リアル“silent”夫婦が明かす聴者とろう者の恋「聞こえる/聞こえないを意識しないで一緒にいられたのは不思議だった」
2022-12-22 eltha
『silent』を通して感じる、ろう者・夫の率直な想い「聴者と一緒にいて『負担じゃないか』と心配になってしまう」
チャンネルを配信するのは聞こえない夫・ととさんと聞こえる妻・ゆうこさん。2人は手話で会話するが、字幕付きでろう者も聴者も問題なく視聴できる編集になっている。
ととさんは作中に出てくる奈々(夏帆)と同じく、生まれつき耳が聞こえない。
「中途失聴の想くんの気持ちは『考えすぎじゃないかな』と思うこともありますね。ただ聴者と一緒にいて『負担じゃないか』『気を使わせてしまってるんじゃないか』と心配になってしまうことがあるのは僕も同じです。でもゆうこさんとは出会ったときから、聞こえる/聞こえないを意識しないで一緒にいられたんですよ。自分でも不思議だったんですけど」(ととさん)
めったに笑わない彼の笑顔を見たい――子連れ再婚へ 大好きだったカラオケも「ととさんと溝ができてしまうくらいなら、別にいいかな」
「ただ当時は私の手話も下手で、たぶんろう者にも100%は伝わってなかったと思うんです。でも、ととさんは全部を読み取ってくれたんですよね」(ゆうこさん)
母国語が違うカップルが、互いにつたない言語で語り合うようなものなのだろうか。
「たしかにろう学校時代の友人のほうが手話もスムーズですけど──。でもゆうこさんとは最初のデートから、会話がすごく弾んだ記憶があるんですよ」(ととさん)
「彼は当時めったに笑わない人だったんです。だから笑ってくれるとうれしくて。そのうち彼の笑顔に幸せを感じるようになっていきました」(ゆうこさん)
ろう者と聴者を“隔てる”ものとして、ドラマ『silent』では音楽が重要なエッセンスになっている。ゆうこさんもととさんと付き合うようになってから大好きだったカラオケをやめたというが、そこにはどんな想いがあったのだろうか。
「ととさんと溝ができてしまうくらいなら、別にいいかなって思うようになったんです。カラオケができないことが、それほど苦だとも思わなかったですしね」(ゆうこさん)
ドラマではバリアフリー映画を提案する紬に、想が「自分と一緒でなければ自由に映画のラインナップを選べるのでは」と気にかけるシーンもあった。そんな想に紬は「ただ一緒にいたいだけ」と伝える。
「ゆうこさんがカラオケをやめたと聞いたときは驚きましたね。でも一緒に過ごす時間も増えるわけですし、自然とそうなってくれたんだったら──。夫婦ってそういうものなのかなとも思うようになりました」(ととさん)