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安西ひろこ「“ギャルのカリスマ”はコンプレックスの結果」13年の闘病生活があったからこそ見えた新しい夢

2022-11-28 eltha

“安西ひろこ”というタレント名に苦しめられた時期を経て「今の人生幸福度は93点」

 13年の闘病生活を経て、2014年に完全復帰。「東京の街も芸能界も驚くほど変わっていてまるで浦島太郎のようだった」とその歳月の長さを振り返る。

「特に変わったのがSNSです。私の時代にはなかったものですし、みなさん本当に自己発信が上手ですよね。私も今は仕事の関係上SNSを使っていますが、夜はなるべくスマホを手元に置かないようにしています。SNSって基本的にキラキラした世界を発信するものですし、1人きりの夜に見るとどうしても孤独感が募ってしまう。特に私は昔からコンプレックスの塊だったので、本質的にはSNSは向かないタイプなんだと思います」

 多くの女の子たちに憧れられたギャルのカリスマ。しかしそのスタイルが確立されたのも、コンプレックスの結果だったという。

「いろんなジャンルのお仕事をいただきましたが、一番やりがいがあったのがファッションのお仕事でした。だけど私は背が低いので、どうしても限界がある。めちゃくちゃ高いヒールの靴を履いていたのも、そんなコンプレックスからでした。とにかくスタイルが良くて背の高い女性やモデルさんが羨ましくてしょうがなかった。でもそれだって『受け入れて手放す』しかないことなんだって、当時の自分に言ってあげたいですね」
 病気を克服した現在は、休業中に取得したさまざまな資格や自身の体験をもとに、心と体に関する講演やセミナー、メンターとしての活動をメインに行っている。

「私がパニック障害と診断された当時、日本ではまだ情報が少なかったんですが、欧米ではすでによく知られた症例となっていました。私を診断してくれたお医者さんは『あと20年後には日本でも一般的な病気になる。安西さんはつい先回りしっちゃったんだね。その経験を生かせば、また別のカリスマになれるんじゃないかな』と勇気づけてくれて。その頃から、いつか同じように苦しんでいる方を支えられるようになりたいと考えていました。その目標が実現しつつある今は、本当に毎日が充実しています。人生幸福度は93点くらい。今までで一番高いですね」

 芸能界復帰はしたものの、かつてのようなモデルに歌にバラエティにドラマに──といった華やかな活動はあまり望んでいないという。

「でも今はとてもいい時代で、テレビに出るだけがタレントではないというか、お仕事の括りもかつて以上に広がりましたよね。将来は心と体をテーマにした小さなセミナーを定期的に開きたいと考えていて、その準備として選択理論心理学を学び始めました。“安西ひろこ”というタレント名に苦しめられた時期もありましたが、『名前が知られている人が発信することに意義がある』とおっしゃっていただくことも増えています。この名前とは一生付き合っていきたいですね」

 自分の体験が役に立つなら「どこにでも伺いたいです」と微笑む。かつて部屋を埋め尽くしたブランドものも、自分を苛んでいたコンプレックスも、すべてを受け入れて手放した彼女は今、とても身軽だ。
(取材・文/児玉澄子)

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