思うんです。妻の収入がなかったり、少なかったりするのは、小さい子どもがいれば当然なんですけどね。働いていたとしても、時短制度を取る多くは女性ですので、男性より収入が上回ることは少ないでしょう。それで余計、自分の意見を言わずに我慢してしまうことが多いのかもしれません。

「自分に非があったんじゃないか…」シングルマザーが感じる“欠陥”

――シングルマザー専用のシェアルームが舞台というのは新鮮でした。

中島さんシングルマザーの中には、社会との接点が希薄だったり、友だちとじっくり時間が取りにくかったりして、閉塞感や孤独を感じる人もいると思うんです。そこで、シェアルームで一緒に暮らせたら最高だよね、という流れです。でも、お互い人間なので、マウントを取ったり相手をやり込めたりしたいという気持ちが芽生えてしまい、いろんな問題が起こるというのが、この作品のポイントです。

――3人のシングルマザーの性格やエピソードがとてもリアルです。設定やストーリーを考えるにあたり、参考にしたものはありますか?

中島さん以前アルバイトをしていた時に、職場にシングルマザーの方がいて、「こういう環境だとこうなるのか」と感じたことを思い出したり、ネットやSNSを調べたりしました。あとは、私も離婚した経験があって、その時の気持ちを思い出したりもしました。作中で、希美がみじめな気持ちになってしまうシーンがあるんですが、それは自分が感じたことを描いています。

――なぜ、みじめな気持ちを感じていたんですか?

中島さん今は全然そんなことは思わないんですが、当時はバツイチになったことで、「自分に非があったんじゃないか…」とか、「自分の我慢が足りなかったのでは…」などと思っていました。自分にどこか“欠陥”があるというか、男性と一生添い遂げられない人間なんだくらいまで思ったことも。その時の気持ちがすごくリアルに残っていたので、作品にも反映させたんです。

──シングルマザーの方々からの反響も多いようですね。

中島さん「私もシングルマザーです」というコメントが結構あって、意外と多いんだなと改めて思いました。あとは、希美の恋を邪魔する花音のことを「嫌い」という方もいれば、「はっきりしていていい」という方もいて、いろんな感想をいただけています。電子書籍の漫画なので、コメントがすぐに届くのがいいですよね。

――まだ連載が始まったばかりですが、今後の展開も楽しみです。

中島さんこれから3人がいろいろと経験して、それぞれ成長していきます。たとえば20代で子どもを産んでも、母親自身まだまだ子どもの部分もありますよね。産んだからといって、すぐ親になれるわけじゃないし…。小さな子どもを持つ3人は、同じ立場でありながらも価値観は異なります。共同生活をしながらトラブルを乗り越えて大人になっていく…みたいなところも描けたらいいなと思っています。

「頑張る女性を描きたい」作者の想い

──漫画家になったいきさつを教えてください。

中島さん中学生の頃に『小さな恋のものがたり』や『姫ちゃんのリボン』などの漫画が好きで、「漫画家になろう!」と投稿を始めたのがきっかけですね。その後、高校の時に『りぼん』で賞をもらって、これは才能があるんだと思い込みました(笑)。それから漫画の専門学校に通い、専門学校時代にデビューが決まりました。

──紙の漫画と、本作のようにネットで読む縦スクロール漫画の違いはどんなところでしょうか。

中島さん漫画雑誌のように見開きではなく、縦読みで考えるので、エピソードやコマを作りやすいですね。ただ、1話ごとのボリュームはあまりないので、こまめに引きつける展開を作るようにしています。あとは、読者の反響がダイレクトにくるのが、すごくいいなと思います。いろんな漫画家さんがいらっしゃると思いますが、私はコメントを全部読んで、今後の展開をどうしようか考えるタイプ。読者の意見がすぐわかって、漫画に反映できるという良さがありますね。

――今後、どんな漫画を描いていきたいですか?

中島さん自分が女性なのでとくに思うんですけど、恵まれない境遇でも、なんとか頑張って生きる女性を主人公にして、その成長を描くことが楽しいんです。今後もいろんな設定の中で、頑張る女性をずっと描いていきたいです。

『毒フレ〜それでもママ友でいられますか?〜』

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『毒フレ〜それでもママ友でいられますか?〜』
モラハラ夫から逃げ、シングルマザー専用のシェアハウスに入居した希美。シンママ同士助け合って暮らそうと努力する希美だが、同居ママ友の一人である花音は地雷系だった!そこに希美の幼馴染でイケメン医師に成長した細田が現れ、希美にちょっかいをかけはじめる。都合のいい永久就職先を探していて、細田のスペックに目をつけた花音は強引に二人に割って入るが、あくまでも希美に執着する細田に、花音はしだいに暴走し始め…。

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