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「そろそろ婚活はじめなきゃ…」社会の“圧”感じるアラサー、婚活のリアル描く漫画に反響「多様性の時代でも…日本はまだ結婚が当たり前」

2022-09-21 eltha

 恋愛スペックゼロであか抜けないちづると、あざとかわいいハイスペックなマリ子。2人の凸凹アラサーコンビが織りなす婚活奮闘記を描いたBookLive発の電子漫画『あざ婚〜あの子が結婚できない理由〜』が、「リアルで面白い」「痛快で楽しい」と大好評を集めている。作者のアン・ミツコ氏に作品誕生のきっかけや数々の痛快エピソードの誕生秘話、今後の展開について聞いた。

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「そろそろ婚活はじめなきゃ…」社会の“圧”感じるアラサー

――連載開始から早々に、『ブックライブ』総合ランキング1位を獲得するなど反響が大きく、読者からも好印象の声が多数寄せられていますね。とくに、ぶりっ子であざとい高スペック女子「マリ子」が人気です。

アン・ミツコさん「マリ子の言葉にスッキリする」という読者さまの感想は、いただいた中でもとくにうれしかったですね。すごくモテるマリ子は女性にとって嫌だと思われるかも…という不安があったんですけど、思いのほかみなさんに愛されていて驚きました。

――主人公は地味キャラの“非モテ”女子・ちづるですよね。彼女と正反対キャラのマリ子は、一見嫌な性格かと思いきや、女性の頑張りや本心を理解していて、勘違い男性を笑顔でぶった切って論破します。とても気持ちがいい女性ですね。

アン・ミツコさんそういうふうに感じてくれたらうれしいです。よくある恋愛漫画やドラマでは、ぶりっ子であざとい子って“悪い女”として描かれることが多いですが、私はそういう子がすごく好きなんです。誰の前でも可愛く見せるって、すごい努力が必要だと思うんですよね。私はその努力を称えたいんです。

――一方のちづるはあか抜けないアラサーで、何となく結婚したいから…と婚活に励みます。作中の様々なエピソードは、読者から共感を集めていますね。

アン・ミツコさんちづるは、読者のみなさんが同じ目線に立てるような存在にしたいと考えました。好きな人がいるわけでもないし、恋愛に特別興味があるわけでもないのに、何だかわからないけれど、そろそろ婚活を始めなきゃいけない。そんな社会での“圧”を感じている人です。じつは私自身も、その圧のせいでめちゃくちゃ婚活しまくっていたときがありました(笑)。

――作品は、先生の実体験が活きているんですね。

アン・ミツコさんはい。私、婚活で見事にクズ男をいっぱい引いていましたから…(笑)。漫画ではそのクズたちを、さらに濃厚に、強めにして登場させています(笑)。

「自分の気持ちをごまかさないで」結婚に向けた焦りへの苦言

――そもそも、なぜ婚活をテーマに作品を書かれようと思ったんですか?

アン・ミツコさん多様性のある社会にと言われていても、日本ってまだまだ結婚するのが当たり前的な空気感があって、アラサーになると「結婚しなきゃいけない!」という焦りにも似た気持ちになっている人が多いと思うんです。さらに、「結婚=幸せになれる」とか「将来が不安だから結婚する」と考える人もすごく多いですよね。

――たしかにそうですね。それで婚活を始めても、いい人に巡り合えるかどうか…。

アン・ミツコさんきっと悔しかったり、「何でこんな想いしなきゃいけないの」ってモヤモヤしたりすることが多いと思います。自分自身もそういう経験をしましたからね。それで、読んでスッキリしてもらいつつ、改めて「結婚」というかたちについて、本気で考えるきっかけになってもらえるような漫画を描けたらと思ったんです。

――婚活体験記ではなく、読者に“気づき”を提示したかったのですね。

アン・ミツコさんマリ子の言動や行動が気持ちいいのは、出会った男にちょっとでも違和感を抱いたら、その気持ちをごまかさないところなんです。婚活で焦りすぎると「結婚したい」が先走り過ぎて、違和感に目をつぶってしまって、「ちょっと変だけど、来年30歳だしここで決めとかなきゃいけないんじゃないか」などと考えて、違和感を置いてけぼりにしてしまいがち。それってすごく危険なことだと思いますよ。

――世間では、結婚を“妥協”という人もいますね。

アン・ミツコさんそうですよね。でもこの漫画を描き始める前に、結婚相談所に話を聞きに行ったとき、「妥協しなくていい。自分の好みを探しましょう、自分の完璧を探しましょう」と言われたことが衝撃でした。結婚のために自分の気持ちをごまかさないで、ということを伝えたいと思いました。

――物語では、ちづるとマリ子が成長していく姿も共感を集めています。

アン・ミツコさん婚活は“自分を見つめ直す場”でもあると思うんです。私の場合、とにかく“お金持ち”になるという野望があったので、婚活では「年収5千万円以上」の人しか見ていませんでした。自分は年齢と外見にこだわりがないから、大丈夫だと確信していたんです。でも婚活を続けるうちに、会話が成り立たない人は無理とか、女を下に見る人は無理とかいろいろ見えてきました。この“無理”な部分に目をつぶって結婚しても、そのあとしんどくなって終わるだろうな…と思ったし、だったら自分で稼いでひとりで楽しく生きていくほうが幸せだとも思いました。婚活を通じて、自分にとって本当に必要なことに気づけたんです。

――現在5話目まで配信中ですが、今後はどんな展開を迎えるのでしょう?

アン・ミツコさん私が婚活を通して学んだのは、「結婚が自分を幸せにしてくれるわけではない」ということでした。結婚しなくても幸せになれるし、幸せになる方法がわかってから初めて、誰かと一緒に幸せを作っていく作業ができるのだと思います。最終話は12月に配信されますが、とても素敵な展開になっていると思うので期待していてください。

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作品紹介
『あざ婚〜あの子が結婚できない理由〜』作者:アン・ミツコ

BookLive』が運営する出版部門・ライブコミックスの作品。
「彼氏いない歴=年齢」の非モテアラサー女子・戸田ちづる。わずかな希望を持って婚活アプリを始めるが、待ち人は来ず惨敗。そんな中、「モテ」を具現化したあざとかわいい女子・安西マリ子に出会ったちづるは、婚活リサーチのため彼女のデートを尾行することに。マリ子の相手は、仕事もプラベも意識が高すぎる・クセ強男。数多の失礼行動に、マリ子が放った言葉とは? かわいい笑顔でこの世のクズをぶった斬る! 読めばスッキリ痛快な、あざと婚活奮闘記。

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